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戦いへ

「あの……」


「強制はしない。魔物を殺したこともないんだろう?」


「授業で何度かS級の魔物を屠りました」


「でも、国で母さんが待ってるんだろ?」


「とりあえず、話だけ聞かせてもらえませんか? 何も知らずに後悔だけはしたくないので」


「……分かった。今回のスタンピートは、魔術学園があるキルア国周辺の森の中で発生したんだ。だが、南下していて──おそらくは、セスノット国の国境を過ぎたところにスタンピード最前線が来るだろう」


「では、キルア国とセスノット国の2国で協力してスタンピードを抑えれば良いのでは?」


「普通は、そうだろう──だが、2国間は以前に戦をしたせいか、あまり仲が良くなくてな。キルア国で発生したスタンピードであっても国内で害がなければ見過ごすつもりみたいなんだ。しかし、セスノットの王都はここから遠い。応援の騎士達が来る前に、ここら一帯の街は全て滅びるだろう」


「そんな……」


「こんなことを言ったら気を悪くするかもしれないが、嬢ちゃん1人増えたところで結果は変わらんだろう。スタンピードは強さじゃない、『量』だ。どちらが最後まで立っていられるかの耐久戦になる」


「それで、ギルドは国から指令を受けて討伐へ向かうのですか?」


「そこなんだがな。2国間は仲が悪くても、北にあるフォース国はキルア国と同盟を組んでいてな。仲がいいんだ。中立国家であることから、ギルドでもたまにフォース国から依頼を受けたりすることもあるんだが……。今回は、2国間の仲を懸念したフォース国からの依頼なんだ」


「えっ、そんなところからギルドに依頼があるんですか?」


「今ごろ、魔術学園にも召集要請の手紙がいってるだろうな。国じゃなくて、フリーの冒険者や魔術師が民を救うんだ。嫌な世の中になったもんだ。だから……」


「出ます」


「何だって?!」


「だって、王都には私の母や──家族がいますから。ここで食い止めなければ、最悪の場合、国が滅びるのでしょう?」


「いや、だが、しかしな……」


「集まるのは、いつですか?」


「明後日だが、明日の夜には出発する」


「分かりました。準備をしてきます。作戦会議は?」


「不要だ。とりあえず俺の指示に従うように。危険だから、戦闘中は俺の側を離れるんじゃねぇ」


「了解!!」


 私は勢いよく返事をすると、宿に戻って戦闘の準備に取りかかったのだった。




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