告白
「私は……」
「?」
「陛下の事が、嫌いではありません」
「!!」
「ですが、好きかと言われれば、それも違うと思うんです」
私は自分自身の鼓動が早くなっていくのを感じながら、懸命に口を動かした。
「だから──友達からにしませんか?」
「え? ああ、そうか。え?」
「……」
陛下は虚を突かれたのか、間抜けな顔をしていた。でも、そんな顔も嫌いじゃない。ああ──やっぱり、私は陛下を好きなんだろうか。
「ふはっ……」
「陛下?」
「暴虐の魔女が、友達からとはな……」
「何が仰りたいんです?」
「逆に新鮮だ」
陛下はそう言うと、私の側まで来て、肩まで伸びている髪を掬うと口づけた。
「シャルロットのペースで構わない。私は何時でも待ってるよ」
「陛下……」
「何だ?」
「この間まで見た目子供だったのに、どこでそんな言葉を覚えたんです?」
前世と合わせて考えれば、陛下とは親子ぐらい歳の差がある。その上、この世界でも戸籍上は32歳年上だ──子供の陛下は可愛かったのに、大人の姿になった陛下が側にいると、それだけで意識してしまい、胸の鼓動がやけにうるさかった。
顔を上げると、至近距離に陛下の顔があった。陛下の顔が近づいてきて焦った私は、思わず目をつぶった後に、1歩後ずさった。陛下は私の腰に手を当てて、抱き寄せるように身体を寄せると、額にキスをした。
「ひゃっ……」
「ふっ──間抜けな顔だな」
「シャルロット……」
「ちょっ──ちょっと待ってください。今、私のペースで良いって、言いましたよね?!」
いっっぱいいっぱいになりながら、陛下の身体を押すと、今度は頬にキスをしていた。
「なっ、なっ、なっ……」
何も言えなくなってしまった私が可笑しかったのか、今日の陛下は機嫌が良かった。




