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第43話 「クレオの召喚魔術催眠」




 ••✼••リクツネフ・マウケサ街道••✼••



 いつものように、街道の泥濘(ぬかる)んだ道を【掘削&整地魔法】でモザイクタイルのように整地しながらリクツネフへ向かっていた。

 人間慣れと言うものは恐ろしいもので、物事を繰り返しし続けると『日課や習慣』のように当たり前になってきて、何時しか『自分がやらなければならないこと』として半ば『使命感や強迫観念』かのように、やらなきゃまた足を取られて捻挫すると自分を追い立てるようにやり続ける・・・

 すると今度は、少しでも楽しくやり続けるために、遊びを入れてみたりするようになる。

 次第に、休憩していた広場などでは、モザイクタイルで動物や花や何だか分からないキャラクターなどの絵面になってきた。



『流石に、飽きてきたな・・・』



 そんな風に思えてきた(汗)

 そしてそろそろ、マウケサ村付近かと思える頃・・・



「ん! 魔物の反応があるな・・・

 って、小物ばかりだけど、こりゃあ数が多いな!」


「我のファイヤー・ナパームで一掃しますか?」


「ダメダメッ! そんな事したら、この辺の森まで焼け野原になっちゃうから!

 森から離してからでなきゃ・・・」


「無念!・・・(凹)」


「無念って・・・無念侍かよ(汗)」


「確かに、数が多いですね・・・」


「ああ、これはちと厄介だな・・・」



 今回現れた魔物とは、『ワイルダーネス・ウルフ』と呼ばれる狼系の魔物で、獰猛で強靭で動きも素早く、恐ろしくタフなので執拗にどこまでも追いかけて来て襲って来る厄介な奴等だ。

 オマケに皮膚も分厚く硬く狩人の矢を弾き、群れを成し襲って来る奴等で、よく旅人や行商人が襲われると言う。

 また、大型の魔物を群れで襲って食べる習性があり、単独なら大型の魔物ですら奴等からは逃げると言われており、ある意味大型の魔物よりも厄介な相手だ。

 そんな奴等が、50体ほどの群れで近付い来ている。

 できる事なら、奴等との戦闘は避けたい。

 でもやるからには、遠くから一掃できるような攻撃が有効だと考えられる。

 ならば、先ずは空からロプロプのファイヤー・ナパームである程度蹴散らし、エヴァの召喚魔術が有効と思われる。

 それをトロは、仲間達に伝えた!



「皆んな! 作戦会議だ!」


「おっ!!「待ってました!「はい!「はいですわあ!「あいよ!ご主人様!「言っておくんなせえ!「はいはい!「聞きまっせ!「なんだいなんだい!「聞きましょう!」


「・・・一斉に返事をしているようだが、見事にバラバラだな・・・(汗)」


「「「「「・・・?」」」」」

 「「「「「・・・?」」」」」


「と、とにかく! 今回の相手は数が多く、しかも素早く意外と硬い!

 しかも、執拗(しつこ)い! とにかく執拗(しつこ)い!!

 やると決めたなら、一気にやっつけないと、また仲間を呼ぶかも知れないから、とになく厄介な奴等なんだ!

 なので通常の戦闘スタイルでは数が多いだけに持て余してしまう!

 そこで先ずはロプロプの『ファイヤー・ナパーム』で先制攻撃させたいところだが、だがそのためには、森を燃やさないために、ロプロプの雄叫びで森から距離を取らせる!

 そして、奴等が集まったところへロプロプのファイヤー・ナパームだ! 

 ここで全てのウルフ達にダメージを与える!

 先ずはここで半分は倒せるはずだ!」


「「「「「うんうん!」」」」」

 「「「「「うんうん!」」」」」


「そして再びロプロプの『雄叫び』で奴らを牽制しロプロプに集中させる!

 奴らは意外と頭が良いから、ロプロプのファイヤー・ナパームを警戒してくるに違いない!

