第27話〜文化祭前々日と僕〜
更新でぇ〜す。
新キャラも更新でぇ〜す
朝、玉葛の一言により、大変な事を思い出した。
ちなみに今日は11月9日。昨日、紅葉を無事に連れ戻し、何故か、そのお仕置きとして無駄に走り回るという悪夢を見させられた朝という訳なのです。
その玉葛の一言とは、
「文化祭とやらは明後日なのだろ? 一体何をやるんだ?」
そうだ。
文化祭はすでに2日後までと迫って来ているのだ。
そういえば、うちのクラスは何をやるのだったっけ?
とりあえず、クラスに居る色んな意味で有能な三人が上手くやっていてくれているだろう。
「私たちのクラスは“一芸茶屋”よ」
「一芸茶屋? なんだそれは」
「簡単よ。私たちのクラスメイト、要するに一芸茶屋の店員に何かしらの芸で勝負を挑む。勝てたら会計を半額。圧勝ならタダってルールよ。無論負けたら二割増し。ちなみに勝負を挑めるのは何人か居る決まった店員だけだけどね」
「なんだか、やけに赤字覚悟だな」
「そんな事ないよ。ふふふ」
意地の悪い、されど嫌みのない笑顔で笑う紅葉。
それをいぶかしめな表情で見る玉葛。
玉葛の言うことは分からないでもないが、紅葉の自信は確信あっての事だ。
その容姿からは想像出来ない特技を持つ人間が多いのだ……うちのクラスは……。
それにずる賢い奴がいる……。
「まぁ良い、頑張れよ。だが、まずは登校が先だな。そろそろ出ないと遅刻だぞ」
マジだ!
僕と紅葉は急いで家を出て行く。
玉葛は、今日、バイトが有るらしく一緒には行かない。玉葛も頑張って欲しい。
「セーフ!!」
「あれ、晴信に紅葉。今日はギリギリだね。玉葛が来てからこんな事無かったの……喧嘩でもしたのか?」
してないから……。
「あはは、そんな顔をしなくてもわかってるよ。大方、玉葛のお仕置きが効いて、晴信が寝坊でもしたんだろ?」
悔しいが合ってる……。
そんな勘のいい源太の憎たらしい爽やかな笑顔を気持ち睨みながら居ると、やや演技掛かった声がかかる。
「やあやあやあ、君達、そんな所でボーっとしていないで、席に付きたまえ」
仰々しい言い方だが、コレが奴の普通の喋り方。
そして、その言葉に続くように、奴のそばに控えた女子生徒が言う。
「今から、今日の作業スケジュールが発表されます。1分1秒大切にしたいので急いでください」
やんわりだがトゲのある言葉、これも彼女にとってはいつも通りである。
まず、最初の演技くさい言葉の奴だが、名前は『加西龍』。
黒縁の細い長方形を眼鏡をし、常に勝ち誇った表情が特徴的な切れ目で、オールバック気味の少年だ。うちのクラスの委員長だが、どう評価するべきか悩む存在だ。とりあえず言える事は、真生なる変な人、いわゆる変人である。あくまでも“変な考えを持つ人”という意味での変人で、決して“変な性癖を持つ変態”では無いということを、彼の名誉の為に言っておこう。
次に、そんな加西の横に甲斐甲斐しく控えている女子生徒は、『設楽佳織』と言う。加西と同じくこのクラスの副委員長を務めており、主に加西のお世話人みたいな事をやっている。まさに加西の秘書のようなポジションにいる少女である。本人が喜んでやっている事なので、良いのでないかと僕は思う。髪はショートで、スマートな体つきのため美人だと言われるが、あの加西と居ることが多いせいか、変人に見られがちである。が、変わり者には変わり無い。
後一人、加西の使いっぱのような奴が居るのだが、今はいない。 多分、加西の指示で校内外問わず働かされているのだろう。 彼もまた、加西の無理難題をブツくさ文句を言いながらも、真面目にこなす変わり者だ。
そんなむちゃくちゃな変人さん達だが仕事はできる。
彼らのおかげで文化祭準備もスムーズに進み、すでに大詰めの状態で、ほとんど仕事が無い状態である。
「あぁ〜晴信くん。考え事中に悪いが話を聞いて居てくれたかな? どうやら、その顔の様子では、聞いていなかったようだな。おぉ嘆かわしい! だが、晴信くんの気持ちも分からなくは無い。教室のセッティングも終わり、後は、各自各々が、明後日に向けメニューにあれ料理の練習や接客の練習、そして芸に磨きをかけるだけ……気が抜けてしまうのも至極当然の結果なのかもしれない……。だが!! そんな時だからこそ、気を引き締めるのだよ。我らはある一つの目標を掲げたでわないか! 最優秀賞を取ると! 立てよ一年E組! そして知れ! 大義名分、そして正義は――」
「なんだぁ〜加西。盛り上がってる所悪いが、そう言う激励は当日の方がいいぞ。あと、お前まだまだ補習やら補講がたっぷり残ってるぞ。文化祭当日もやりたく無かったら今からやるぞ〜」
加西のどこか聞いたことのある熱い演説は小松先生によって止められた。
補習補講とはその名の通り補習補講であり、成績劣等生が受けるものである。
そして加西は、先の通り弁が立つのだが、いかせん頭が悪いというアンバランスなリーダーである。
「――あぁ……了解した。小松先生よ。今行こう。後は頼んだぞ、佳織」
「はい、分かりました。お早いお帰りをお待ちしております。龍」
「うむ、では行こうか小松先生」
「……お前、本当に偉そうだな」
行ってしまう加西、それを廊下で見送る設楽さん。
加西が見えなくなったのか、設楽さんが教室に戻ってくる。
そして、
「何を呆けていらっしゃるのですか? さっ、練習を始めましょう」
設楽さんの指示が飛んだ。
どうも爆弾蛙です。
はい
新キャラですね。
せっかくなので次回予告をさせちゃいます。
設楽佳織(以下佳)「龍、これが次回の資料です」
加西龍(以下龍)「おぉ!! ありがとう、佳織」
佳「いえ、そんな……当然の事です」
龍「あっはっはっは。佳織は謙虚だな。当然の事をするのは意外と難しいものだ。それに当然の事だからといってお礼を言わなくてよいなんて事はないだろ。私としては素直に受け取って欲しいよ」
佳「……はい、龍」
龍「本当に君の笑顔は良いな。では、次回予告といこうか。次回は、早い話しが文化祭前日だ。開店までの最後の仕上げというわけだな。どうした? 不安なのか? 佳織」
佳「……はい」
龍「何故だね?」
佳「龍の出番が少ないから……」
龍「あっはっはっは。そんな事か。安心しろ。私は欠けても困らない駒に過ぎんよ」
佳「ですが!」
龍「大丈夫だ。全てはシナリオ通り。私の手のひらの中なのだよ。私としては佳織の方が、私より重要だと思っている。期待しているよ」
佳「はい! 分かったわ龍」
てなワケで次回をお楽しみに!
なんかなげぇーし。