第6話 「生活は物入り」
••✼••トスターコチマ街道沿い••✼••
オーク専隊は、これからもオーク討伐を続けると言うので、彼らと別れた俺達。
このまま、トスターに向かっても良いのだが、ロンデルと2人?だったので干し肉も食べ尽くしてしまい、腹が減ってきた。
オークが1体あるが、どうすれば良いのか解らない。
こんな時ラノベだと、冒険者ギルドなどで解体してもらうのがテンプレなのだが、後2日ほどかかる道のり。
それまで我慢できるはずがない。
仕方がない。 やってみるか。
「ロンデル 俺、解体なんてやった事ないけど、これからオークを解体してみようと思う」
「にゃん!」
「失敗しても、モンク言うなよ?」
「にゃあ~~~ん」
という訳で、オークを解体すると決めた!
だが、知識も経験もなく闇雲にいきなりやっても失敗するのは必至。
なら! 解体スキルを習得すれば良いのだ!
トロは、獲物を上手に解体できるスキルをイメージして、種を生成した。
ポン!
「・・・・・・できたけど、大丈夫かな?」
「にゃん?」
とりあえず、その種を植えてみる。
芽が出てみるみるうちに育ち、プクプクと太ったサヤが20個も生った。
その豆を鑑定してみると・・・
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⋯━━☞解体スキルを覚える豆☜━━⋯
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1粒食せば獲物を解体するスキルを覚える。
経験値が1入る。
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「うむ できたようだな」
「んにゃ!」
「じゃあ、早速塩ゆでにして、食べみるか!」
「にゃあん?」
「すまんな これは俺にしか食えないんだよ 肉ができるまで悪いが待っててくれるか?」
「んにゃ!」
「うん! 良い子だ!」
こうしてトロは豆を塩ゆでにして食べた。
そしてステータスを見てみる。
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・⋯━☞STATUS☜━⋯・
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名前 トロ
性別 男
年齢 54
種族 人族
職業 種生成術師
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LV 6
HP 186
MP 101
STR 18
ATK 20
DEF 14
DEX 9
INT 55
MAT 55
SPD 10
LUK 10
EXP 308
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習得魔法
【ヒールLv2】【種生成Lv3】【ファイヤー・ボールLv3】【ウォーター・ボールLv3】【エアー・カッターLv3】【アース・ニードルLv3】【アース・ウォールLv3】【テレポーテーションLv2】【全ステータス強化魔法Lv2】×5【全ステータス弱化魔法Lv2】【光魔法Lv4(ライト)(ライト・セイバー)】【状態異常回復魔法Lv3】【浄化魔法Lv4】【付与魔法Lv3】
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習得スキル
【ステータス】【鑑定Lv2】【異空間収納∞】【剣術Lv3】【熱耐性Lv4】【冷耐性Lv4】【物理耐性Lv4】【魔法耐性Lv4】【テイムLv2】【索敵Lv2】【恐怖耐性Lv2】【魅了耐性Lv2】【呪い耐性Lv2】【魅了耐性Lv2】【混乱耐性Lv2】【隷属耐性Lv2】【石化耐性Lv2】【即死耐性Lv2】【厳格耐性Lv2】【洗脳耐性Lv2】【毒耐性Lv2】【獲物自動解体Lv4】
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称号
【召喚巻き込まれ異世界人】【賢者】【ロンデルの主人】
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資格
【普通自動車】【原動機付自転車】
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「はあっ?! 何だこれ!!」
「にゃ!!」
「獲物自動解体だって?! 自動って・・・勝手に解体してくれるって事なのか?」
「にやん???」
「ううむ・・・・・・解らん! とにかく、やってみよう」
トロはステータスを確認してみると、「習得スキル」に、【獲物自動解体Lv4】が増えていた!
自動解体とは?
トロは、オークに向かって手をかざしてみたり、「解体!」と叫んでみたりしたが、何にも起こらなかった。
はて・・・・・・?
いったい、どうすりゃいいの?
トロは、何の気なしに、【獲物自動解体Lv4】をタップしてみたら、【獲物自動解体Lv4】の詳細な説明が表示された!
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⋯━━☞獲物自動解体Lv4☜━━⋯
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異空間収納内にて、血抜き、洗浄、内蔵摘出、冷却による死亡硬直の解除、大まかな皮剥ぎ、胴体の各パーツの切り落し分解、徹底皮剥ぎ、分割包装、脱骨、血液を胃袋に突入後閉栓、他の不要な体液を焼却廃棄。これらの工程を全て魔導的に自動で行うスキル。使用魔力1。
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『スキル発動』 『中止』
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「!!!!・・・・・・なんと」
「にや?」
「こ、これは凄いぞロンデル!! これはとんでもないスキルだ!!」
「ぶみゃあ?」
「異空間収納内で、全部自動でやってくれるんだってよ!」
「にゃあ?!」
「ぷっ! 本当に俺の言葉を理解しているようで、お前は見ていて飽きないな?」
「うみゃあ!」
「ははっ! とにかく、やってみるか!」
トロは、オークを異空間収納に納め、『スキル発動』をタップして、【獲物自動解体スキル】を発動させてみた。
すると、『解体中』と表示に変わり点滅し始めた。
まるで電子レンジみたいな仕様だな?
