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第13話〜玉葛と源太と僕〜

いままでのペースに戻ります。

「晴信、紅葉。彼女は猫又の万里まりだ」

「猫又万里にゃ。万里でいいにゃ。よろしくにゃ」

万里という少女は、見た目から16、7ぐらいの短い黒い髪とピクピク動く猫耳と二本の尻尾を持つ少女だ。


「私は紅葉。古山紅葉。よろしくね。万里。こっちのパイポくわえてるのが安森晴信。っでこのにやけ顔の奴が、日出川源太よ」

「日出川源太です。別ににやけてるわけじゃ無いんですけどね」

紅葉が僕らを紹介する

各々頭を下げ挨拶をしてゆく。

僕がしないのは、紅葉と玉葛に声を出すなと睨まれているからである。


「失礼かもしれませんが“猫又”と言うのは名字か何かなのですか?」

源太が万里さんに質問をする。

確かに僕もそれは気になる。

「そうにゃ。あたい達がいた世界じゃ名前でどこの誰か分かるようににゃってるにゃ。例えば、あたいの名前、猫又万里にゃら“猫又族”の“万里って人”って分かるにゃ。玉葛にゃら、九尾玉葛だから“九尾族”の“玉葛って人”って分かるにゃ。種族で大体の住んでる場所が限定されるからよく分かるにゃ」

僕を含め、源太、紅葉はへぇ〜っと感嘆の声を上げる。

玉葛……九尾って名字だったんだ。


「こ、こら! 万里。一般人が居るのに何を――」

「源太にあの世のコト説明したよ」

「――紅葉!?」

万里を叱ろうとした玉葛は、紅葉の言葉に驚く。

源太には玉葛が来たコトを言った時点であの世のことを説明した。

まぁついついという訳でして……

「晴信……ってそんな顔したって許さんぞ……くぅ……」

僕の顔をすがる様な表情で見た玉葛は、すぐに頬を赤く染め、顔を背けた。

少しむくれた表情をしたのが気になる。


「もう一つ、玉葛さんと万里さんに聞きたいコトがあるのですが……」

とまた源太が質問をする。

たぶん、源太が意地でもウチに来た目的に関係するのだと思う。

だって、いつも爽やかな笑顔に不気味さがあるし……しかも、目が爛々と輝いていて少し怖い。

「いいが……源太と言ったか? 君は晴信の大切な友人だ。だったらワラワに敬語はいらん。自然体で話してくれた方が嬉しい」

「あたいもにゃ! さん付けにゃんて虫酸が走るにゃ」

玉葛が照れながら言う。

万里さ……いや、万里もそれに便乗するように言う。

万里……一応、気を使ってくれた人に『虫酸が走る』はないと思うよ。


「そうですか? ありがとう。なら遠慮なく」

一拍置いて。

「君たちの世界に魔女、魔法使いといったたぐいの人はいますか?」

へ?

源太、かなり予想外な質問だよ?

源太の顔は珍しく笑顔では無く、真剣な表情へとなっていた。

冗談では無さそうだ。

「いや、そういった類の者は、ワラワ達が居た世界にはいないな」

「そうにゃ。そういう人達はむしろこっちの世界の奴にゃ。まぁほとんどが半端者だけどにゃ。源太、もしかして魔法使いにでもにゃりたいのかにゃ?」

源太は、ただ一回だけ、真剣な顔で頷く。

源太の様子を見ていた紅葉が口を開いた。

「そういえば玉葛の神秘の力っていかにも魔法って感じだよね。火作ってみたり、氷作ってみたり。あと変化できたり消えてみたりしてさぁ。源太、玉葛の弟子になったら?」

「えっ!?」

「本当か!? お願いできましか? 玉葛」

紅葉の発言に玉葛は驚き。

源太もまた、嬉々と輝く目で玉葛をみる。

今度の目は純粋に好奇心で喜んでいるらしく怖くない。


だが、

「無理だ」

無情にも玉葛の口から出たのは否定の言葉。

「ワラワの力は魔法使い達のそれとは別物。魔法使い達とワラワ達では術の体系が違う。だから、ワラワに教えを扱いても魔法使いにはなれない。それにワラワが教えたからと言って、源太がワラワと同じ力を使えるとは限らん。ワラワ等の体系は、その個人の持つ属性を重んじて訓練するからな。“得意不得意はあれど万能に”の魔法使い達とは違うのだ。あと、変化能力は種族の持つ体質のようなものだから人間である源太には無理だ。」

