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ほこほか、ラブ温度
「お芋!」
「そんなに珍しいですか?」
季節は秋。今日は、焼き芋の日だ。
「いや。昨日も食べた」
「そうですか」
「でも!今日も食べる!!」
「そうですか」
別に黒区が食べようと食べなかろうと、未来が全部食べれば良いだけの事である。
電子レンジが芋を焼いてくれる。まこと、便利な時代よ。
「焼き芋に、何かかける派?」
「いいえ?」
芋を焼いている最中は、ただ暇だ。勉強をしている未来とは違い、落ち着かない気持ちの黒区は、リビングをきょろきょろ見回していた。
「宿題は、終わってないんでしょう」
「はい!!」
「ねえ。今度は、どこ行く?」
「動物園とか。秋は、動物も過ごしやすいでしょうから」
「なるほど!」
「お弁当?それとも、どこかで食べる?」
「作っても構いませんけど。黒区君よりは、下手ですよ」
「そんな事ない!!!」
「そんな事より、手を動かして下さい。ページが止まっていますよ」
「はい」
「出来ましたね」
「おおおお!!」
焼き芋を食べつつ、休憩。
「美味しい美味しい!」
「まあ、普通ですね」
「今度は、おれが何か作ってくるからさ!」
「それは。楽しみです」
「うん!じゃ、待たね」
「気を付けて帰って下さい」
こうして。普通の秋は、過ぎたとさ。