たぶん、点滅が終われば解体も終わるのだろう。
そして、ほんの3分ほどで『解体完了』と表示された!
「はやっ!!」
「うきゃ?!」
「も、もう出来たのか? 早すぎだろ!」
「んにゃぁ?」
「とりあえず、出してみるぞ?」
ポポポポポポポポポポン!
トトトトトトトトトサッ!
「うわわっ!! なんなんだこりゃあ?!」
「うきゃ!!」
なんと! 目の前に綺麗に解体されたオークらしき肉が植物の葉に包装された状態で現れ、積み上げられた!
「し、信じられない! こんな事がほんの数分で出来てしまうなんて・・・これがもしレベルMAXだと、いったいどうなるんだ?」
「う~~~にゃ?」
「いやぁ~今までで一番ビビった! こんな事人の手じゃ先ず無理だろ? さすがチートスキルだなあ!」
「うにゃ!」
「いやあ~実に面白い!!」
トロは、もう楽しくて面白くて、堪らなかった!
ただ、肉を包む植物の葉や、それを括る紐などは、いったい何処から来た?と、他にも突っ込みどころは満載だが、パス!
こういうのは、深く考えない!
しかし、これからのこの世界の暮らしが、実に楽しみで仕方がない!
「さあ! 早速、肉を焼くかロンデル!」
「うにゃ!」
トロは、「ブロックが生る種」を生成して栽培し、100個以上のブロックを作り出し、そのブロックで土釜を組み立てた。
「おっと! これだけじゃダメだな 後、網に、まな板に、包丁に、器や皿に、フォークに・・・焼肉にはやっぱり胡椒だな!」
「にゃあ!」
トロは、必要な物を次々と生成し、オーク肉で焼肉を焼いた。
オーク肉の焼ける匂いが堪らない!
焦げの香ばしい匂いも食欲をそそる。
焼けた肉を、自分の分と、ロンデルの分とを器に分けて、塩胡椒で味付けした。
本当は、焼く時に塩胡椒するのか?
まあ、いい。美味けりゃな。
素直に美味かった!
ただ、塩胡椒だけの味付けだったが、とてもワイルドで香ばしくて、冒険しているのが実感できて良かった!
今度は、鳥系の肉を、蒲焼のタレで食べてみたい!
唐揚げにして、マヨネーズで食べるのもいいなあ!
頭の中に、次々と料理のイメージが浮かんでくる。
また楽しみが増えたトロだった。
「ひゃあ~~~満腹満腹ぅ!」
「ペロペロペロ・・・・・・」
毛繕いしているロンデル。
「ロンデルも、満足そうだな?」
「んにゃ!」
「さあ、腹も満たしたし、そろそろ行くか!」
「うにゃあ!」
トロは、使い終わった土釜や食器類を浄化して、マジック・バッグに納めた。
と、その時、催してきた。。。
つまり、ウンチがしたいのだ。
「す、すまんロンデル! ちょいと野暮用が・・・」
「にゃう?」
首を傾げるロンデル。
「ちょいと待っててくれ!」
トロは、慌てて林の中に駆け込んだ!
だが、昼間なので、誰も居ないとはいえ落ち着かない。
今までは、夜に林の中で用を足して、植物の葉で拭いていたが。
今後は、突然催す事もあるだろう。
ちゃんとした物を作っておこう。
でも、どうしよう・・・・・・
仕方ないので、種生成術で、「浄化機能付きオマルが生る種」を生成した。
栽培して、「浄化機能付きオマル」が2つもできてしまった。
「1つで良いんだが・・・・・・」
できてしまったのは仕方ない!
とりあえず1つは収納して、1つを使う事にした。
数が少ないのは、大きさの問題だろうか?
ってか、今はそれどころではない!
緊急事態だ!!
だとえ誰も見ていないとは言え落ち着かないので、仕切り板を生成し、周囲を囲んだ。
「ふぅ・・・これで良し」
本当に良くできているもので、排泄したモノは、オマルに納まると同時にオマルは浄化され、真水と変化したようだ。
尻も竿も浄化されたのは驚いた!
これは素晴らしい! 臭いもほとんどしない!
旅で一番困るのは、やっぱりトイレだよなあ。
食事はある程度我慢できても、便意だけは生理的に我慢できるものではない。
用を足し終えた後、排水した後、オマルを収納するのだが、いくら浄化していて汚くないとは言っても、生理的に触りたくないものだ。
まあ、これも慣れなきゃな。
しかし、生活するとなると、色々と物入りだな。
これだけの物を買い揃えるとなると、普通なら新車の軽自動車が買えるほど金入だぞ!
チート魔法スキル様々だな。
「ふぅ・・・待たせたなロンデル!」
「うにゃ!」
「さあ、行こう!」
「あんにゃあ!」
こうして、トロとロンデルは、トスターへと向かってまた歩き始めた。
次々と新しいスキルを開発するトロ。
もう楽しくて面白くて堪らない!