 そこからが、エヴァの出番だ!

 ロプロプがファイヤー・ナパームを放った時には詠唱を始めておいてくれ!」


「え?! あ、はい!」


「できる限り、シルフを連続的に召喚してくれ!」


「わ、わかりましたわあ!」


「ロキシーも、溢れた奴らをなるべく散らばらないように、身代わりゴーレムで『タゲ取り』で集めてくれ!」


「わかったあ!」



 ロキシーの身代わりゴーレムとは、ロキシーの『子ゴーレム生成スキル』で作り出した、ロキシーの意思で動く自我を持たない分身のようなものである。

『子ゴーレム』は、ロキシーの意思で思い通りに操作できて、ロキシーの持つスキルも遠隔で発動できるのだ。



「そして溢れた魔物達は、俺達各々で倒しまくる!

 以上だ! 皆んな用意はいいか!!」


「「「「「はい!!」」」」」

 「「「「「はい!!」」」」」



 こうして、トロの作戦は実行された!

 先ずは、トロ達から遠く離れた位置での、ロプロプの空からの雄叫び!



 バサッ! バサッ! バサッ!・・・

「すぅうぅうぅうぅ~~~~~~・・・・・・(息を吸う)

 キイエェエェエェエェエェエェエェ━━━ッ!!」


 ドドドドドドドォ~~~ッ!



 ワルダーネス・ウルフ達は、空飛ぶロプロプの真下に集まる!

 そこでロプロプのファイヤー・ナパームが炸裂!!



「コォワアアアアアア・・・・・・はぁ━━━っ!!」

 ドオオオオオオオオオ━━━・・・

 ドゴォオオオオ━━━ン!!


「「「「「ぎゃあん!」」」」」

「「「「「きゃいぃいぃ~~~ん!!」」」」」


「よお━━━っし! 作戦通り!! 半分はやっつけたぞ!!」


「すっげぇ~~~!(汗)」


「さすがロプロプ! やるわねえ!!」



 この時、エヴァの詠唱が既に終わり、大精霊シルフは召喚されていた!

 


『切り裂きなさい! カマイタチ!!』

 ズババババババッ!!

「「「「ぎゃふ!」」」」



「やりましたわ!!」


「よし!!」



 ここで更にワイルダーネス・ウルフの数は4分の1に!

 ところが・・・



『切り裂きなさい! カマイタチ!!』


「えっ?! ど、どうして?!」


「はあ? なんだエヴァ?」


「あ、あのシルフは、私の召喚したシルフじゃありませんわあ!」


「「「「はあっ?!」」」」


 ズババババッ!!

「「「「ぎゃん!!」」」」

 バタバタバタッ!


「「「「え?・・・」」」」



 皆んな、ポカーンとしていた。


 なにせ、エヴァはまだ1度しかシルフを召喚していなかった!

 そして、2度目のシルフ召喚に向けて詠唱を始めかけてはいたのだが、なのにシルフは、2度も召喚されていたのだ!

 そして、全てのワルダーネス・ウルフを殲滅してしまったのだ!


 では、2度目の召喚されたシルフとはいったい・・・



「なっ・・・なんだこりゃ!! 何が起こった?!」


「で・・・できちゃった・・・(汗)」


「なに?!」


「子供?」


「違うよバカあ!!」


「え? は? じゃあ、なんなのよクレオ?」


「・・・まさか?」


「ぼ、僕の新しく覚えた催眠魔法の『召喚魔術催眠』で、本当にシルフを召還できちゃった・・・(汗)」


「「「「はあっ?!」」」」



 なんと!! 召喚魔術師エヴァとの契約で召喚できるはずのシルフが、クレオが『召喚魔術催眠』とやらで、エヴァの召喚したシルフよりもかなり威力は劣るものの、本物のシルフが召喚されてしまったと言うのだ!

