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『第四章 決戦』

 ルナリアのミステルティンがストレアの身体を貫通していた。

「がはっ」

 ルナリアはストレアの身体に刺さったミステルティンを引き抜いた。

「ごふぁ」

 ストレアは口から大量の血が噴き出しその場に倒れた。傷口から出た血がそこに水たまりをつくっていた。


「ストレア!」

 ゼブルがストレアのもとへ向かう。

「させないわ」

 ジブリールは呪文を唱え始めた。

「聖人を束縛せし十字架よ、彼の者を拘束せよ」

 するとゼブルの足下に方陣が展開し、そこから鉄製の十字架が出現し、ゼブルを拘束した。

「な、なんじゃこれは」

 ジブリールは別の詠唱を始めた。

「聖人を貫きし槍よ、吾が前にその姿を現したまえ」

 今度はジブリールの足下に方陣が展開し、光輝く槍が出現した。

「貫け、ロンギヌス!」

「がっ」

 ロンギヌスがゼブルの胸を貫通した。

「あははははは。無様ねゼブル」

 ゼブルは磔にされたまま槍で胸を突かれ息絶えようとしていた。

「はぁ、はぁ、おぬしが、なにをしようと、妾が、知ったことではないが、はぁ、今回の、こと、は、黙っているわけには、はぁ、いかぬ」

「死に損ないがなにを言っているの」

ジブリールがとどめを刺そうとロンギヌスを出現させた。

「さっさとくたばりなさい!」



 一方ヴァルハラでは“最終兵器”の使用準備が着々と進められていた。

「戦況はどうだ?」

「はっ、現在こちらに不利な状況です」

「ゾーラ様はいかがか」

「敵の攻撃を受け重傷、転送呪文にてこちらに送るとのことです」

「そうか」

 参謀のディートリッヒは自分達の敗北は決定的だと判断した。仮に“最終兵器”が間に合ったとしても倒せる保証はないと考えていた。

(“あれ”はジブリール本人がつくったものだ。それが効くのか?)

 ディートリッヒはそう疑問に思いながらも今更別の手段を考えている余裕がないのが事実だった。

 ディートリッヒが自問自答していると部下が駆け込んで来た。

「ゾーラ様が到着しました!」

「っ!今行く」

 ディートリッヒはすぐさまゾーラのもとへ駆けつけた。

「ゾーラ様!」

「ディートリッヒか。“あれ”の準備はどうだ」

「まもなく準備が整います」

「そうか、ならば準備が整い次第起動させろ。いいな」

「はっ!」



 再びユグドラ。

「さっさと、くたばりなさい!」

 ジブリールがロンギヌスを投げた。しかしそれはゼブルに届くことはなかった。

「なにをするの、エグゼリカ」

「もうあんたにはついていけない」

 エグゼリカは剣を構えた。

「そう。なら、あなたも死になさい」

 するとジブリールもレイピアを出現させエグゼリカと対峙した。

「・・・」

「・・・」

 ふたりの間に沈黙が訪れる。

「そこまでだ!」

「「っ!」」

 突如声が聞こえたと思うと上空に“船”が現れた。

「これぞ我らが最終兵器“ノア”である!」

「の、あ?」

「なぜあれが動いているの!」

 “ノア”は上空に静止したまま動く気配はない。

「“タルタロス”発射用意!」

 すると船の船底から砲台が出てきた。

「撃てぇぇぇぇぇ!」

 砲台からビームがジブリールとエグゼリカに向かって発射された。

「させない!」

 ふたりの前にルナリアが飛び出して来た。

「ルナリア!」

 ルナリアが大小合わせて八個のクリスタルを出現させた。

「アイギス!」

 すると八個のクリスタルが円を描くように動き始めた。

 そして、敵のビームを防いだ。

「な、んだと」

 その光景を見たゾーラは驚愕した。

「くっ。第二波撃て!」

「無理です!冷却にまだ時間がかかります」

「ちっ」

 ルナリアはクリスタルを自分の周りに展開し、そのまま“ノア”に向かって飛んだ。

「母さんは私が守る」

 “ノア”の目の前に来たルナリアはクリスタルを再び自分の前に展開した。

「これが“本物”のタルタロスよ」

 クリスタルが描く円の中心からビームが放たれる。

「くそ!回避しろ!」

「だめです!間に合いません!」

「こんなところで」

 ビームが“ノア”に直撃した。直後“ノア”は爆発した。


「すごい・・・」

「これがあの娘の力なの」

 ジブリールとエグゼリカもルナリアの力に驚愕していた。

「これならアヴァロンだけじゃない、天界すべてを支配することができるかもしれない!」

 ジブリールは歓喜の声をあげていた。そこへルナリアが戻って来た。

「お帰りなさい、ルナリア」

「ただいま」


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