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第20話〜喫茶昼行灯と僕〜

今日の次回予告誰にしよう……

 あの後、あのまま河川敷に居るわけにもいかず、かと言って学校にも行くわけに行かず、一度家に帰った僕らは、玉葛の作った弁当を食べ、街に出ることにした。


「はい、前にも連れて来たけど、ここが喫茶昼行灯。駅から徒歩10分、学校から徒歩15分。私達の家から徒歩13分の所にあるわ。まぁ、一回行ったことあるから分かると思うけど、名前の通り店内てか店全体がポーッとした雰囲気が特徴よ。特筆事項てしては、わかと四六時中いる常連バカ野郎の誉末たかまつに気を付けて、殺したくなるほどにうざいから」

 殺したくなるほどとは物騒だと思うなぁ。事実だけど。

 ちなみに、若とはこの喫茶店の若マスターで、名前が、草分彩豪くさわけさいごうと仰々しく、今年22になったと思った。

 そしてもう一人、真咲誉末まさきたかまつと言い、名字と名前が逆な気のするフリーライターな22才の青年である。


「殺したくなるほどの奴が居るのに、紅葉は常連なのか?」

 スルドいとこをつく玉葛。

「ん? そうよ。だって、ここには、こう……言葉じゃ上手く表現出来ないけど、何とも不思議な魅力があるのよ。それに、パスタ系の料理がスッッッッゴク美味しいし」

 確かに、僕もこの喫茶店は好きだ。


 とその時、カランコロンと鳴りながらドアが開いた。

「あ〜、紅葉ちゃん。今日〜も店に寄って〜く? サ〜ビスするよ〜」

 噂をすればなんとやらなのか、若が出てきた。


「ねっほらほら紅葉ちゃん。ねっ紅葉ちゃん」

 しきりに中に誘う若。

 紅葉はかなり迷惑そうである。

 仕方無い、寄って行こう。

 僕は、紅葉と玉葛の手を引き、店の中へと入って行った。



「よぉ!! 元気にしてたか〜? お兄さんはとっても元気にしてたぞぉ!! あははは! 晴信〜昼間っから学校サボって、しかも両手に花のハーレムだぁ!? 何をやってるんだ〜!? ン〜グッチョブ!!! 玉葛ちゃん、お兄さんと一緒に飲もうぜ!! ふっ、玉ちゃん……その、白と金のメッシュ、とても似合っていて可愛いよ……。あぁ!! ホントにも〜可愛い過ぎ!! お兄さん奢っちゃうよ奢っちゃうよ! まだまだ、奢っちゃうよ! 若!! 昼行灯ブレンドを二つね!」

 …………はい、この人が誉末さんです。

 とっても元気があり溢れている人です。

 ブローのかかった茶髪にノンフレームの楕円メガネの青年です。

 店に入るなり直ぐに話しかけて来た上、僕らと一緒に座り始めてしまいました。

 ちなみに、紅葉の前だけに、昼行灯スペシャルフルーツパフェ(一杯4800円也)が若のサービスにより早々に置かれ、玉葛の前には、誉末さん奢りのコーヒーがあったりする。

 間延びしたしゃべり方の若とマシンガントークの誉末さん……

 タイプは違えどなぜか親友同士らしい二人。

 この二人に寄ってたかって喋られた日には、次の日に熱を出して寝込むほどであるから注意したい。


 そしてまた、玉葛の前に昼行灯ブレンドコーヒーが置かれ、紅葉の前に昼行灯特製ロイヤルなチーズケーキ(一個400円也)が置かれる。たぶん、若のサービスだ。

 そう言えば、玉葛はコーヒー初体験なのではないのだろか?

 確か、前に来たときに言っていた気がする。


「晴信……」

 ん?

 どうした?

「美味いな……こーひーは美味いな!! 砂糖とミルクを入れ甘くしたのも美味いが、何も入れないブラックか? あれもいいな。緑茶にはない香りがあっていいな!」

 どうやらかなり気に入ってくれたようす。

 しっかし初めて飲んでここまで気にいるってすげーな。

「あれ? 玉ちゃんコーヒー初めてだったの?」

「そうだ! ありがとな。ほら、晴信も飲んでみろ! 美味いぞ」

 と少々興奮気味の玉葛が誉末さんを軽くあしらい僕にコーヒーを薦めてくる。

 しかも、飲みかけのコーヒーを……


「うぬぬぬ……負けてられない……」

 えっ?

 紅葉さん?

「ハル! この昼行灯スペシャルフルーツパフェ。スペシャルなだけあってスッゴく美味しいよ! だからおすそ分け! はい、あ〜ん」

 紅葉さん!?

 ちょいハズいですよ!?

「ぬぬ、なら。ふー、ふー。ほれ、晴信飲みやすいようにふーふーしたぞ。」

 わーい。そりゃいいや。

 って喜べないよ!!

 ちょっと待って!

 普通に恥ずかしいから!