 誰もが最初はエヴァの召喚魔術だと思った。

 だがエヴァは、まだ2度目の召喚の詠唱は始めかけていただけで、詠唱は終えてはいなかった。

 だとしたら、本当にクレオの『召喚魔術催眠』によって、2度目のシルフが召喚されたとしか考えられない。

 こんな事が有り得るのか?

 だが、2度目のシルフ召喚によって、生き残った全てのワルダーネス・ウルフを全滅させたのは事実である。



「凄いですわあ! クレオさん!!」


「え? あ、ああ、うん・・・」


「うんうん! 凄いじゃない!

 もしかしたら、ロプロプのファイヤー・ナパームさえも催眠術で再現できるんじゃないの?!」


「ええっ?! あ、い、いやあ・・・ど、どうかなあ?」


「きっと、できるさあ! エヴァの召喚魔術でさえ再現できちままったんだそ?

 いろいろ試してみる価値はある!」


「あ、はい・・・」


「・・・」



 クレオは、半信半疑だったが、本当にエヴァの召喚魔術さえも催眠術で再現できてしまった。

 これならナディーの言うように、ロプロプのファイヤー・ナパームでさえも催眠術で再現できるかも知れない。

 それはそれで期待はできるのだが、ワイサは気が気ではなかった。

 ワイサは剣士である。

 接近戦ならいざ知らず、離れた位置からの殲滅魔法のような大技など覚えていない。

 たとえ、そんな大技を習得したとしても、またクレオに催眠術で再現されてしまう可能性は大だ。


 だが、クレオの催眠術には大きな欠点がある。

 あくまでも催眠術は、他者の技などを完璧に再現できるのではなく、威力は半減以下なのである。


 今回のクレオの召喚したシルフの威力は、10分の1ほどだった。

 つまりは、どんなに大技を再現できたとしても、威力までは完璧に再現できないのである。

 それでも、催眠術とは驚異なのは間違いない。



「まさかな・・・催眠術とは、これほどとは(汗)」


「でも、威力は大した事ないですね?」


「ん? ああ・・・今は、確かにそうかも知らないな?

 だが、もし敵に催眠術師が居たとしたなら、これは驚異なのは間違いないな」


「「「!!・・・」」」


「た、確かにそうね・・・(汗)」


「クレオさんが私達の仲間で良かったですわあ!」


「そうだな! クレオ! こらからも宜しくな!」


「あ、は、はい!」


「・・・」



 皆んな、クレオの能力に驚きながらもワクワクしていたなか、ワイサだけは難しい顔をしていた。

 


『戦闘職は俺だけなのに・・・』



 そんな思いが、ワイサの立場を追い詰めているような、そんな心境だった。

 トロも、そんなワイサの様子に気付いていた。

 確かにワイサは戦闘職であり、単騎での威力は凄まじいものがある。

 だが、エヴァもクレオも非戦闘職であるはずなのに、多数への攻撃手段があるからだ。

 もちろんワイサにも、次に覚えられるはずの『流星雨』という名の『広範囲殲滅』の大技がある。

 だが、まだ覚えられていない。

 たとえ覚えられたとしても、すぐにクレオの催眠術によって再現されてしまう可能性がある。

 ワイサは、頭を抑えられた気分だった。

 そこへ、トロがこう話しかけてきた。



「ワイサ そんなに落ち込むな」


「え? 師匠・・・」


「確かにクレオの催眠術では、どんな技や魔法も再現できちまうかも知れない」


「・・・はい」


「だがしかしだ!」


「え?・・・」


「クレオの催眠術によって再現された技や魔法は、どうやら威力は半分以下のようだな?」


「へ?・・・そ、そうなんですか?」


「ああ、たぶんな!

 今回クレオの催眠術によって召喚されたシルフの威力は、エヴァの召喚したシルフの威力の10分の1ほどだったからな!」


「そうなんですか?!」


「ああ、間違いない!

