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24、無能に(2)

「…ください…起きてください!」



誰かが俺を呼んでいる…起きたいのはやまやまなんだが…身体が重い。



「…きて〜起きて〜」



…やばい…本当に重たい。何でだ?



「…ワタルさん、起きてください。」



「…うん…?なんだこれ…」



俺は何とか目を覚まし、上体を起こす。



「…何時間眠ってた?」



「1時間くらいかと。体調はどうですか?その…魔力とか…」



そう言われ俺は自分の身体に違和感を覚える。



「あぁ…そういや呪い俺に来たんだっけ。うーん…魔力は…あるな?」



「…え?さ、3人分の呪いが移ったんですよね?」



「あるな、呪いに縛られてる感覚がある。でも奪われたのは魔力半分くらいか。身体強化魔法に使っていた分の魔力が無くなった。少し痛いな。」



「う、うそ…」

「…私たちを蝕んでいた呪いって強かったはず…」

「え〜。それはなんか癪だな〜」



「まぁ…いいじゃないか。それでお前らの体調は?」



そう聞くと3人がにこにこして俺に語りかけてくる。



「魔力を感じます。先程試しましたがきちんと炎魔法が出ました。」



「え?試したの?詠唱知ってたの?」



確か初級の魔法でも詠唱がいるはずだが…



「…?詠唱はしません。詠唱をしている人を見たこともないですね。貴方もしてなかったでしょう?」



「いや、詠唱が必要なはずだ。俺は…まぁしてないが…」



俺は想像で補って無詠唱で打ってるが…普通は詠唱が必要なはずだ。あのアストラですら詠唱していた。



「いえ、本当にしません。頭でこうしたいああしたいって想像して使ってます。そうよね?」

「…はい。少なくともエルフの男はそうでした。」

「私も見たことないよ〜」



「それは…嬉しい誤算だな。すまない、ここで今日は野宿でもいいか?色々試したいことがある。」



日が落ちるまであと4時間くらいか。クソッこんなことなら早く起きてればよかった!



「はい。私たちは貴方に助けられました。しかも2度も。貴方の言うことに従う以外の選択肢なんてありません。」

「…そうですね。ありがとうございます。」

「ちょっと固い気もするけど〜ありがとう〜。」



「感謝は良いが早くしてくれ。実験したいことが沢山あるんだ。」



俺はせっせと必要なものを作る。簡単な魔法を使うくらいであれば魔力はそこまで消耗しないから今の俺でも難なく使える。





___(クレア視点)





「…魔力半分無くなったって言ってましたよね?なんか私たちより魔力持ってそうじゃないですか?」



目の前で何やら的や岩を生成しているワタルさんを見て私はそう言葉を零す。



「…はい…森の木を伐採して…加工して…あれって風魔法ですよね。しかもちょうどいい場所に木がないからって生やしてますね…」



「木とか岩を生成するのって専門の人が居て、その人が一日に2個まで作れるって聞いたことあるな〜…ワタル10個くらい作ってるね〜…」



どうやらアリアもノエルもそう思っていたみたいだ。みんな遠い目をしている。



「…昔まで魔力なかったんだよね?」

「…そう聞きましたね…怖いですね。」

「魔女とか勇者とか聖女とかの弟子だったりして〜」



有り得る…



「…ーい。おーーーい!できたぞ!早く来てくれ!時間もったいないだろー!」



「…私たちとんでもない人に会っているのでは…」

「「…」」



まぁ助けてくれたし良い人だし…着いて行くしかないよね?というか他に選択肢もないし。



「まぁ行きましょうか。…今行きます!何をするんですか?」



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