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王への謁見

 翌日の午前中に国王陛下に謁見するための使者を出すと、翌々日には王都の中心部にある城へ来ていた。


 侯爵邸で侍女に手伝ってもらい、正装をした私はセバスチャンに連れられて、謁見の間の前にある控え室まで来ていた。


 現王は20才と聞く。優秀だが即位して日が浅いため、側近に舐められた態度を取られることが多いらしい。プライドが高く、宰相に言いくるめられると腹を立て、機嫌が悪い日も多いらしい。


(国民栄誉賞を辞退して、不興を買っても不味いわね。様子を見て、適当に帰りましょう)


 秒で帰ろうと心の中で決めていたが、1人前の謁見者との話が長引いているのか、1時間以上待っていた。


 待ちすぎて欠伸が出そうになった頃、城の侍従が呼びに来た。


「行ってきます……」


「いってらっしゃいませ、お嬢様」


 入口でセバスチャンに見送られると、二重扉になっている内扉を押し開けた。赤く長い絨毯の上を歩いて行くと、玉座には10才くらいの少年が座っていた。透きとおるような青い瞳に銀色の髪をしているが、どういう訳か、私を射抜くように見つめていた。


(現王の子供かしら──それにしては、大きいわね)


 玉座の前で頭を垂れると、王が現れるのを待った。しかし、誰も現れないばかりか、誰も何も言葉を発しなかった。


(……あれ?)


「シャルロットよ、国外追放されている間に、貴族としての挨拶の仕方を忘れたか?」


「へ?」


「我こそはセスノット国の国王、マルクス・セスノットである」


(ん? 子供では?──でも、家臣達の様子からして、嘘ではないのかも)


「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。シャルロット・モルトローズでございます。この度は、ご過分なご配慮ありがとうございます。感激で言葉も出ませんでした。国民栄誉賞を与えていただけるとのことで、ありがたくお受けいたします」


「うむ。だが、今回来て貰ったのは、その事ではない。その、婚約についてなのだが……」


「婚約? 誰とですか?」


「もちろん、そなたと私のだ。聞いてないのか?」


「え?────ええええ?!」




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