 だから、クレオが催眠術のレベルがMAXにまで上がったとしても、威力までは完璧には再現度できないようだな」


「!!・・・なるほど じゃあ・・・」


「ああ! だから、いくら催眠術とはいえ、ワイサが脅威に感じる事はない

 ワイサの大技に対等に対抗できる奴なんて、俺達の仲間にだって居ないのだから」


「そうなんですね!」


「ああ! だから、これからも是非頑張ってくれ!

 お前は俺達の仲間の中では、かけがえの無い最強の前衛なのだからな!」


「!!・・・・・・はいっ!!」

  


 ワイサは、ホッとしたようで、また一気に元気が湧いたようだった。

 トロは、ニコッと微笑むと、またいつもの様に泥濘んだ道を【掘削&整地魔法】で綺麗に整地して行くのだった。

 するとその時!

 猛スピードで迫って来る反応を感知した!



 ピコン!


「なんだこれは?! はっ・・・速い!!

 全員、退避━━━っ!!」


「うわっ!「きゃあ!「ヤバいっ!「えええっ!!」



 もう、すぐそこまで迫って来ている魔物に対して、ワイサの位置では対処できない!

 ロンデル達も、左右と後方の警戒にあたってもらっていたので間に合わない!

 トロは咄嗟に、変身魔法でオッサンの身体に変身し、マジック・バッグからミスリル・ソードを取り出し、剣術スキルで猛スピードで迫って来た魔物から横へ身体を交わし、ミスリル・ソードを構えて、魔物を横1文字に頭から胴体にかけて、まるで野球のバットを振るような大振りで両断!!



 ドドドドドドドドッ!!


「くっ! こんのお!!」


 ポン!(オッサンに変身!全ステータスが倍以上に上昇!)


 シャッ!(マジック・バッグからミスリル・ソードを取り出す!)


「うをおあだああああ━━━っ!!」


 ブォン! ズバッ!! ドサドサッ!


「「「「?!・・・」」」」


「ふう・・・間に合った・・・(汗)

 ま、内野ゴロってとろかな?」


「「「「・・・???」」」」



 突然の事だったが、上手く対応できてホッとしたトロだった。

 ただ、最後にトロの囁きの意味には、皆んな意味不明だったが・・・(内野ゴロってなに?)

 トロが真っ二つに切り裂いた魔物は、地球では世界最大級とも言われるシロサイほどの大きさもある『ジャイアント・レッド・ボア』だった!

 ワイサとクレオは、まさかトロにそんな力があるとは正直思っていなかったようで心底驚いていた!

 もちろん、トロの放った剣さばきによる威力は、全力のワイサには程遠いが、それでもアース・ドラゴン相手にさえ十分に戦える実力だった。

 

 そんなトロを目の前にした仲間達は・・・


 ワイサは、驚きながらも益々トロを偉大なる師匠として尊敬した。

 ナディーは、トロの強く男らしい大きな背中に憧れ、益々男のトロを好きになった。

 クレオは、やはりトロは頼りになる立派なリーダーとして尊敬した。

 エヴァは、トロがとにかく強い事を知り、ただただ凄い!凄い!の連呼だった。

 トロは、少し照れくさかったが、ここはリーダーらしくカッコ付けてみた。



「ま、俺は本来、非戦闘職だからな

 今さっきの攻撃が精一杯だけど、いざとなれば お前達仲間を命懸けで守るからな!」


「「「「おおおお~~~!!」」」」


「師匠! カッコいいっす!」


「トロ~~~素敵ぃ~~~♡」


「流石です!!」


「素晴らしい師弟愛ですわあ~~~♪」


「いやはは・・・師弟愛? そうなるのか?

 まあ、ど、どうも・・・(照)」



『こんな言葉をかける事が、なぜ日本でもできなかったのか?

