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戦闘開始

 地響きがして目が覚めると、まだ辺りは薄暗かった。もう少しで夜が明けるのか、東の空が白み始めている。


「せ、先生!!」


「来たな」


 私達2人は飛び起きて着替えると、森の中から平野を見渡した。反対側にある森の出口に木のバリケードを作ってあったが、既に壊されていた。意外と近くまで魔物が来ていることに驚きつつも、私が攻撃範囲拡大の魔術具を掴むと、ギルド長が慌ててこちらへ駆け寄って来て言った。


「お前ら、顔洗って朝食を食べてから来い。ここは、ひとまず大丈夫だから普通の生活を心がけろ。長期戦になるんだから」


「へーい」


「はい」


 魔物が近くまで来ているのに、朝食なんか食べられる気がしなかった。私は顔を洗うと、先生から干し肉を受け取って囓りついていた。


「先生……」


「考えるな。食べなきゃ生きられないんだ。生きるために食べて活躍しなさい。戦って王都を守るって決めたんだろ」


「はい──頑張ります」


「シャルロットは頑張ってる。いつも通り、やれば大丈夫だよ」


 朝食を食べ終えると、私達はローブを羽織って、戦場へ赴いた。攻撃範囲拡大の四角い箱の形をした魔術具を、首からぶら下げると戦いの体制に入った。


「ギルド長、いつでもいけます」


「おう。じゃあ、手始めに森の手前にいる魔物達に向けて魔術を放ってもらえるか?」


「了解!!」


「ファイアウィンデスト!!」


 私の(てのひら)から放たれた魔術は横に伸びて、森から出てきた魔物達を一掃した。


「いいぞ!! 嬢ちゃん、スゲぇな」


「私の教え子ですから、当然です」


「下がってなさい。次はわたしがやります。水よ──汝の祈りは私の祈り、私の願いは汝の願い。導きたまえ!! フローズンクロスデッド!!」


 ガルシア先生が精霊魔術を使うと、森の入り口から出てきた魔物に次々と氷の矢が突き刺さった。確実に仕留めていることから、先生の魔術の精度の高さが伺える。


「先生!! すごいです!!」


「こんなの朝飯前だよ──いや、朝飯食べたけどな」


「ふふっ……」


「よーし、お前ら冗談言う元気があるんだったら、もう一踏ん張りしてもらおうか」


「「……」」


それから2週間。私達は魔物を(ほふ)り続けたのだった。




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