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二人だけの時間〜オーロラへの旅〜

年末年始、いかがお過ごしでしょうか?

お久しぶりです。

今回は、年末年始という事で、番外編を書きました。

番外編「二人だけの時間」をお届けします。


時期は第1部と第2部の間、

エリックとリサが結婚してから約1ヶ月後のお話です。


二人の新婚旅行と、

ある大切な「決め事」が描かれています。


ほっこりしていただければ幸いです。


それでは、どうぞ。


——プロローグ

11月中旬。

エリック・コールとリサ・ホイットニーが結婚してから、約1ヶ月が経った。

妊婦健診の結果、子どもの性別は女の子で、母子ともに良好と診断された。


その後、リサのお腹は少しずつ大きくなり、二人の娘が確かにそこにいることを実感させてくれる。

博士課程の研究と、妊娠中の体調管理。


忙しい日々の中で、エリックはあることを決意した。

「出産後は、しばらく二人きりでどこにも行けなくなる。今のうちに、リサと二人だけの時間を大切にしたい」

そうして計画された、1泊2日の新婚旅行。

行き先は、デンバーから車で1時間半ほどのエステスパーク。

ロッキー山脈の麓にある、静かな町だった。


——


第1章:出発

土曜日の朝。

エリックは車にスーツケースを積み終えると、リサに声をかけた。

「準備できた?」

「ええ。でも、本当にいいの?研究忙しいでしょう?」

リサは少し心配そうに聞いた。

エリックは笑顔で答える。

「大丈夫。今しかできないことだから」

「ありがとう」

リサが微笑むと、エリックはそっとリサのお腹に手を当てた。

「子どもが生まれたら、しばらく二人きりは難しいからね」

「そうね…」

リサは幸せそうに目を細めた。


——


車はデンバーを出発し、北へ向かう。

窓の外には、少しずつ色づいた木々が広がっている。11月のコロラドは、紅葉の終わりと冬の始まりが混在する季節だった。

「景色、きれいね」

リサが窓の外を眺めながら言った。

「うん。紅葉も少し残ってる」

エリックは運転しながら答える。

「エリック、疲れてない?運転代わろうか?」

「大丈夫だよ。リサはゆっくりしてて」

「でも…」

「本当に大丈夫。心配しないで」

エリックは優しく笑った。

しかし、10分後。

「…エリック?」

「ん?」

エリックの返事が少し遅れた。リサは彼の顔を見て、小さく笑った。

「次のサービスエリアで休憩しましょう」

「あ、ごめん。そうしよう」


——


サービスエリアに到着すると、エリックは車を停めた。

「ちょっと休憩するね」

「ええ、ゆっくりして」

リサは車を降りて、少し歩いてストレッチをした。

エリックは運転席で目を閉じた。

「15分だけ…」

そう言ったエリックは、あっという間に眠りに落ちた。

リサが戻ってくると、エリックは穏やかな寝息を立てていた。

「やっぱりね」

リサはくすっと笑って、そっとブランケットをかけてあげた。


——


20分後、エリックが目を覚ました。

「あ…寝ちゃってた?」

「ええ。でも、スッキリした?」

「うん。ありがとう」

エリックは少し恥ずかしそうに笑った。

「じゃあ、出発しましょうか」

「うん」

車は再びエステスパークへと向かった。


——


第2章:到着

午後、エリックとリサはエステスパークに到着した。

山小屋風のホテルは、ロッキー山脈を一望できる場所に建っていた。

「素敵な場所ね」

リサが感嘆の声を上げる。

「予約する時、一番景色がいいホテルを選んだんだ」

「ありがとう」

二人はチェックインを済ませ、部屋へ向かった。


——


部屋に入ると、大きな窓からロッキー山脈の雄大な景色が広がっていた。

「わあ…」

リサは窓際に立ち、しばらく景色を眺めていた。

「気に入ってくれた?」

エリックが後ろから声をかける。

「ええ、とても」

リサは振り返って微笑んだ。

「少し休む?」

「そうね…あなたも疲れてるでしょう?」

「ちょっとだけ」

二人はベッドに横になった。

エリックはリサの隣で目を閉じた。

「景色、本当にきれいだね」

「ええ」

「リサと一緒に来られて、嬉しいよ」

「私も」

リサはエリックの手を握った。

「少し眠る?」

「うん…ちょっとだけ」

そう言って、エリックは目を閉じた


——


30分後。

リサはソファーですね本を読んでいた。毎日多忙なエリックをゆっくり休ませたいと、彼女の配慮であった。リサはふと顔を上げると、エリックは完全に眠っていた。

穏やかな寝息、リラックスした表情。

リサは微笑みながら、エリックの髪をそっと撫でた。

「お疲れ様」

そっと呟いて、リサも目を閉じた。


——


第3章:湖畔の散策

夕方、二人は目を覚ました。

「あ…寝ちゃってた」

エリックが慌てたように起きる。

「大丈夫よ。私も少し眠ったわ」

「何時?」

「4時半」

「ちょうどいいね。散歩に行こうか」

「ええ」


——


二人はホテルから少し歩いて、リリー湖へ向かった。

湖は静かで、水面には山々が映り込んでいる。

「きれいね」

リサが感嘆の声を上げた。

「うん。ゆっくり歩こうね」