 いや、たとえできたとしても、邪魔されてたんじゃね?』



 なんて、自問自答していた。

 そんな風に気持ちがフワッとしたからか、身体がまた女の子に戻ってしまっていた。



「あれれ? ああ~~~(凹)」


「「「・・・」」」


「あはは・・・また戻っちまった(汗)」


「ふぅ~~~ん・・・(泣)」



 また女の子の姿に戻ってしまったトロを見て、1番落ち込んだのはナディーだった。

 元々ナディーは、『オジサマ好き』であり、オッサンのトロに密かに恋心を抱いていたのだ。

 もちろんトロは、そんなナディーの気持ちに気付いてはいたが、こればかりは仕方がない。

 それにトロは、仲間達が立派な冒険者に育ったなら、いつかは皆んなと離れるつもりだ。

 今は、皆んなを育てつつも、自己趣味に走る!




 ••✼••リクツネフ・マウケサ街道••✼••


 ••✼••野営中••✼••



 それは、『美少女戦隊マジカル・マージ』だ!

 トロが火属性で、ナディーが水属性で、クレオが風属性で、そしてワイサが雷属性だったのだが、実は土属性がまだ余っていた。

 なので、エヴァに土属性の『美少女戦隊マジカル・マージ』の変身着替え玉を与えた。

 これにより、『美少女戦隊マジカル・マージ』は、5人揃った事になる!

 トロは、無理やり仲間達に、変身を強要!

 これでやっと、あの決めゼリフ!!


『5人揃ってマジカル・マージ!!』


 と言える!!



「あはははははっ! ついに5人揃ったぞ!」


「「「「・・・・・・???」」」」



 トロ1人が、妄想にふける。

 だが他の皆んなは、『???』だった。

 この後、エヴァが『美少女戦隊マジカル・マージ』について、まったく理解できていなかったので、仕方なくエヴァにも『魔導ネットテレビ』を与えた。

 そして、『戦隊もの実写ビデオ』を観てみるように言ってみる。

 だが・・・



「素晴らしいですわあ!」


「そうか! そうだろう? そうだろう~~~?

 特に、仲間達の力を合わせて・・・」


「はあい! 魔法学園で唯一光の魔法が使える平民の少女が、悪役令嬢の嫌がらせに負けじと仲良くなった男子達と力を合わせて・・・」


「・・・・・・ん?」


「最後に悪役令嬢を断罪する場面には、とてもスッキリいたしましたわあ!」


「!・・・・・・(汗)」



 あれれ? 戦隊ものヒーロービデオを観てって言ったのに・・・

 悪役令嬢とイジメられっ子の少女の話しって、もしかして『乙女ゲーム』か、主人公のヒロインと悪役令嬢のアニメか?

 ってか、そんなのあったかな・・・(汗)

 ああ、確か仕事を辞めて、1つだけ試しにプレイしてみたそんなゲームがあったような・・・


 それはそうと、美少女戦隊マジカル・マージでは、クレオは偶然にも風属性だった。

 そして今回新しく覚えたのが、『風の大精霊シルフ召喚魔術催眠』である。

 しかも、マジカル・マージに変身すれば、仲間の全ステータスを大幅にアップさせる事がてきる!

 早速、クレオはマジカル・マージに変身してから、召喚魔術催眠を試してみたかった。


 そしてその日の夜中・・・



 ・⋯━☞深夜1時頃☜━⋯・



「ロプロプさん⋯ロンデルさん⋯ロキシーさん」


「ん! 今夜もやるのかい?」


「はい お願いします」


「よしきた! すぐ行く!」


「うんうん!」


「任せてよ!」


「よろしくお願いします!」



 クレオは、ロンデル達を連れて、また森の中へと向かった。



「!・・・ふふふ クレオのヤツ、今夜も行く気だな」



 トロは、そんなクレオに気付いていた。

 だが、ロンデル達が居るので、大丈夫だろうとまた寝床に着いた。



 ・⋯━☞約30分後☜━⋯・


 ••✼••リクツネフ・マウケサ街道森の中••✼••



「居ますな!」


「うむ 居るねえ・・・」


「今夜は私の『子ゴーレム』のタゲ取りで十分だよね?」


「えっと・・・そうですね! お願いします!」


「うん! わかった!