「ちっ! ハル! はい!」

 何を考えたのか、紅葉は突然よそったクリームとフルーツにキスをして、再度僕にあ〜んをしてきた……。

「なぬ!? そうきたか! なら、はぬのう、くひうふひう!」

 いきなりコーヒーを口にふくみ始めた玉葛。

 たぶん、口移しと考えたのだろう……無理だよ!!

 何、ぶっ飛んだ行動とってんだよ。


「ハル!」

「はぬのう!」


 はい!!

 待って下さい!

 心の準備がぁ!!

 って二人とも目が血走ってるよ?

 誰か止めて!


「は〜るく〜ん〜?」

「晴信〜!!!!?」 あっ!!

 若に誉末さん!

 助け……て……

「晴信〜なかなか見せつけてくれるなぁ」

「は〜るく〜ん。他の〜お客様〜、あと店員に〜迷惑を〜かけちゃ〜ダ〜メだよ〜」

 何故!?

 誉末さんと若が凄い顔で迫ってきた。

 えぇっとえぇっと……ええどうすればいい!?

 紅葉、玉葛ちょっと待って。

 誉末さんと若も待って!!


 パコパコーーーン


「彩豪、誉末ちょっときな。ごめんなハルくん。もみちゃん達もほどほどにしな。ハルくん困ってるぞ」

 輝美てるみ先輩!

 この喫茶の看板娘、高校の先輩で、確か学年は三年。

 名前は草分輝美。

 しっかり者で姉御肌なお姉さんだ。

 若とは実の兄妹であるが呼び捨てなのは若に信用がないからだろう。

「輝美〜実の〜兄を殴るのは〜ダメだよ〜。呼び捨ても〜」

「やめて欲しければもっとしっかりしな! 馬鹿兄貴!」

 やっぱり。

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い! てるちゃん痛いよ!」

「知らん! 今から私が説教してあげるんだから我慢なさい。ってなんでハルくん達いるの?」

 それは……

「これには色々深い理由があるの。だから見逃してお姉ちゃん」

 輝美さんをお姉ちゃんと呼ぶのは紅葉。

 いつからから紅葉は輝美さんをそう呼び慕うようになった。

 僕にはあまり関係ないことだが……。

「いいわ。私もあまり人に言えたたちじゃないしね」

 と、それだけを言うと輝美さんは店の奥へと二人を連れていった。耳を千切れんばかりに捻り上げながら……。


 その様子を呆然と見ていると輝美さんがふと何かを思い出したのか、僕らの方に振り返った。

「あっ……、ハルくん、悪いだけどお店手伝ってもらっていい? まだ大丈夫だと思うけど……なんだかんだでこの店、人入れ良いからお父さん一人じゃ心配なのよ……頼める?」

 別に良いですけど……そんなに長い間説教するんですか?

 二人の顔があからさまに絶望的な顔だし……マスターも、今まで影が薄かったマスターも苦笑いで、なんだか手伝ってくれと言っているみたいだ……。

 分かりました。

 手伝いましょう。

 僕は力強く頷いた。

「ありがとう! バイト代色々と色付けて上げるから」


 嬉しそうにそれだけ言うと、輝美さんはまた二人を引きずって店の奥へと入っていった。

 よし、とりあえず店の手伝いを頑張ろう!

 と僕が気合いを入れ立ち上がった時、ある意味聞きたくない言葉が聞こえた……。

「ハル、私も手伝い頑張るよ!! 任せて!」

 そして、頼もしいが、何か嫌な予感のする言葉も聞こえてきた……。

「晴信、ワラワに任せろ。紅葉よりは役にたつぞ!」

 二人の間に火花が散る。

 絶対に一波乱あるよ……。

 頑張ってフォローせねば……。


どうも、あの店員(間延び野郎)とあの常連(フリーでライターな野郎)がいなければ行きたい喫茶店だなぁと思うつくづく思う蛙です。


では、お待ちかね次回予告。

安森夫妻で〜す。

静音(以下静)「どっりゃぁぁぁぁ!! オイ! 蛙! 何様のつもりだ!」

えぇ!?

静「せっかく春茂と……だぁぁぁ!! 邪魔しやがってぇぇ!!」

春茂(以下春)「まぁまぁ落ち着いて。蛙さん、僕ら今夜景の綺麗なレストランで食事をしてたんだよ? やっぱり、邪魔は良くないと思うな。次から気をつけようね」

は、はい!

静「よろしい。お前の唯一の救いはあたしと春茂を一緒に連れて来たことだな。よし、次回予告だな。やってあげるわ」

春「次回、玉葛ちゃんの意外な弱点発見。紅葉ちゃんの今更てきに弱点発見。二人共通の弱点発見の弱点発見てんこ盛りですよ」

静「まぁ気長に待ってろよ。後、感想などを待ってるぞ。特にあたし達のようなサブキャラ宛ての感想はあたし達の出番が増えるから遠慮せずよこせ。待っているぞ」


というわけです。

待ってて下さいね。

あと、待ってます。


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