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第26話〜なっがぁぁぁぁいお説教と僕〜

なっがぁぁぁぁいお説教とか言ってるけどあんまり長くはない

 お腹が減ったなぁ……。

 って当たり前だよ。朝から何も食べてないし、今お昼だし……。


 僕らはまだ、建設中止になったマンションにいる。

 急に寝始めた大豊も起き、静かに正座をしている。

 他に、正座しているのは、セフィリアさんと紅葉。

 僕は、その傍らで資材に座りながら彼らを見ている。ちなみに、僕の隣には源太と憔悴しょうすいしきった万里がいたりする。


 なぜ、こんな状況なのかと言うと、それは、正座する三人の前に立ち、セフィリアさんに用意させた水を時折飲みながら、朝から今の今までも叱っている玉葛のせいだ。


 そう、あの時、大豊を眠らせたのは玉葛。

 その後、ひとしきり怪我の手当をやると、今の姿勢のままで居るのである。

「たく、皆ヒドい怪我がなくて良かったが……古山紅葉! ワラワは不甲斐ないぞ。なんだ! その有り様は!! ライバルとして恥ずかしいぞ!」

「ばっ馬鹿言わないでよ!! 私は普通の人なの、あんた達みたいに神秘の力に恵まれてるわけじゃないの!! せいぜい、ちょっと珍しい体質なぐらいだし……他はいたって普通の女の子なの!!」

 普通の女の子が、いくつもの資材を曲げたり、砕いたりしますかね。

 僕はそこじゅうに無残な姿で散らばる“元”何本、何枚もの資材を見る。

 紅葉が、大豊を殴るのに使ったり、大豊の攻撃を防いだりした結果だ。 幸いなのか、紅葉に大豊、両名には目立った怪我はない。


「そして、セフィリア=ウンディーネ!」

「なっ! 玉葛、妾のお父様の姓である“ニュクス”が抜けておるぞ!!」

「それを入れたら、お前の正式名じゃないだろ! とそんな事より、お前は能力ばかり磨いておらず、ちゃんと頭の中も磨いたらどうだ!? ワラワのライバルだと名乗る以上は勉強をせい!! 後、家事の勉強もな!!」

 ごもっともです、玉葛さん。

 セフィリアさんは何だか固まって居ますが……。


「何度も言うが、お前はやり過ぎだ! 橘槻きつつき大豊! 悪即滅という心掛けは良い。だが、それはあくまでも心掛けでの話し。ここまで顕著に表してどうする!? お前は必要悪を知らんのか!!」

「悪は悪だ。悪を倒して何が悪い」

「ぬぅぅなぁぁぁ! まだ言うか! 確かに悪を認めるわけでは無いが、時としては仲間を思い、わざと泥をかぶり、そして悪になる者もいるのだぞ! お前はそんな人まで殴ると言うのか?」

「そっそれは……」

「後、大豊。お前は“暴力英雄”と呼ばれてるようだな。何を浮かれている! “暴力”とはお前にとって悪なのではないのか? ヒーロー自ら悪を掲げてどうするのだ!!」

「……」

「何も言えないのか? 少しでもわかったのならよい。とりあえず自重しろ!」

 スゴすぎる。

 あの大豊の悪即滅の精神を言葉だけでねじ伏せるだなんて……。


「そろそろ、説教もこれぐらいにするか」

 と玉葛の言葉に安堵の表情をする三人だが、次の瞬間、三人の顔が絶望的なものに変わった。

「やはり、悪い事をした奴には説教だけでは無く、罰も必要だと源太と話してな。だから、罰を用意した。では、まずはセフィだ」

 とセフィリアさんの頭に触れる玉葛。

 すると、

「う、うわぁぁぁぁん! タイホー! 怖いのじゃ! 恐いのじゃ! 雷が怖いのじゃぁぁぁ!! タイホー! お父様! お父様ぁぁぁ!!」

 半狂乱で大豊に抱きつきながらマジ泣きした。


「次は大豊。コレがダメなんだろ?」

 と、大豊に頭を触れる。

「うっ! ……カ……ラス……」

 大豊の唯一の弱点。

 それはカラス。

 詳しい理由は知らないが、とりあえずカラスを毛嫌う。

 現に、目の焦点はあっておらず、歯切れの悪い口調でカラスとエンドレスリピートしている。


「最後に紅葉だ。コレは幻覚では無く、実際にやってもいいのだが……紅葉との協定を違える事になる、だから幻覚で済ましてやるというワラワの優しさだ。ありがたく思えよ」

 それだけを言うと、玉葛は紅葉の頭を触る。

「えっ? えっ? 何も無いけど?」

 どういこと?

「それはどうかな? 晴信を見てみろ」

「え? ……あぁ!! ちょっとなんで玉葛が!? ……違う違う! あれは幻……でも何か許せない!!」

 紅葉が慌てた様子でこちらに走ってくる。

 どうやら僕の横に玉葛が見えるらしい。

 慌てて走り寄ってきた紅葉の足が、僕の手前1mぐらいで止まる。

「あれ? あれ? 寄りたいのに寄れない……てか寄りたくない。寄りたいのに……あれ? あれ〜?」

 そのまま動きの止まる紅葉。

 どうしたんだろ?

「それだけでは、あまり罰にならんと思ってな。ついでに晴信に近寄れない様にもしといた。ワラワも鬼ではないからな、今日中には術が解けるようになっている。安心しろ」

 安心できないよ。

 大豊を見てみろ。半ば気絶しかけてるよ。

 セフィリアさんだって半狂乱で大豊を絞めながら泣き叫んでるよ?

 紅葉は……コレは思考停止って奴だね。


「晴信〜。一人涼しい顔をしているが、お前にもちゃんとあるからな」

 えっ!?

「夜が楽しみだな」

 満面の笑顔で言う玉葛さん……とても恐いです。




 その晩……ただひたすら目的無く街中を走り回るという夢をみた。

 走るコトをやめられず、ましてや夢から醒めることができないまま、24時間ぐらいを走り続ける夢を見るのは、苦行いがいの何ものでもってなかった……。

 精神的に辛いです……。

次回予告

さして予告する事がないがとりあえず呼んでみた。

彩豪(以下若)「ど〜も〜。 喫茶昼行灯の〜若こと草分彩豪さんで〜すよ〜?」

誉末(以下誉)「いやいやどもどもフリーなライターをしている真咲誉末さんだぞ。覚えているか? 22歳の優しいお兄さんだぞ。 気軽にお兄ちゃんと呼んでほしい。 特に玉葛ちゃん! 君は天使だぁ!! 俺には今彼女がいない、だから付き合って欲しい! そして『にぃに』とか『兄様』と『兄上』とか呼んで欲しい!!」

若「僕だって〜紅葉ちゃんに〜来て欲しいな〜」

誉「そうだな。そうだよな。だから許せねぇんだよ。晴信の奴がよ〜! くう〜羨ましい! いっちょやっちまうか!?」

若「それ〜いいかも〜」

輝美(以下輝)「ふざけてないで仕事しろ!! 私は私で文化祭の準備で忙しいっていうのに3日前よ3日前!!」

若&誉「はい……」

輝「てな分けで次回は文化祭よ。お楽しみに」


はい、お楽しみに。


初めは若と誉末二人でやらせるつもりが、ボケツッコミの法則? により急遽輝美さんが参加しました。


キャラ紹介とかした方がいいのかなぁと何となく悩む爆弾蛙でした。

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