表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/60

告白

「私は……」


「?」


「陛下の事が、嫌いではありません」


「!!」


「ですが、好きかと言われれば、それも違うと思うんです」


 私は自分自身の鼓動が早くなっていくのを感じながら、懸命に口を動かした。


「だから──友達からにしませんか?」


「え? ああ、そうか。え?」


「……」


 陛下は虚を突かれたのか、間抜けな顔をしていた。でも、そんな顔も嫌いじゃない。ああ──やっぱり、私は陛下を好きなんだろうか。


「ふはっ……」


「陛下?」


「暴虐の魔女が、友達からとはな……」


「何が仰りたいんです?」


「逆に新鮮だ」


 陛下はそう言うと、私の側まで来て、肩まで伸びている髪を掬うと口づけた。


「シャルロットのペースで構わない。私は何時でも待ってるよ」


「陛下……」


「何だ?」


「この間まで見た目子供だったのに、どこでそんな言葉を覚えたんです?」


 前世と合わせて考えれば、陛下とは親子ぐらい歳の差がある。その上、この世界でも戸籍上は32歳年上だ──子供の陛下は可愛かったのに、大人の姿になった陛下が側にいると、それだけで意識してしまい、胸の鼓動がやけにうるさかった。


 顔を上げると、至近距離に陛下の顔があった。陛下の顔が近づいてきて焦った私は、思わず目をつぶった後に、1歩後ずさった。陛下は私の腰に手を当てて、抱き寄せるように身体を寄せると、額にキスをした。


「ひゃっ……」


「ふっ──間抜けな顔だな」


「シャルロット……」


「ちょっ──ちょっと待ってください。今、私のペースで良いって、言いましたよね?!」


 いっっぱいいっぱいになりながら、陛下の身体を押すと、今度は頬にキスをしていた。


「なっ、なっ、なっ……」


 何も言えなくなってしまった私が可笑しかったのか、今日の陛下は機嫌が良かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