桑の実を君と喰む
ヴァイオレット(愛称オッティ)には人には決して相談できない、後ろ暗い秘密があった。十三歳の時にそのことに気づいてより三年が経ち、遂に秘密を隠すことに耐え切れなくなった彼女は、出稼ぎの宛があるという行商人の話に乗って故郷の村から城下町へと越した――家族友人に何の相談もしないまま。そこでヴァイオレットは彼女以上の秘密を抱え、苦悩する青年と出会った。ネイサンと名乗った青年は言う。
「君が人には相談できない、後ろ暗い秘密だと思っていることは、決して万人に批難されるようなものではない」と――。
これは苦悩から解放されたヴァイオレットが、恩を返すため奔走する物語である。
「君が人には相談できない、後ろ暗い秘密だと思っていることは、決して万人に批難されるようなものではない」と――。
これは苦悩から解放されたヴァイオレットが、恩を返すため奔走する物語である。