第37話 「規格外なワイサと魔法薬」
ワイサ強し!
••✼••アース・ドラゴン生息地••✼••
「ふぅ~~~意外と楽勝でしたね!」
「いやいやっ(汗)
お前だからだよ! ワイサお前は、どれだけ強いのか自分では理解していないようだが、ソロでアクアマリン級になった奴なんて聞いた事がないぞ?」
「え? そ、そうかな・・・(照)」
「「・・・・・・・・・(汗)」」
マジでワイサの強さは、まさに規格外だった。
トロにも、とんでもない奴を育てている自覚はある。
なにせ、トロとナディーとクレオは、非戦闘職だ。
だからこそ、ワイサの規格外な強さには、圧倒された。
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・⋯━☞STATUS☜━⋯・
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名前 ワイサ
性別 女
年齢 16
種族 人族
職業 剣士
・⋯━━☆★☆━━⋯・
状態
【健康】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 412
HP 512
MP 133
SP 266
STR 699
ATK 383
DEF 676
INT 45
SPD 676
LUK 60
EXP 5166942
・⋯━━☆★☆━━⋯・
テクニカル・スキル・ポイント
TSP 58
・⋯━━☆★☆━━⋯・
SP 386
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【プチ・ヒールLv6】【ヒールLv4】【ハイ・ヒールLv2】
【トーチLv3】【クリーンLv3】【パーフェクト・バリアLv4】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【1文字斬りLv8】【スラッシュLv8】【心頭滅却Lv6】
【気合いLv6】【流星斬りLv4】【限界突破Lv4】
【恐怖耐性Lv4】【獲物自動解体Lv4】【索敵Lv4】
【警戒Lv3】【1馬力Lv4】【威圧Lv4】【威嚇Lv4】
【魅了Lv3】【変身Lv4】【魅了耐性Lv1】【一刀両断Lv1】
【鑑定Lv4】
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称号
【豪剣士】【ドラゴン・スレイヤー】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
【アクアマリン級冒険者】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
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なにせ、【気合い】で一撃にだけに攻撃力を爆上げさせて、ただの生鉄(なまがね・よく鍛えていない鉄)のショートソードなんかでも、【1文字斬り】でアース・ドラゴンの首をたったの一撃で一刀両断だなんて、バカなの?!と言いたくなるほどの筋肉お化けだ。
流石に生鉄のショートソードは、その一撃で、使い物にならなくなってしまったが。
しかし、【異性に変身する豆】で女の子に変身してしまったのに、なんなんだこのバカ力は?!
もし、男のまんまだったなら、こんなものじゃなかったかも知れない?
【気合い】発動時の攻撃力は、ロンデルとロプロプに匹敵するか、それ以上なのでは?
もちろんロンデルの【全ステータス強化魔法】を発動した時なら、どうやってもワイサには歯が立たないだろうけど。
そして、この戦闘により、ワイサには【一刀両断】のスキルが自動的に追加されていた。
【一刀両断】とは、SPを30ポイントも消費するが、【気合い】+【1文字斬り】と同等+αの威力がある。
いったい、何処まで強くなる気だワイサ?
今のワイサなら、この世界で勇者にも魔王にも、マジでなれる気がする。
変な横道にそれないように、危ういときは、ちゃんと軌道修正してやらないといけないな。
••✼••サイチ村冒険者ギルド••✼••
「アース・ドラゴン討伐、おめでとうございます!
これにてワイサ様も、『ドラゴン・スレイヤー』の称号持ちですね!」
「うむ! やったね!」
「おめでとう~~~」
「おめでとうございま~~~す」
パチパチパチパチパチパチ!
「いやあ・・・あははっ(汗)」
こうしてワイサも、『ドラゴン・スレイヤー』の称号持ちとなり、身分も『侯爵同等』となった。
だが、こうなると、面白くないのかチャチャを入れてくる素行の悪い輩が居るもんだ。
これも異世界名物の『テンプレ、鉄板、お約束』ってヤツだろうか?
「へへん? お嬢ちゃんが『ドラゴン・スレイヤー』だって?
ふっはっは! 何かの間違いだろ?」
ピクッ!
「はあ?」
「「「・・・・・・」」」
ワイサは、ギロリ・・・と男達を睨む。
その時トロ達は、ゾッとした。
ワイサから闘気が放たれたからだ。
そんなワイサの闘気に気付かない男達も、大した冒険者じゃない事が理解できる。
「そうだぜ! アース・ドラゴンっていやあ、オパール級冒険者達のパーティーですら全滅するって言われている怪物だぜ?」
「そうそう! どんな小細工をしたのか、是非知りたいものだ
まあ、俺達にも教えてくれよ?
