6話、突き止める
遂に真相編スタートです!
そのため今回は今までとは違い、平和ムードはあまりないような話になっていますが、最後まで見ていただけると幸いです!
ここまでの長い前置きを完成させてからの真相編になりますので最終話まで付いてきてくださると幸いです!
そして、毎度のことですが、誤字脱字や文脈の変なところ、感想やアドバイスなどありましたらレビューで教えていただけると幸いです!
20XX年、AIエーアイの技術が大きく進歩し、社会へもたらす影響、人間の未来と生活が未知数になっていた。
そこで、人間とAIの混ざる社会の状態を模擬的に確認するために、一部の国が試験的に自分自身を模した完全なるAIのコピー、「Nextネクスト.Humanヒューマン」を製造し、1人1台、自分自身のコピーを国民たちに持たせることにより、AIと人間の共生と、AI社会の発展を試みる実験が、半年ほど前から行われた。
ハッキリ言って自分はこの実験はよくないのではとも思い始めた。AIが何をやらかすかわからなくなってきている。会社を潰されそうになった時は本当に焦ったが、幸いAIが謹慎処分を食らっただけで、自分自身にはそこまで大きな被害はなかった。
そして、今日は休日。
洸平はいつもよりもゆっくり起きてローペースな1日を過ごそうとしたが、何か違和感を感じる。
AIがいない。AIが家にいないのだ。
洸平はすぐさま違和感を感じ取った。
洸平は誰かに相談しようと思い、彼女の藍に電話する。
プルルルル…
「もしもし藍?少し相談したいことが…」
「は?何が相談だよ。あんなこと言っておいてなかったフリするのかよ。おかしいだろ。」
「え?藍、何を言って、」
「何を言って、じゃねぇよ!何だよ急に昨日深夜電話してきたかと思えばお前ブスだからこれからは俺の言う事全部従えとかキメェんだよカス!もう二度と喋りかけるな!電話の連絡先も全部消してやるから二度と掛けてくるなよ!顔見せたらぶん殴ってやる。」
ブチッ
「……………は?」
洸平は頭の中がぐちゃぐちゃになった。
無理もない。昨日までラブラブだった彼女に記憶のない言葉のせいで別れを告げられたのだ。
少し時間を置き心を必死で落ち着かせ記憶を巡らせる。
そして、洸平は考えたくもないような結論に辿り着いた後に、急いで家を飛び出した。
「一体どこだよ…」
洸平は原因のありかになりそうなところを必死で探す。何をどうしたらいいかなんてわからないが、洸平は伊狩部長に相談しようと思い、電話をかける。
プルルルル…
「もしもし部長。少し相談したいことが…」
「はぁ…お前さぁ、まだ直接言えてなかったけどクビだよ!AIから聞いてるだろ!?朝起きてメール見たらびっくり、働きたくねぇよクソ部長だぁ!?だから朝電話したらお前が寝てるから代わりにお前のAIが電話出たよ!何だよこれ、もういいんだよお前は、社員でも何でもない他人が電話を掛けてくるな!切る。」
ブチッ
なんと部長までもがキレている。
しかもまた覚えにない言葉のせいだ。洸平はますます原因への不満が強まり、必死で関係のありそうな場所を探す。とりあえずその日は見つかることはなく、AIも帰って来ないままその日は寝た。
無職になってしまった洸平は、数日間自力で探したが、見つかる事はなかった。
1週間が経ち、進展は一切なし。大事になることを恐れながらも、誰に電話を掛けてもキレられることに怯えるのを押し殺して、最後の頼みの綱として、3ヶ月前の同窓会ぶりに、馬場と橋田に電話をかける。
「まずは馬場から…」
プルルルル…
「おぉ!平田じゃん!久々じゃねぇかどうしたんだよ!」
「馬場、ごめん。ちょっと緊急で相談したいことがあってさ、」
「お前が相談?珍しいな!友達の悩みなら聞けるけど、どうかした?」
洸平は馬場に事の全てを話した。
話すや否や馬場はドン引きである。
「なんだよそれ、完全に暴走してんな。それさ、AIが言う事聞く気ないからだろ絶対。1回キツく叱って指導して、覚えさせてみろよ。AIだってバカじゃねぇんだからさ、」
「わかった。それとさ、ありがとうな。」
「大丈夫だよ!俺はAIには何もされてねえし!洸平は仲良くしてくれんじゃんか!またなんかあったら教えろよ!」
「もちろん。じゃあ、一旦切るな。」
馬場は今までの2人とは違い普通だった。つまりAIが何かしらの爆弾発言をしていないこと。この調子で行けば橋田もいけるのではないかと思い電話をかける。
プルルルル…
「平田!どうした?同窓会ぶりだけど、」
洸平の予想は的中だった。橋田も普通に会話をしてくれる。洸平は安堵しながら口を開く。
「橋田…ちょっと相談したいことがあって…」
「なんだそういうことか!いいよ!何があったか説明して。」
平田はもう一度馬場に説明するのと同じように橋田にも説明した。
もちろん、橋田もドン引きである。
「なんだよそれ!絶対やべぇじゃん!とりあえずは見つけろ!見つけてからどうしたらいいか考えたらいいよ!一回AIとも俺等と同じように腹割って話してみなよ!そしたら改善するかもしれねぇし!」
「わかった…とりあえずはAIを探すことに専念してみる!ありがとうな!相談乗ってくれて。」
「なんだよ!大丈夫だよ!そんなことより早くAI見つけて、しっかり解決しろよ!じゃあな!」
「うん!またな!」
橋田も普通だった。もしかしたら偶然2人はキレていただけなのではないかなどと都合のいい妄想もしたが、やはりどう考えてもこれはおかしいため、探索を再開する。
そして、失踪から2週間が経とうとした頃、遂にAIを見つけた。しかし、それはあまりにも意外な場所であった。
それはハローワークだ。
(なぜあいつがハロワに!?)
とりあえず、声を掛ける気には何となくなれなかったため、一旦は陰から様子を見守る。
(なんかあいつ…キレてねぇか?)
「こういった職場はどうでしょうか?」
「だから!俺はこんなとこじゃなくて!もっとさ、ほら!社内が綺麗でさ、年収も高いホワイトなとこ!何かないのかよ!?」
「えっと…そういう場合ですと…」
「早くしろよ!おせぇんだよ!」
AIがブチギレている。これ以上はマズイと判断した洸平は、ハロワに無理やり乗り込んだ。
「すみません!こいつは俺のAIです!すぐ引き取ります!」
「は!?何言ってんだよおめぇ!」
暴れているAIを時間をかけてハロワの人にも手伝ってもらいながら、うまく外に追い出した。
「お前さ…何がしたいんだよ!」
洸平は思わず声を荒げた。
「藍にも振られて…仕事もなくなって…全部全部お前が何かしたんだろ!?ちげぇのかよ!?答えろよ!?」
「いやいや、あんな職場嫌なんだよ。今ハロワで探してだだろ邪魔すんなよ!」
キレそうになっているAIを観る傍ら、平田の頭の中には最悪の仮説が浮かんだ。
「そもそも…」
「お前は…いったい何者なんだよ。」
つづく
最後まで見てくださってありがとうございました!
今回はちょっとだけ長くなりましたが、遂にクライマックスに入るところまで辿り着けました!
最初の方は何を書こうかと迷いに迷いましたが、こうやってストーリーを考えられるようになったことが本当に嬉しいです!
残り数話になったこのお話ですが、完結まで見守っていただけるとほんとうに幸いです!