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第1話〜三人の幼馴染みと僕〜

毎週月曜日に更新できるかと思います。

目が醒めるとまず真っ白な天井があった。

見覚えはある。学校の保健室だと思う。

「おっ親友。目が醒めたか。心配したぞ。ほれパイポだ。吸って目を醒ませ」

次に目に入ったのは目覚ましパイポ(以下パイポ)を渡してくる親友。

日出川源太ひでかわげんただ。

成績優秀、スポーツ万能、常に見せるのは爽やかな笑顔。

性格も良好。

神は一体いくつのモノを彼に上げれば気がすむのだろうか……

そう言いたくなるのが彼だ。

僕ら二人には、特別な共通点があるが、それでも僕と彼が親友なのは不思議な感じする。

ちなみに僕は、暇あればパイポを吸っていたりする。


それはそれでいいとして、僕はどうして保健室にいるのだろう。

「おいおい、どうして自分がここに居るのか、分かっていない顔だな。さては見てた夢が最高だったから忘れちまったのか?」

どんな夢を見てたかどうかは、僕自身、覚えていないが、たぶん違うと思うよ。

「冗談はさて置き、お前マジで覚えて無いのか? スポットライトが落ちて来たんだよ。お前の上に」

源太の言葉に驚き、自分に怪我がないか確かめる。

幸いにも怪我は無い。

「運が良いのか悪いのか分からないな。まぁたぶん悪いんだろうよ。幸いにもライトはお前の横に落ちたんだが、助けに入った紅葉のおかげでお前は気絶。足元を見てごらん。彼女が寝ているよ」


古山紅葉こやまもみじ

今、僕の足元で可愛い寝息をたてている幼馴染みだ。

赤茶けたクセの強い綺麗な長い髪を寝苦しいのか、何度も払いながら寝ている。

彼女に突き飛ばされたのなら気絶してもおかしくはないな。

小さいながらもハイパワーのパワフルガール。

彼女を表すとこんな言葉になる。

冗談抜きに150kgバーベルをリフトアップできるって凄くない?

身長155cmの体でだよ。


「うっ、うにゃぁ。うにょっ!!」

起きた。

よだれを拭く紅葉。

そして僕に気付く。

「あっ! 起きた!? ごめんね。私のせいで……」

「紅葉気にするコトはないよ。こいつならいつものことで慣れてるさ」

「むっ。源太、少し黙ってて欲しいなぁ」

「その拳を下ろしてくれると嬉しいなぁ……あはは……」

ぎこちない笑顔に青筋を浮かべる紅葉と爽やかな笑顔に冷や汗をかく源太。

とりあえず止めてあげなきゃな。


僕の取った行動は簡単。紅葉の頭をナデ、なだめるコトだ。

紅葉も、

「くすぐったい。くすぐったいよ。分かった、分かったから。止める、止めるってば」

よしいい子だ。

「ありがとう。助かったよ……話しは変わるが、お前マジにお祓い行ったら? 素人の俺が見てもヤバいって思うもん。お前だって見えてるんだろ?」

源太の言う、祓う祓わない。見える見えないというのは、当然のごとく幽霊といったたぐいの話しだ。僕と源太には幽霊が見えるのだ。

そして、今僕には禍々しい黒い何かが左肩に居ついているのだ。

う〜ん、やっぱり行った方が良いのかなぁ。

「行こうよ。ねぇ狐禮神社に行こ。あそこなら近いし。うん。そうしよう」

いきなり立ち上がり、僕の腕を引っ張りながら自己完結する紅葉。

紅葉の頭の中には、神社に行く僕と自分の姿がえがかれているのだろう。

「明日の土曜日に行こ!ねっ!?」

まぁ迷惑してたし、ちょうどいいかなぁ。


こうして僕と紅葉は狐禮神社に行くコトが決まった。

源太は用事があるらしく行けないと悔しがっているし。

紅葉は、狐禮神社へ電話をかけ、明日お祓いに行くコトを話してしる。


狐禮神社と言えば五年前、僕と紅葉が見つかった場所。

僕ら二人は二週間ほど行方不明になった経験がある。

僕らには、その二週間の記憶がなく、ただ気づけば狐禮神社に居たというものだ。それ以来、僕と紅葉は何かと狐禮神社に行くようになった。

初詣は必ず狐禮神社。

合格祈願も狐禮神社。

何か無くした時も狐禮神社。

そして今回も。

なにか嬉しいような申し訳ないような微妙な気持ちになる。

悪いコトではないと思うのでコレはコレでよしとしようか……


そんなコトを考えていると、電話を終えた紅葉が話し掛けてきた。

「OKだって。やったね」

どうやら話がついたらしい。

つくも何も、そこの神主さんとも結構長い付き合いだから、突然行っても祓ってくれると思う。

とりあえず明日、狐禮神社に行ってみることにしようと思う。


「おい、大丈夫か?」

突然窓が開き、一人の少年が入ってくる。

「怪我したんだって? ……ん? 怪我して無いじゃないか。まぁいいや。よかったな怪我なくて。これ見舞いのりんごだ。食え」

気が早いよ。

「うん、何にせよ我が友に怪我なくてよかった。じゃっ、俺は悪党狩りにでも戻るから。さいなら」

そして窓から出ていく。

奴の名前は橘槻大豊きつつきたいほう

一見クールだが、その心にある意志は熱く、暑い(鬱陶しい時がたびたびある)。

悪と罪を憎み、正義を貫くそんなやつだ。

ちなみに大豊にとって【友】とは【永遠のライバル】とか【拳で語り合った者】とか【裸の付き合いのあり者】とかといった意味がある。

悪い奴じゃないし、幼馴染みでもあるから僕自身も大豊のコトを親友だと思っているが……あの熱血の温度をもう少し下げて欲しいのが本音だ。


大豊が立ち去ってしばらくして源太が、

「よし、明日の予定も決まったコトだし、俺らも帰りますか」

「うん、わかった。」

源太は立ち上がり、僕らを促す。

紅葉も同意する。

そして、源太を笑顔で睨みながら僕に向かって話し掛けてきた。

「ねぇこの後2人で喫茶“昼行灯”によってかない?」

どういう顔してるんだ……

まぁ別にこの後用事があるわけでもないし、昼行灯に行くのも良いかもしれないなぁ。

あそこのペペロンチーノは美味しい。

僕らはそのまま保健室を後にした。


どうも、爆弾蛙です。

頑張りますので応援よろしくお願いします

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