ラブファイア
未来不知は、大学を無事卒業。あの懐かしくも不思議な高校生活も、今となっては、幻のようにさえ思える。
大人になった未来には、パートナーも出来た。
「行って来ます」
「お弁当!!!」
「ありがとうございます。いえ、こんな事より、お店の準備に」
「大丈夫!!母さんが頑張ってる!」
「あなたが、頑張るんでしょう」
「うん!」
パートナーは、奇跡的に調理師学校を卒業。その後、実家の料理店で修行中だ。あの大声も、お客さんには好評らしい。人間は、何が功を奏するか分からないな。
そして未来は、実家近くに新しい家を借りた。複数人で住める家を。
パートナーと、いずれ得られるであろう子供達とで住める家を。
「ただいま」
「お帰り!!」
パートナーは晩御飯を作っていた。未来の帰りに合わせているのだ。
「美味しいです」
「うん!!!おれも、未来と食べると、美味しい!!!」
「あなたの料理は、ずっと美味しいですよ。高校の頃から、ずっと」
「そんな事ない。1人で作っても、あんま美味しくない」
パートナーは、親が忙しく、自炊する習慣が身に付き、料理の道に進んだ。
だが、キッカケは、未来。未来が、料理を食べるその時だけは、笑顔を見せてくれたので、ガンガン調子に乗って作るようになったのだ。
「未来」
「はい」
「受け取って欲しい」
そして差し出されたのは。
「もう、未来じゃありませんね」
「恥ずかしいな!改めて名前で呼ぶの!」
「しょうがありません。これからは、黒区不知なんですから」
愛の炎は消えない。
ただ燃え盛るのみ。
それがラブファイア。




