第11話〜早起きと朝食と僕〜
ザッ王道。
自慢じゃないが、僕は寝起きが悪いし、寝付きがもの凄くいい。
ほっといたら何度でも寝直すコトができる。
それこそ一日中。
だから、目覚ましパイポなどで簡単に寝ない様にしているのだが……
今、僕の目の前には、一瞬で目の醒める状況が出来上がっていた。
現時刻―04:37。
現状況―ベッドの上にて両手に花。
夢のようなシチュエーションにいます。
でも、シングルベッドで三人は辛い。
無論、二人が僕の上に乗る形で寝ている訳で……。
先に謝っておく。
ごめん。
重たいです。
そんな思いを二人に送ってみた。
「んっ……」
その思いが届いたのかどうかは分からないが、とりあえず、玉葛が目を覚ました。
そして、寝ぼけた目と合う。
「…………あっ……」
僕が起きてるコトに気付いたのか、顔を赤くして慌てる玉葛。
「ももも紅葉。起きて。早く」
「うにゅ……なに? ……ってえぇ!? ハルなんで起きてるの!?」
起きてちゃいけないのかよ……
「すまん晴信。すぐに朝食の準備をするから。ほら、紅葉行くぞ」
「えっ、私まだ寝る……はいはい、分かってます。約束しました。守ります」
と慌ただしく二人は僕の部屋を後にした。
今から朝ご飯の準備って……早くないか?
まぁやりたいならやれば良いけど……
僕はもう一寝入りするだけだし。
こうして僕はまた夢の中へと落ちて行った。
「学校? ワラワは行かんよ。と言うか行けない」
朝食中、玉葛は学校をどうするのか気になったので聞いて見たら、こう返ってきた。
行けないとはどういうコトなのだろうか。
ちなみに質問は紙に書いてした。
玉葛が必死に声を出すことを嫌がる為だ。
紅葉は、朝が早かったせいか小舟を漕いでいる。
「少し考えれば分かるだろ……」
小さくため息をつく玉葛。
「ワラワには、こっちの世界……ん? あぁこの世と言って欲しいんだな。分かった。ややこしいからな。もう一度言うぞ。ワラワにはこの世の戸籍がない」
あぁ!!
納得。
あっ、でも玉藻さん、免許持ってなかったか?
でもあの人なら無免で運転しそうだな。
「玉藻姉様が『どうせ要らなくなるんだから要らないでしょ』って言って作ってくれなかったのだ」
作れるのかよ!?
「まぁ、学校にはそのうちついていくよ。方法ならいくつか有るし。それにワラワも少し用事があるからな」
その『ついていく』の“つく”はどの“つく”なのかな?
“付く”?
それとも“憑く”?
後、用事って?
ゴチン!!
僕が玉葛の用事について聞こうとした時、紅葉が頭を机にぶつけた。
「あははは」
笑う玉葛。
僕は必死でこらえてるというに……
「ん? ん?」
状況を理解していない様子の紅葉。
今日の朝食は、玉葛の軽快な笑い声が響くとても楽しいものだった。
ってこれで終わるか!
「紅葉、早く食べてくれ。片付かない」
僕が用事についてもう一度聞こうとすると、玉葛は紅葉を促し、食べ終わった僕と玉葛の食器を持って流しに行ってしまった。
これじゃ聞けないじゃないか。
「玉葛〜。玉葛って学校どうするの?」
「ん〜? あっ紅葉は寝ていて聞いて無かったのか。晴信にも言ったが、ワラワは戸籍がないから学校に行けないのだ。玉藻姉様が『要らないでしょ』ってね。それに、今日は用事もあったしな」
んん!?
これは!!
「用事って何?」
紅葉ナイース!
「友人が来るだけだ。女性のな。勝手に招く形になったが……晴信すまん」
そう言うことか。
気にするな。
「その友人ってどんな人?」
「自己中心的で気まぐれで人の話を聞かない奴だが、友達思いでもあって良い奴だよ」
振り向いて話す玉葛の顔は、かなり嫌そうなな顔だが誇らしげでもある。
「仲良いんだね」
「……あぁ」
食べ終わった食器を持って近づく紅葉に対して、玉葛は照れくさそうに後片付けに戻った。
夜這いネタですね。
えぇ王道ですよ。
どうも、 爆弾蛙です。
今回の王道はですねぇ。
一度はやられてみたいし、やってみたいかなぁとは思う、 そんなシチュエーションなのですよ。
個人的に
まぁ次回をお楽しみに
質問、 感想お待ちしてます。
とくに質問を!!