あけましてラブ
「何を作っているんですか?」
「雪だるま!」
「それは分かっています」
近所の公園で何かを作っていた黒区。せっかくの大雪なので、お散歩に洒落こんでいた未来と出会った。
「寒くないんですか、手は」
「めっっちゃ寒い!!!」
黒区の手には、ちゃんと手袋がはめられているが、それも濡れてしまっている。カイロを持っていない未来には、助けられる事はないが。
「コーヒーでも、買って来ましょうか」
「大丈夫!」
しかし。熱心な。
未来と出会ったと言うのに、黒区は一心不乱に雪像を作り続けている。
未来もその様子に、鑑賞を続ける。
「ううん。うん!」
ブツブツ呟きながら、作業は続く。
用事のない未来も、黒区の完成させるであろう何かを見届けたい。
「出来た!」
これは。まさか。
「サンタさん!!」
確かに。特徴的なヒゲ。服装。トナカイ。ソリ。
紛うことなき、サンタクロース。
「すごいですね」
「ふふふ!」
今日は、1月3日なのだが。
クリスマスの終わった後に、サンタを作るこのセンス。未来は、純粋に、すごいと思った。
手のかじかんだ黒区は、大急ぎで家に帰り、暖かな家でため息を吐いた。
未来は、記念に写真を撮り、自由に手の動かない黒区に代わり、家の扉を開けてあげた。ついでに、お邪魔したり。
「あけましておめでとう!!!」
「あけましておめでとうございます」
この挨拶も、3回目だが。
めでたい事は、何度でも良いものだ。
「明日は何しよっか?」
「宿題です」
テンションを地に落とした黒区と、いつも通りの未来の正月は、普段通りに過ぎる。




