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結界石

「ガルシア先生──相談があってきたんです。私を先生の弟子にしてくださいませんか?」


「そりゃ、私はいつでも大歓迎さ。でも、本当はそんな事を言いに来たんじゃないんだろ?」


「……陛下が私を好きだと言ったんです」


「それで、逃げてきたのか?」


「いいえ。陛下は惚れ薬の成分が入った解呪薬を飲みました。呪いを解呪するために……。ですが、解呪が出来が出来なかったばかりか、私を好きだと言い出したんです。副作用があったとしか思えません」


「噂で陛下の呪いを解くまでは、私の弟子にはならないと聞いたよ。諦めるの?」


「噂?」


「学園長から聞いたんだ」


「学園長は、何でもお見通しなんですね」


「彼女は、精霊達と話せるからね」


「それは──すごいですね。呪いについては、もう直す手立てが見つかりません。手詰まりなんです」


「それは……」


「至急、至急!! 至急、至急!!」


 私たちが話している、すぐ側の窓をキツツキみたいな鳥が、くちばしで窓を突きながら叫んでいた。


「学園からか。入れ」


 ガルシア先生が鳥に話し掛けると、鳥は窓をすり抜けて部屋の中へ入ってきた。


「ガルシア先生、至急学園に戻るべし。結界が破られた。修復不可能。学園上空に魔力塊が出現。フォース国が異常事態を察知し、兵士が国境付近に備えている模様。相手国は軍備を整えている。繰り返す、至急学園に戻るべし……」


 鳥は部屋の上を旋回しながら、喋っていた。片言で喋っている様子は、前世で見たことのある動物、九官鳥に似ていた。


「不味いな──妖精王が眠りに着いてる間に、結界が破られたのは」


「妖精王?」


「精霊達の王様さ。数年前に、眠りについたんだ。あと50年は目を覚まさない」


「妖精王がいないと、何が不味いんですか?」


「結界を張るための結界石を、いつも用意して貰ってるんだ。結界が破られたのなら、結界石は壊されてると考えた方が良さそうだな──結界自体が、結界石がないと張れないんだよ」




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