手とり足とりさあ! なあ! お嬢ちゃんよお!」
「「「わはははははっ!!」」」
ピクピクッ!
「ぐっ・・・(怒)」
「「「・・・・・・(汗)」」」
ワイサは、一瞬悔しさからか、ギロリと奴らを睨んでいたが、ワイサは元々ソロでアクアマリン級にまで上り詰めた強者だ。
今までにも、こんな扱いを何度もされてきたのだろう。
慣れているのか、それとも何時もの事と流したのか。
ふっ・・・と、ワイサの表情からは怒りが消え、普段のワイサに戻っていた。
するとワイサは、素行の悪い冒険者達のステータスを【鑑定】スキルで覗いてみた。
そして奴らに向かって、同情せるような哀れみの表情を見せた。
「オジサン達、ちょっと鑑定させてもらったんだけど
ふふ・・・確かにね・・・」
「はあ? 何を笑ってやがる!」
「オジサン達のステータスじゃあドラゴン討伐どころか、ロック・リザードの討伐すら無理だね」
「「ああん?」」
「オジサン達! そのゴミみたいなステータスじゃあ、アース・ドラゴンは流石に無理だねって言ってるの!
せいぜい、ロック・リザードよりも下級の、アース・リザード1体を3人でやっつけるのが、いっぱいいっぱいなんじゃないの?」
「「なんだとお?!」」
「このメスガキめ! 言わせておけばっ!」
「お、おい ワイサ! あまり奴らを挑発するな(汗)」
「ふふふ・・・」
ダメだコイツ?!
『ドラゴン・スレイヤー』の称号を手にしたからか、自分の力を過信してのめり込みやがって!
完全に『天狗』なってしまっている!
相手はレベルがやっと限界突破した程度の、ラピスラズリ級冒険者。
ここサイチ領は、ビッグ・ボアやオークが多く湧く地域であり、主に『食肉』として魔物を狩る冒険者達が多集まって来る地域である。
おそらく、ワイサに向かってチャチャを入れて来るとなると、ワイサを知らない他所から来た冒険者達であるのは間違いない。
なぜなら、このサイチ村でワイサを知らない者は居ないくらい、ワイサは強い冒険者として有名なのだから。
きっと、限界突破した事により、彼らも自分に自信があるのだろうが、ステータスを見ればどう考えたって、たとえ3人ででかかっても今のワイサに敵うはずがない。
それより、あまりやり過ぎると、ワイサは過剰防衛でしょっぴかれるかも?
もし、そんな事にでもなったら、せっかくの若手の強者冒険者としてのワイサの名に傷が付く。
早速、ワイサの軌道修正をする事になるとは・・・
トロが、そう思ってワイサを止めに入ろうとした時だった!
「ワイサ、やめておけ! そんな素行の悪い奴らに関わるな
後で寝込みを襲われても、つまらないだろ?」
「大丈夫ですよ師匠! こんな身体だけ大きな出来損ないなんかに、俺は絶対に負けないですから!」
「お、おい・・・違うんだよ!
そ、そう言う事を言っているのではなくてだなぁ・・・(汗)」
「「・・・(汗)」」
「なんだとオラァッ! メスガキだからって容赦しねえぞ!」
「へへへ 先ずは痛み付けてから、俺達で楽しむのもいいな?」
「それ、いいじゃねえか?
他にも美味そうなメスが何人も居て、選り取り見取りだぜ!」
「だな? 女ばかりのパーティーだ
ちょいと脅してやれば、すんなり言いなりだあ!」
「「「うわあははははははっ!!」」」
「「「「?!・・・」」」」
奴らは、ワイサの仲間の俺達以外の、従魔のロンデル達も数に入れているらしい。
今のロンデル達も、美少女に変身しているので、トロ達を知らない冒険者なら、『脅せば言いなりになる』と、そう見えるかも知れない。
だが、相手が悪かった。
「おい、ワイサ ここは無視してやり過ごそうな?」
「申し訳ありません師匠!
これは俺がまいた種です! 責任をもって自分で刈ります!」
「は?・・・お、おい!」
ワイサが、そう言ったと思った瞬間!
その場の空気が変わった!
と言うか、雰囲気が張り詰めたようだった。
ワイサは、あるスキルを発動した!!
「キッ!!」
「「「「おおうっ?!・・・」」」」
{{ガクガクブルブル・・・}}
ドサッ! バタッ! ドテッ! ドタッ!
「えっ?!・・・」
なんと!
