第24話〜闘恋隊とコライレンジャーと僕〜
お久しぶりです
これで最後。
……よし、できた。
「いいい痛いよ。ハル〜」
涙目で頬を膨らめてもダメ。
あんな無茶をしたんだから反省をしなさい。
「あにさん。姐さんが可愛いでしたら優しくお願いしますよ」
「「そうですぜ」」
ったく……。
えっと、現状を説明すると、ここは町外れの丘にある建設途中で建設中止になったマンションの一室。
大まかな壁があるだけなのでだだっ広い。
そして、目の前で涙目になって頬を膨らめいるのは、古山紅葉。
あの後、このマンションの前で転んでベソをかいているところを発見した。
次に、僕らの周りに居て、僕を『あにさん』、紅葉を『姐さん』と呼ぶ男達、総勢10名。
この人は、不良だ。
しかも、紅葉が面倒を見ていてある程度、改心した不良達らしい。
この不良達も、濡れネズミな上にいろいろ怪我をしていたところを見ると、たぶん、大豊達とやって生き残ったのだろう。
紅葉……一体どんな鍛え方したんだ?
「さっハルがうるさく言うから手当てしてもらったけど、問題はこれからね」
「と言うことは……また、あの化け物とやりあわにゃいかんという事っスか」
不良の一人が肩を落としながら言う。
分からなくもないよ。その気持ち。
「日が明けたらたぶん来るわよ」
…………確かに。
万里にかかればこんな所すぐに見つかるだろう。
にゃ〜。にゃ〜。にゃ〜。
……てか、猫多!!
なんか万里が混じってそうで怖いな……。
「これで奴らが来るのは確定ね。みんな、朝に備えて体を休めること! いい?」
「「「うすっ!! 分かりやした。姐さん」」」
紅葉の言葉通りに、各人思い思いに体を休める不良さん達……。
あの……紅葉さん?
なんで確定なの?
「ん? 何? ハル? ……あぁ〜。なんで確定なのか気になるんでしょ。それはね。今日? いや昨日かな……とにかく襲われた時も今みたいに猫がどっちゃりいたのよ。関係無いわけないと思うわ。私は」
さようで……。
とりあえず今日は休みましょう。
「あっ、ハルは寝ずに見張りをしててね。大豊が攻めて来てる時に寝起きの悪いハルを起こすのは面倒だから……分かるよね」
………はい。
笑顔が怖いですよ。紅葉さん……。
あっ……金星が見える……。
要するに日が上り始めたか始めないかぐらいの時間。
僕は時間をかけ、このマンションの周囲にレンズを設置してある。
レンズの弱点は、レンズ自体を僕が視認をしなくてはならないという事だが、別のレンズを経由する事によって多少は克服できたと思う。
レンズだけではダメだと思ったので精度はかなり低いが、かなり広い範囲にサーチを使っている。
神秘の力の塊がやって来ればすぐわかる。そんな程度だが、化け物二人、大豊とセフィリアさん相手なら問題は無いだろ。
とか、言ってるうちに早速やってきましたよ。
「古山紅葉!! 以下“闘恋隊”素直に投降しろ!」
とうれんたい?
「私たちのグループの名前。可愛いでしょ」
可愛いでしょって……。可愛いか??
「あんた達こそ、しつこいのよ!!! 一体私たちが何したっていうの!?」
叫ぶ紅葉。
「そこに晴信がいるだろう。晴信誘拐疑惑だ」
冷静に大きな声で返す大豊。
やっぱり僕がいることまで知られてるし……てか、何故に誘拐されたことになってるの?
「ハルは、ただ私を追ってきただけよ。誘拐じゃない」
即言い返す紅葉だが、
「言い訳など、何とでも言えように。妾ら“不良撲滅戦隊コライレンジャー”のグリーンをたぶらかした罪は重いのじゃ」
不良撲滅戦隊コライレンジャー?
何、意味不明なコトを言っているのかな? セフィリアさん。
てか、僕がグリーンなんですか?
一体何なんですか!?
「ちなみに命名、配色はセフィリアさんの独断だから〜」
源太、要らない情報をありがとう。
「とりあえずだ。不良とそれらを束ねるトップは悪だ。そちらの味方をするというなら、誰であろうと容赦はしない。覚悟しろ」
とだけ大豊が言うと、そのうしろにセフィリアさんと源太が続いてやって来る。
起こるって分かってても、いざ目の前で起こると、無性に悲しくなってくるものだ。
何が楽しくて、また、大豊とやり合わなきゃいけないのだろう。
玉葛(以下玉)「次回予告だ。ワラワ抜きでの戦いが今はじまる。一人寂しく家に残るワラワ。一人寂しく朝食を食べるワラワ。一人寂しく晴信の事を思うワラワ。……はっ! 次回予告とは、サブキャラに出番を与えるとかなんとか調子の良い理由を付けて居るが、その実は、作者のバ蛙がそれらサブキャラの存在を忘れない為ある………ワラワは忘れてしまうのか!?」
そんなこと無いから。
ねっ?
とりあえず次回をお楽しみに!
玉「イヤだぁぁぁ!!」