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第12話〜玉葛の友人と僕〜

調子が良いみたいです。

あの後、元気よく玉葛に見送られた僕らは、当然のごとく学校に登校し、半日だらだらと過ごした後、昼食がてら土曜日にあったコトを源太に説明していた。

ちなみに昼食は玉葛のお手製弁当。

紅葉もしきりに自分も手伝ったコトを主張していたが、甘い厚焼き卵が無い時点で本当かどうか怪しいものである。


「ふ〜ん……そういやぁ有ったなそんな事も。っでその恩人さんが来たと」

僕の親友、日出川源太ひでかわげんたは僕らの話を茶化すことなく真面目に聞いていてくれた。

無論笑顔で。

「っで、学校に転入してきたりしないんだね」

そう言うこと。


僕は最後の玉子焼きを口に入れ、源太の言葉に頷いた所で固まった。

横を見ると、紅葉が期待の眼差しで見ていた。

紅葉か……

僕が食べた玉子焼きは、かつおダシの風味と砂糖の甘さのきいた味だった。

僕個人としては好きになれない味だ。


「って晴信。聞いてるか?」

すまん。

聞いてなかった。

この玉子焼きに気を取られていたよ。

っで一体何?

「だから、今日お前の家行くからな」

たぶん、大丈夫かな?

いや、でも、玉葛の友人が来るとか言ってたし……

どうだろ……

「じゃっ、ちょっと用事があるから。よろしくな」

「なになに? 源太。またラブレターで呼び出し? なかなか減らないね」

「ああ。正直疲れるよ……とりあえず今日行くからな。頼むよ! ……はぁ……どうやって断ろう……」

源太は疲れた笑顔でその待ち合わせ場所に向かって行った。

あいつホントにモテるからなぁ。

でも、源太が誰かと付き合ったと言う噂や話しは一度も聞いたコトが無い。

どうしてなのだろうか……

何か考えねば。




「お邪魔します」

「ただいまぁ」

ただいま……。

源太、紅葉、僕ら三人は、なんの問題も無く僕の家へと着いてしまった。


何も思いつかなかった。

そもそも、目的達成至上主義と言うべきなのか、源太は“コレ”と一度目的を決めてしまうと滅多なコトで目的の達成を諦めない。

僕は目的に向かって突っ走る源太を止めた経験が無いのだ。


ここまで来たら仕方無いので、僕は、とりあえず源太を客間へと案内しようとした。


が、既に客間からは話し声が聞こえてきた。

玉葛とその友人だと思う。

「そっか……奴がこっちに渡ったのか……」

「そうにゃぁ。海亀一族と渡ったと聞いたから、もうこの町に居ると思うにゃ」

「3日前だろ?」

「そうにゃ。でも、あのお姫さんは水を介して移動できるにゃ。わけにゃいにゃ」

「そうだな。他には何かあるか?」

「そうだにゃ……玉葛にはあまり関係にゃいかもだけど……ローランって分かるかにゃ? ケット・シーの次期族長って言えば分かると思うにゃ。アイツも渡ったみたいにゃのにゃ。ウザいにゃ。ムカつくにゃ。しかもパートナー見つけ出し、暇だからって日本に向かってるらしいにゃ。マジ最悪にゃ」

「そっそう……」

「ところでさっきからドアの所に人が居るにゃ」

げっ

気付いてた。

「男二人に女一人。男の一人は身長175cmぐらいかにゃ? もう一人はもう少し背が高めにゃ。女は……ぷぷ、玉葛とほとんど変わらにゃいにゃ。ちんちくりんにゃ」

すげっ!?

なんでそんなに分かる。


と一人僕が驚いていると紅葉に押し退けられた。

「あんた、初対面の人間にちんちくりんは無いでしょ!!」

ドアを開けると共に怒鳴り散らす紅葉。

気持ちは分からないでも無いが、お前も相手とは初対面な。

口が悪いよ。

「はんっ。いきなりお客さんを『あんた』呼ばわりする人に言われたくにゃいにゃ」

「それはあんたが――」

「また、あんた呼ばわりにゃ。そもそもちんちくりんって言った時はまだあんたと会ってないにゃ。初対面ですらにゃいにゃ」

「あんただって『あんた』って……それにあんたの言ったコトが当てはまるの私しかいないじゃない。いくら初対面ですらないからって……」

「あんた呼ばわりの人には『あんた』で十分にゃ。それにあんた自意識過剰にゃんじゃにゃいの〜?」

「うぅぅ……」

唸る紅葉。

諦めろ。

紅葉の負けだ。


僕は紅葉の頭を優しくなでた後、ゆっくりと玉葛の友人で、先ほどまで紅葉と喧嘩していた人物をみた。


一言で言おう。

たぶん予想できた上に予想通りだ。

玉葛の友人は猫娘だ。


彼女の頭にはピクピクとしきりに動く耳があり、腰の辺りから尻尾が二本クネクネとしている。


「あたいは猫又にゃ。よろしくにゃ。安森晴信君かにゃ? 噂はきいてるにゃ」

さっさようで……。

てか名前は!?


えぇっと質問が来ました??


玉葛「なぜ、疑問形」


まぁそこは触れないと言うことで、質問の内容です。

玉葛の尻尾(九尾の尻尾)についての解説をお願いされました。


玉「だから疑問形か」


うん。


玉「ワラワのことだし、ワラワが答えよう」


ちょっと待って。


玉「ん?」


いいの?

本当に言っちゃうの?


玉「はっ! 嫌だ! ワラワは答えんぞ! 帰る!!」


あぁあ帰っちゃった。


??「あたいが説明するにゃ」


きっ君は……!!

ちょっと出るのが早いかなぁ

うん。

シッシッ


??「ヒドいにゃ!」




まぁ、本編進行状の都合により次回!!

玉葛の尻尾、説明します。

ごめんね

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