奴らは、ワイサを見る目がみるみるうちに点になると、顔が一気に青ざめた後にやがて白くなり、泡を吹いて倒れてしまった!
なかには、失禁している奴もいた。
ザワザワザワザワ・・・
「な、なんだ? ワイサ、何をした?」
「ちょっと、威圧したけですよ?」
「威圧・・・なるほど・・・どうりで・・・ははは(汗)」
【威圧】とは、本来は威光や威力で相手を押さえ付けることだが、小さな可愛い女の子の今のワイサに、何処にそんな要素があるのか?
それは、今までソロでアクアマリン級まで上り詰め、幾つもの修羅場や戦闘地獄をくぐり抜けて来たワイサが得た『どんな相手にも立ち向かう眼力』から来るものだ。
ワイサの【威圧(眼力)】は、あのアース・ドラゴンでさえ戦意を損失させたほどだ。
そんなワイサの威圧が、もしまともにトロに向けられたら、失神はしなくても、少なくとも『チビる』かも?
「あの、ワイサ君? できる事なら、その威圧は俺達には向けないでくれるかい?」
「え!? あははっ! そんな事する訳ないじゃないですか師匠ぉ~~~(汗)」
「いや、でもほら・・・」
トロは、ナディーとクレオに向かって指を差す。
「あっ・・・(汗)」
《《きゅう~~~~~~(寝)》》」
「・・・な?」
「えええっ?! あっちゃあ~~~・・・(汗)」
なんと!
先程のワイサの威圧がナディーとクレオにも飛び火してしまい、2人はひっくり返って伸びていた。
そりゃそうだ!
ナディーとクレオは、ワイサのすぐ傍に居たのだから、直接目を見なくても、発動された【威圧】スキルの爆心地に居た訳だ。
巻き添えを食らうのは、必然である。
「うわあっ! な、ナディーさん! クレオ!
ご、ごめんなさい!! こんなつもりじゃ・・・(焦)」
「「はらひろひれはれぇ~~~@@@」」
「ありゃりゃ! こりゃダメだわ・・・
かん~~~ぜんに、目を回してるな(汗)」
「すっ、すみませ~~~ん(汗)」
「な! 解っただろ?
ま、そう言う訳だから、戦闘時のように気を張っているとき以外では、できれば威圧は控えてくれるかな?」
「わ・・・わかりました すみません・・・(汗)」
「はは・・・(汗)」
・⋯━☞数十分後☜━⋯・
••✼••冒険者ギルド横談話室••✼••
トロは、ギルド職員達に手伝ってもらって、ワイサが眠らせてしまった奴らを、ギルドの休憩室で寝かせたあと、ワイサと今後について話し合った。
「はぁ・・・参ったわね」
「はぁい これほどとは・・・」
「俺も、膝から崩れ落ちそうになったよ・・・」
「すみません・・・(汗)」
「いやいや! でもこれで、1つ勉強になっただろ?
誰でも失敗はあるもんだよ
何一つ失敗しないで、大物になってから大成する直前で大失敗して、何もかも失って立ち直れなくなるよりはマシさ!
今の内に小さな失敗を繰り返しながら、その失敗の理由と原因を理解して行けば、失敗しないように自ずと気を付けるようになれるってもんだ」
「そう・・・ですか
でも師匠は、失敗なんてしないでしょう?」
「何を言ってんだよ? 俺なんて、失敗だらけさ!
だからこそ、こうやってワイサにも教えてやれるんだぞ?
