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4、プライド

俺はパーティーメンバーと別れ、街を歩く。

急な出発だったが…まぁ元々多くは持たない主義だったから持ち物は置いていっても良かっただろう。



(はぁ…とりあえず酒でも飲むか。こういう時はやけ酒でもするもんだろ多分。)



浅知恵だが特にこれといってすることもないのでとりあえず売店で酒を買うことにする。こういう時この世界は便利だ。ことある事に祭りが開催されるので露店が至るところにある。



「お姉さん、1杯くれ。なるべく度数の高いやつで。」



「はいよ、毎度あり〜!見た感じお兄さんここの人じゃなさそうだね?旅の商人かい?」



今は認識阻害の魔法を使っているので勇者だとは思われてないようだ。アストラやジンに教わったかいがある。



「そうなんだ。ここは良い国だと知り合いに聞いてね。寄ってみたんだ。」



「そうかいそうかい!この国は良いとこだよー!王様も良い人だしなんと言っても勇者様ご一行がいるんだ!この国は元々祭りが多いんだがね、今回は特別さ!なんてったって勇者様たちが魔王を倒したんだからね!」



「そうか。それは良いことだな。」



ニヤニヤしてしまう。俺たちの手で平和を作った実感が湧いてくる。



「情報ありがとう。多いがこれ、チップだと思ってくれ。」



「え、お、お客さん!こ、こここれ金貨じゃないか!!?適正価格は銅貨1枚…あれ?居ない…?」



俺は逃げるように売店を後にする。カッコつけたいお年頃なのだ。



「次欲しいのは情報かなぁ…手持ちの金も多くはないし…やっぱある程度お金稼いでから出ていくのが安牌だよなぁ。」



魔王討伐の報酬は結婚の資金にすればいいだろって4人に全部あげたし、衣食住さえあればなんとかなるから普段から金貰わなかったのが裏目に出てしまった。



「ま、なんとかなるか。気ままに行こう。」



そう言って俺はギルドに向かう。魔王が討たれたとはいえ、魔物はまだまだ多い。ギルドなら情報も仕事もあるだろう。




___




「それで…えっとこれでギルド会員っていう証明出来るはずじゃなかったっけ?」



…問題が発生した。



「その会員証は北部のものでして…ここではお使いになれないんですよ。」



「マジ?」



「はい。」



完全に誤算だった。旅の途中で日銭稼ぎのために作ったギルド会員証は北部でしか使えなかったらしい。王国のギルドを使ったことがない弊害がこんなところで…!



「…ほんとにどうしようもないやつですか?」



「はい。残念ながら」



「「…」」



「…分かりました。では新しい会員証作るってことでお願いします。」



「かしこまりました。それでは身分証の方をご提示ください。」



「…へ?ミブンショウ?」



「はい。なんでも身分が分かれば構いません。」



「…その北部の会員証は使えない?」



「残念ながら使えません。ここに書いている情報では…。例えば騎士ですと団員にバッジが配られるのでそれを、貴族ですと紋章などが身分証として使われたりします。もちろん平民階級の方でも何かしらの方法がありますが…」



…やっべー!俺どれでもないって!!!!!!!!



「…抜け道あったりしません?」



「うーん…お金を稼ぐという目的だけなら方法はあります。あまりやってる人は居ませんが、ギルド会員のパーティーの所に傭兵のような形で入る形なら身分証がなくてもクエストを受けることはできます。」



「…なるほど。ありがとうございます。早速やってきます。」



「"やってきます"?え?」



恥やプライドなんて元の世界に置いてきたわ!!!

俺はギルドを出て裏路地に落ちている廃材とギルドのペンを借り、拙い文章になるがそれを書き、掲げる。






"傭兵します!!!!!!!お金ください!!!"






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