 んんんんん~~~・・・」



 ロキシーの操る子ゴーレムのタゲ取り発動!



「んんん~~~・・・ふん!!」

 ピシィ━━━━━━ッ!


「グワオ!「ギャオ!「グオオオ!」


「来た来た!」


「ふむ ジャイアント・フォレスト・ブラックベアですな!」


「う、うん! 相手に不足は無いよ!

 じゃあ、変身するね!」


「あいよ!「うむ!「わかった!」



 クレオは、マジカル・マージに変身する『着替え玉』をマジック・バッグから取りだし、自分の胸にポン!と当てる。

 するとその瞬間からクレオのマジカル・マージへの変身が始まる!

 この時、クレオの頭の中には、アニメチックな変身のテーマが流れる。

 背景が煌びやかな色とりどりの星が流れるスクリーンに変化し、クレオの着ている服が水色のドレスに変化し、腕には青いパワーリスト、足には青いヒール、背中には風龍の翼が生え、頭には風龍の角が生え、首元には青い可愛らしいリボンが着いて、最後に水色のアイマスクがピタリと着いて変身が完了!

 この変身の完了する間、クレオの中では30秒ほどの感覚だったが、実際の経過時間は僅か0.125秒!



「よし! じゃあ、シルフを召喚するよ!」


「あいよ!「はいな!「はあい!」



 そして、クレオは【召喚魔術催眠】で、『風の大精霊シルフ』を召喚!!



「召喚魔術睡眠発動!!」


 フォン!・・・


「我今、クレオの名において、風の大精霊シルフに願いたまわる!

 我の声を聞き、我の言葉に耳を傾け、我の願いを叶えたまえ!

 汝 風の大精霊シルフのお力にて、我等に危害を加える者達に裁きの刃を放ちたまえ!!」


 シュパン!!


 クレオが詠唱を唱え終えた瞬間!

 辺りが一瞬暗くなったかと思えば、嵐の如く強風が吹き荒れ1点に集結し、その風が妖精のような羽を持つ美しい少女の姿に変化した!

 まるで人の等身大にまで大きくなった『ネズミーのティンカーペル』のような姿に!

 風の大精霊シルフは、3枚の三日月型の圧縮空気と真空に包まれた刃を生成し、魔物目掛けて放った!

 風の刃は、目にも止まらぬ速さで魔物達を両断!!



『切り裂きなさい!! カマイタチ!!』


 シャキィイィイィン! シュイン!

 ズバズバズバッ!!

 バタバタバタッ!!


 

 クレオの召喚したシルフの放ったカマイタチは、ジャイアント・フォレスト・ブラックベアを3体とも胴を真っ二つに切り裂いた!



「「「おおおおおお~~~!!」」」


「うわあ~~~! すっごぉ~~~い!!」


「やはり、変身すると威力は全然違いますな!」


「だな!」


「ホントにすごいねぇ!」


「あ、うん! すごい!」



 クレオの召喚魔術催眠は、通常ならエヴァの10分の1程度の威力しかなかったが、マジカル・マージに変身して召喚した場合なら、エヴァの半分ほどの威力にまで上昇!!

 クレオは、自分に自信がついたのだった。



「す、すごい! 催眠術って、こんなにも凄い能力だったんだ!

 これなら、他の属性魔法でも、回復魔法でも、何だって出来ちゃうんじゃないか?」


「ふむふむ! 楽しみですな!」


「最高じゃないか!」


「すごいよ! 自信を持ってクレオ!」


「あ、ありがとう! 皆んな!

 僕、これからも頑張るよ!!」


「「「おおお~~~!!」」」


「おお━━━っ!!」



 クレオは、ウキウキと野営地へと戻るのだった。


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