一度も失敗した事の無い奴が、失敗した後どうすれば良いかなんて教えられないだろう?」
「はい 確かに、そうですね・・・」
『とは言っても、今のワイサでも十分に大物だとは思うが・・・(汗)』
・⋯━☞昼過ぎ☜━⋯・
••✼••ネチコイ街••✼••
次の日、トロ達はネチコイの町に来ていた。
ココ、ネチコイには、『史上最強の聖女』が居ると噂を聞いたからだった。
『聖女』と呼ばれる者なら、きっと回復系の魔法やスキル、また魔法薬の精製に優れいると考えたからだ。
あわよくば、そんな聖女を仲間にできないものか。
と、考えたトロだったが・・・
••✼••ネチコイ教会••✼••
「そう・・・ですか」
「申し訳ありません
聖女と認定された者は、冒険者家業はできない決まりなので御座います」
「なるほど・・・」
「「「・・・・・・」」」
あっさり、断られた(汗)
史上最強の聖女とは言わなくても、そこそこ冒険者として活躍できる聖女でも仲間にできたなら・・・と、思ったのだが。
トロは、勘違いをしていた。
冒険者の聖職者とは、回復系魔法や支援系魔法が得意な職業であり、「聖女」とはまた別物であり、同じではないらしい。
『だって、聖女とよく似た服装だったから・・・』
確かに聖女と冒険者の聖職者は服装が似ているが、実は聖職者と似た服装なのは、『まだ聖女になる前の見習い』なのだそうだ。
聖女となって、初めて聖女の服を着れるわけだが、聖女の服は地球の一般的な『修道女の服』に似ている。
聖女見習いは、全身白のローブに、フードの着いたマントを羽織るのだが、地球では一般的に『司祭服』と呼ばれる服装で、見習いの服の方が聖女っぽい。
なんとなく、逆なような気がした。
でもこれは、トロの勝手なイメージだ。
この世界を、自分の価値観だけで見てはいけない。
聖女を仲間にするのは諦めるしかなさそうだ。
仕方ないので、教会でトロの知らない魔法や魔法薬はないかと、神官に聞いてみた。
『どんな怪我でも、どんな病気でも瞬時に完治できる究極の魔法薬』があると言う。
トロは、是非ともその魔法薬を手に入れたいと思った。
実際に手にしてみて、自分の『種生成』スキルでコピー品を作れるようになりたいと思った。
神官にその魔法薬を1つ出してもらったのだが、なんとその魔法薬とは、『史上最強の聖女』と呼ばれる、『大聖女セーラ』が精製した物だと言う。
大聖女セーラは、見た目は15歳くらいの、とても美しい少女だった。
そして彼女が精製したという魔法薬とは、『女装役剤』と呼ばれているらしい。
聞いた事があるぞ!
『女装役剤』とは、本来は罪を犯した男性魔女を戒めるために作られた『呪いの薬』である『女装剤』が基になっている。
セーラは『女装剤』の『解毒剤』の開発のため研究していたらしいが、開発段階で誤って『失敗作』として結果生まれた新薬であり、『女装剤』と同じように『戒めの薬』の効果として、どうしても外せなかった『男性を女性化』させてしまう効果は残しつつも、『女性化』に期間的な制限を付ける事には成功したのだとか。
その種類が幾つかあり、『女装役剤』が、『1日だけ女性化』する効果を持つ。また、『女装役剤1day』とも呼ばれている。
『女装役剤1week』は、『1週間の女性化』の効果を持ち、『女装役剤1year』では、『1年間の女性化の効果』を持つのだそうだ。
だがこの『女装役剤1year』には問題点があり、女性化した者は1ヶ月経つと必ず初潮を迎えることになるのだが、初潮を迎えた女性化したの者の身体は『女性として安定』してしまうため、もう二度と男性には戻れなくなってしまうのだそうだ。
精製者本人の大聖女セーラも、『女装剤の解毒効果』ばかりを研究し続けた結果、『初潮』について失念していた結果の失敗だったのだろうと推察できる。
となれば、『女装役剤1year』とは、もう『女装剤』となんら変わらないと言っても過言では無い。
これが、『失敗作』と呼ばれる所以である。
しかし、『女装剤の解毒剤』を開発したかったらしいが、その意図の裏にはいったい何があると言うのだろうか?
何か秘密があるように思えてならない。
だが、トロは彼女に対して深く詮索しない方が良さげだと思った。
下手に干渉して、面倒事に巻き込まれても、つまらない。
なにやら大きな問題を抱えていそうな雰囲気を醸し出す少女だと感じただけに、『女装役剤』と、『女装役剤1week』の2本だけを購入して、逃げるように教会を後にした。
••✼••プライベート・ルーム••✼••
「師匠、それは何ですか?」
「ああ、教会で買った『女装役剤』と呼ばれる魔法薬だよ」
「「「女装役剤?!」」」
「聞いた事があるわ!
なんでも、この世界に3人しか居ない魔女の1人が研究開発に成功したって言う、エリクサー並の回復効果のある魔法薬なのよね!」
「「エリクサー?!」」
「そうだ! 実際、エリクサーは俺も見た事などないが、確かにこの『女装役剤』には、エリクサー並の回復効果があり、特に凄いのは、どんな病気でも瞬時に完治させる効果があるらしいんだ」
「「「すごぉ~~~い!!」」」
「凄い! 凄い! どんな病気も治せるなんて!!