エリックはリサの手を取った。

二人は湖畔をゆっくりと歩いた。

「リサ、お腹大丈夫?」

「ええ、大丈夫よ」

「無理しないでね」

「心配しすぎよ」

リサはくすっと笑った。


——


二人は、しばらく歩いた後、湖のほとりのベンチに座った。

「景色、本当にきれいだね」

エリックが空を見上げながら言った。

「ええ」

「リサ」

「何?」

「君と結婚できて、本当に幸せだよ」

エリックは真剣な表情で言った。

リサは微笑んだ。

「私もよ」

「子どもが生まれたら、もっと賑やかになるね」

「ええ。楽しみね」

リサはお腹を撫でた。

「この子も、きっと喜んでるわ」

エリックもリサのお腹にそっと手を置いた。

「うん。きっとね」


——


しばらく二人は湖を眺めていた。

太陽が少しずつ傾き、空がオレンジ色に染まり始める。

「そろそろ戻ろうか」

「ええ」

二人は手を繋いで、ホテルへ戻った。


——


第4章:夕食

ホテルのレストランで、二人は夕食を取った。

「何が食べたい?」

エリックがメニューを見ながら聞く。

「うーん…ステーキかな」

「妊婦さん、肉食べたくなるんだっけ」

「そうなのよ。最近特に」

リサは笑った。


料理が運ばれてくると、リサは嬉しそうに食べ始めた。

「美味しい?」

「ええ、とても」

「良かった」

エリックは嬉しそうに微笑んだ。

「エリック、あなたは?」

「僕も美味しいよ」

「でも、あまり食べてないわね」

「え?ちゃんと食べてるよ」

「私を見てる方が多いわよ」

リサはくすっと笑った。

エリックは照れたように笑った。

「…バレてた?」

「ええ」

二人は顔を見合わせて笑った。


——


第5章:名前を決める夜

夕食後、部屋に戻った。

二人はソファに座り、窓の外の夜空を眺めていた。

「そういえば、まだ名前決めてなかったわね」

リサがふと思い出したように言った。

「あ、そうだった」

エリックは少し驚いた顔をした。

「もう7ヶ月なのに」

リサは笑った。

「何か候補ある?」

「うーん…まだ漠然としか」

「じゃあ、今から一緒に考えようか」

「そうね」


——


エリックはメモ帳を取り出した。

「女の子の名前…」

「クラシックな名前がいいかしら」

「エミリー、とか?」

「素敵ね。でも、ちょっとありふれてるかも」

「じゃあ、オリビア」

「うーん…」

しばらく二人で候補を出し合った。

「シャーロット、ソフィア、エマ…」

エリックがメモに書き込んでいく。

「どれも素敵だけど、ピンとこないわね」

「難しいね」

エリックは窓の外を見た。

「夜空、きれいだね」

「ええ」

リサも窓の外を見た。

満天の星が広がっている。

「星が…たくさん見える」

「本当ね」


——


少し沈黙が流れた。

エリックは星空を見つめながら、ふと呟いた。

「…Aurora」

「え?」

リサが振り向く。

「オーロラ。どうかな?」

「オーロラ…」

リサは名前を繰り返した。

「北の空に見える、美しい光。神秘的で、でも優しくて…」

エリックは少し照れたように言った。

リサは目を輝かせた。

「素敵だわ」

「本当に?」

「ええ。Aurora…オーロラ・コール」

「オーロラ・コール」

エリックは笑顔で繰り返した。

「決まりね」

「うん」

エリックはリサのお腹にそっと手を当てた。

「オーロラ。君の名前だよ」

リサは微笑んだ。

「気に入ってくれるといいけど」

「きっと気に入ってくれるよ」


——


「じゃあ、ミドルネームも考えましょうか」

リサが提案する。

「そうだね。えっと…」

エリックはメモ帳を見ながら考え込んだ。

「Aurora…Rose?」

「可愛いわね」

「Aurora Grace、とか」

「それも素敵」

「Aurora…」

エリックはぶつぶつ言いながらメモに書き込んでいく。

「エリック、他には?」

「んー…」

エリックは少し考え込んだ。


——


5分後。

「エリック?」

リサが声をかけたが、返事がない。

「…やっぱりね」

エリックはメモ帳を持ったまま、ソファで眠っていた。

リサはくすっと笑って、そっとメモ帳を取った。

そこには:Aurora Rose

     Aurora Grace

     Aurora Mae

     Aurora…


途中で文字が歪んで、そのまま終わっている。

「お疲れ様、エリック」

リサは優しく微笑んで、ブランケットをかけてあげた。

「オーロラ、パパはこんな人よ。優しくて、一生懸命で…」

リサはお腹を撫でながら小声で話しかけた。

「でも、すぐ寝ちゃうの」

リサは笑って、エリックの隣に座った。

そして、そっと彼の肩に頭を乗せた。

「おやすみなさい」




前編、お読みいただきありがとうございました。


エリック、また寝落ちしましたねwww


でも、オーロラという名前が決まった瞬間、

素敵だったのではないでしょうか。


後編は1月1日に投稿予定です。

朝の二人と、帰路の様子を描きます。


良いお年をお迎えください。

それでは、後編でお会いしましょう。


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