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11、昔話(2)

「結局ドラゴンは撃破、そして俺らも助かったんだがな…思ったより崖が高くてな…しかもリリーを抱き抱えていたから両手使えなかったし…」



「私も残りの魔力ほとんど使ったからただのか弱い女の子だったしね〜。」



「…しかもあの馬鹿、もう無理疲れたとか言って残り全部僕に投げてきたんだ。5人分、まぁリリーはソウと居たからほぼ4人か…4人分の着地を僕だけで請け負わせやがった。」



ラザロとフローラは絶句する。勇者パーティーというのを舐めていたわけではない。ただ…これほどまでに力量差があったのかと思うしかなかった。



「その後だな。何とかなりはしたが…俺ら全員でワタルに説教とか不満ぶつけたり…そこから夜が更け、全員で酒を飲み交わし腹の内をさらけだした。それで仲良くなったんだ。どこにでもあった普通の酒だったんだがな…あの酒の味は忘れることはないだろう。」



「あ、そうです!ワタルさんも呼んでお酒飲みに行きましょう!明日から結婚の準備で忙しくなりますし…」



「そうするか。アストラとジンは?」



「…行こう。今日くらいしか暇な日ないからね。」



「そうね〜行きましょうか。フローラちゃんたちは来る?」



「…いえ、私たちは邪魔になるでしょう。5人で楽しんできてください。」



「そうか。では解散だ。さぁリリー、ワタルを呼びに行こうか。ジンたちはどうせ先に行くんだろ?」



「…もちろん。良さそうなところ探すよ。まだ夜までには少し時間があるからね。」



「分かりました!それでは後ほど!場所決まったらアストラさんの魔法で連絡ください!」



「は〜い。じゃあお先ね。ラザロくんとフローラちゃんも。」



「は、はい!楽しんできてください!」








「あの…俺王様なんだけど…こんなに影薄くなることある?」





_____






「と、言うことで飲みに行くぞ。」



「俺のいないとこで何があったんだ…?まぁいいけど…金は?」



「もちろんワタルもちだな。」



「…いつも通りか。まぁお前らの結婚祝いもあるしな。報酬の金も回収したしいいよ。」



俺は立ち上がり大きく伸びをする。すると窓から黒いものが俺のところに飛んでくる。



「ん?黒蝶…アストラの魔法にしてはちょっと歪か?」



「…言われてみれば。」



「あぁ!それ多分ジンくんのやつですよ。さっきのワタルさんの黒蝶見て僕にも出来そうって言ってましたし。アストラさんが教えたんでしょう。」



「…俺これ使えるようになるまで1日かかったんだけど…」



「諦めろ、お前とジンじゃ才能に絶対的な差がある。あいつは小さい頃から魔法の解析してたんだ。どうやってもお前じゃ勝てないぞ。」



「転移者に厳しい世界はんたーい。」



「…さっさと行くぞ。」



「はいはい。ギルドの真向かいの酒場だって。なんだかんだ安いとこにしてくれるんだなジンは。気遣いができる良い奴だ。」



「え?ジンくん貴族だからお高いところは行き慣れてしまっているからだと思ってました!気遣いだったんですね!」



「…」



「ソウ…あの天然馬鹿をちゃんと躾しとけ。今俺の中でのジンの株があいつによって下げられたぞ。」



「悪気は無いからな…リリーもジンも。」



「…まじ?」



「え?え??私何か良くないこと言っちゃいました?」



俺を気遣って安いところにしてくれた訳じゃなかったのか…。食事処を選ぶ担当が大体ジンだったのって実は気遣いじゃなくて自分の行きたいところ選んでただけ…?



「知りたくなかった…でもそうだよなぁ…あいつがそんなことするわけないよなぁ…」



ソウが俺の肩をポンポンと叩き一言。



「あいつがお前のことを気遣う訳ないだろ。」





「…お前らと一緒にいると感情が忙しなく動くから楽しいよ!!!!!」





俺は精一杯の嫌味で返すしかなかった。





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