確か、一国にひとつ有るか無いかと言われている『エクセレント・ポーション』でも、どんな怪我でも治せても、病気は治せなかったはずなのよね!」
「「へええ~~~」」
「それで、その魔法薬はいったい幾らしたんですか?」
「うむ 『女装役剤』で100万Tiaだったかな?」
「「「高あっ!!」」」
「うむ・・・確かにな・・・
そして、『女装役剤1year』では、200万Tiaだったよ」
「「「たっかあああ~~~!!」」」
「し、師匠・・・もしかして?」
「ああ、きっと、ぼったぐられたな・・・」
「「「~~~~~~(汗)」」」
実際、トロは、ぼったぐられていた。
金持ちからは言い値で大金を徴収し、金が無く暮らしに困る人には、『白野菜1個』でも交換する。
教会とは、そう言う所である。
正確な女装役剤の価格は次の通りである。
1日女性に変身する女装役剤を、『女装役剤』5万Tia。
1年間女性に変身する女装役剤を、『女装役剤1year』10万Tia。
10年間女性に変身する女装役剤を、『女装役剤10year』50万Tia。
100年間女性に変身する女装役剤を、『女装役剤100year』100万Tia。
この世界の相場として、『ハイ・ポーション』でも10万Tiaもするので、『女装役剤』の本来の価格設定は、とても良心的だと言える。
それを考えると、トロは法外なぼったぐられ方だ。
しかし、『女装役剤100year』なんて、買う奴居るのか?と、普通は思われるだろうが、だがここは異世界である。
平気で軽く数百年を生きる種族がワラワラと居る。
魔族なら軽く千年を超えるし、魔女となると数千年、大魔女ともなると数千年から数万年とも言う。マジか?!
薬の効果が100年単位だなんて、これも地球と異世界との、価値観の違いだろう。
それに魔族には、性別の無い種類も居て、女装役剤は回復効果のみが重宝される。
「ははは・・・やられたな」
「「「あははは・・・(汗)」」」
「だが、どうしても欲しかったモノだし、少々の出費は仕方がない!
それに、こうやって実際に手にする事ができたんだから、これからは買わなくても、俺の『種生成スキル』で幾らで作れるからな!」
「「「ふふふふふふ・・・」」」
「お、おい、そ、その顔怖いぞ、お前達・・・(汗)」
ナディー達は、ジト目で得意げに不敵に笑う。
まるで、自分の事のように・・・
まあ、仲間の内は、俺を所有物扱いしてもいいがな。
そんなナディー達が、少し怖くなるトロだった。
なにはともあれ、ぼったぐられたとは言え、トロ達は落ち込んだりしなかった。
なぜなら、トロには『種生成スキル』がある!
生成したい物がどんな物なのか、またトロの知っている物ならば、ほぼほとんどの物を生成できるのだから。
そしてトロは、実際に『女装役剤』を種生成スキルで作ってみた!
・⋯━☞10数分後☜━⋯・
「おおおっ! できたぞ!
しかも、『女装役剤1mouth』まで作れちまった!!」
「さすが師匠!!」
「これは、驚きましたね・・・」
「当然よ!!」
「ふふ それとな、『女装役剤1mouth』とは、名前からして『1ヶ月』を意味するんだが、実際の効果は3週間だ」
「「「え?」」」
「どうしてですか?」
「そうですよ 1ヶ月には日数が足りないじゃないですか?」
「そりゃもちろん、そこには理由がある!!
女性化して1ヶ月も経てば、どうしても初潮を迎えちまうだろ?
そうなると、女性化した身体は女性として安定して、二度と元の男の身体には戻れなくなるんだそうだ」
「「「えええ~~~」」」
この女性化についての、『女性としての安定化』は、『種生成』段階で、トロの頭の中に直接その事柄が流れ込んで来たからだった。
トロにも、この現象については理解できてはいないが、この世界には『アカシックレコード』たるものが存在し、そこからトロへ教えてくれているのだと解釈している。
その、トロが考えている『アカシックレコード』たるものが、実は『精霊』だとは、トロは知る由もない。
「だから、一応元の身体に戻れるようにとの、ちょっとした安全処置だな」
「「おおおおおお~~~!!」」
「すごい! すごいです師匠ぉ!!」
「ふはっ! そ、そうか?(汗)」
「ふん! 私には解ってたわ!
トロには、作れない物なんて無いのよ!」
「あはっ なんでナディーが得意げになってんの?」
「そ、そん、そんなの別にいいじゃない! ふん!」
「「「あははははっ!」」」
ナディーは、顔を真っ赤にしていた。
この頃には、クレオもワイサも、ナディーがトロに対して特別な感情を抱いている事に気付いていた。
誰も突っ込んたりしないが。
トロ・・・ぼったぐられました。
でも、トロはめげない!
種生成スキルで、なんでも作っちゃうからあ!




