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婚活パーティー

 私は宮廷魔術師として、陛下の護衛の仕事をこなしつつも、王都に住む令嬢たちに手紙を書いていた。出会いが無ければ、作ればいいのだ。そう思って、城で開催される社交パーティーへ来てもらえるように、招待状も同封した。あとは、陛下と令嬢たちが出会えばいいだけの話である。


「陛下、明日は令嬢たちが集まる婚活パーティーですからね!! お仕事が忙しくても、社交パーティーには、必ず出席してください!!」


「コンカツパーティー?!」


「あっ、間違えました。婚約パーティーです」


「そうか、分かった」


 執務を終えた陛下にそう言うと、陛下は驚いたような顔をしていたが、何も言わずに私室へ戻って行った。



*****



 パーティー当日になって、私はドレスに着替えさせられていた。パーティーに紛れての護衛かと思いきや「あなたの衣装です」と、アンドレは言い切った。


「ご自分の立場をお忘れですか?」


 パーティーの準備に気合いを入れすぎて、婚約破棄の誓約書を貰うことを、すっかり忘れていた……。もしかして、もしかしなくても、今の自分の立場は『陛下の婚約者』である。陛下の婚約者──しかも、『暴虐の魔女』に手紙を貰ったら、パーティーへ行かない訳にはいかないだろう。私は自分が置かれている立場に、頭を抱えたくなった。


「アンドレ様、パーティーを中止には……」


「出来ないでしょうね。令嬢たちは今頃、出掛ける準備をしている頃でしょう」


「何てこと……」


「シャルロット様におかれましては、いつも通りの振る舞いで、問題ないかと思われます」


(そういう問題じゃ、ないんだけど……)


「ありがとうございます、アンドレ様」

 

 陛下に出会いがあれば、私より『いい人』を見つけられるはず──そう思っていた。陛下の婚約者が『暴虐の魔女』であっていい訳がない。私は陛下と、令嬢たちとの顔合わせを諦めきれないまま、社交パーティーの会場へ向かった。




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