そうだったのか。

玉葛の否定の言葉は源太を思ってのコト。

源太の目的達成至上主義に気付いてはいないと思うが、これで源太が目的とする“魔法使いになる”という目的からズレずに済んだというわけか。


でもこのままだと、あまりにも源太が可哀想過ぎる。

どうにかならないだろうか。


と思っていると、突然万里が源太に話しかけた。

「源太。約束が守れるにゃら、魔女を紹介してあげてもいいにゃ」

どうやら万里には魔女の知り合いがいるようだ。

源太もその言葉に普段の調子を取り戻し、笑顔で返した。

「あぁ、絶対にその約束を守ろう」

「わかったにゃ。最初に守って欲しいことにゃ。あたいを、その魔女のそばにいるマジウザいローランっていうバカネコから守って欲しいにゃ」

「ん? わかった。必ず守ろう」

万里が『ローラン』と言う名前を出した時の顔はかなり嫌そうな顔である。

まだ会ったことは無いが一体どんな人(?)なのか気になる。


「じゃっ、教えるにゃ。名前はマーリン。年は114歳。性別は女。今あたいが知ってるのはここまでにゃ。ウザいローランと一緒に行動してるから、今日本に向かってる上に、必ずあたいのところにくるにゃ」

自慢げに話す万里。

そして続けて。

「会うとこまで面倒を見てやるから、ご飯と寝るところの面倒を見て欲しいにゃ。さっきの約束の中に入れ忘れたから、面倒を見てくれる代わりに、魔法の初級の基本ぐらいなら少し分かるから教えてあげるにゃ。どうかにゃ?」

万里は意外にも律儀と言うのが分かった。

「あぁいいとも。喜んで」

OKするのかよ。

まぁ分からないでも無いけど……


てか、いろいろ知ってるんだな。

驚きだよ。

「晴信、かなり驚いてる様子だな。万里は猫又だ。猫又という種族は両世界を股に掛けた屈指の情報屋種族だ。しかも万里は、その猫又の姫だからな。自然と様々な情報が集まるのだ」

胸を張り語る玉葛。

今朝はなかなか酷いコトを言っていたが、やはり大切な友達なのだろう。


しかし姫ってのは、凄い。

しかも情報を沢山持っているということは、敵に回してはいけないと言うこと。

気を付けなければ。


まぁ本人は良い子だし、大丈夫かな。


はい、と言う訳で玉葛の尻尾(九尾の狐の尻尾)ですね。


えぇっと誰が答える?


万里(以下万)「あたいがやるにゃ。玉葛じゃ恥ずかしがって駄目にゃ」


玉葛「え〜い。駄目とか言うな。万里が言うぐらいなら自分で言う」


万「……顔真っ赤にゃ」


玉「うるさい。では、ワラワの尻尾だったな。ワラワ達、九尾一族はの尻尾は成人の証だ。だから皆、二十歳までには九本生えそろうのだ。もっと詳しく言うと、九尾一族は、産まれた時から大量の神秘の力を持っており、尻尾の数によって解放できる神秘の力の量が決まってくるのだ。ちなみにワラワは、八本使えるぞ」


万「おかしいにゃ。あたいの情報じゃ九本出せるって聞いたにゃ」


玉「こら、万里!」


万「まぁ、ここいらでさよならにゃ。バイバーイ」


玉「こら! 話を聞け」


あっ取られた!!

まぁいっか……

てなワケでこんな感じです。

次回をお楽しみに。


感想、質問まってまぁす

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