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結婚式②

「シャルロット、君と早く結婚したかったんだ。勝手なことをして、すまなかった。やっぱり、結婚式を挙げるのは辞めておくか?」


 陛下は私が怒っていることに気がついたのか、再び抱きしめながら私の髪を撫でていた。


「別に構いません。私は陛下が──私がマルクス様のことを、どう思っているか全てお見通しだったことが頭にきてしまったみたいです。私の我儘なので、気にしないでください」


「お見通し? だった訳ではないぞ?」


「それなら、どうして……」


「アンドレが、もう予約した方がいいだろうと言ったんだ。私は反対したんだが、押し切られてしまってね。逆に、『この忙しいのに何言ってんだよ』って、顔をされてしまったよ」


「……」


 今になって、私はアンドレに仕事を振りすぎてしまったのかもしれないと思っていた。


 先日、たまたま同僚のローランから聞いた話では、忙しすぎて家に帰れないでいたら、婚約者に浮気していると勘違いされて、婚約破棄されてしまったということだった。


「マルクス様、アンドレ様に休暇を与えた方がいいかもしれませんね」


「奇遇だな。私もそう思っていたんだ。結婚式が終わったら、アンドレには休暇を与えよう。本人は嫌がるかもしれないが」


「嫌がる?」


「確か、『働いている方がいいんだ』と言っていたな」


「おかしな話ですね。そのうち、倒れてしまいますよ?」


「1回、倒れるまで働いてみれば、いいんじゃないか? そうなれば、少しは自重するだろう」


「部下への対応が雑すぎませんか? 陛下の右腕なのに」


「そんな事はない──と思う。それに、アンドレは昔から一緒にいるが、よく分からない所があるんだ。ただ、これだけは言える。アンドレは誰にも代え難い大切な部下だ」


「私への告白よりも熱が入ってますね?」


「国王だからな」


「国王陛下ですものね」


 私達は顔を見合わせると、笑い合ったのだった。




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