第32話 「ライバル?」
酷い扱いをされていたとはいえ、元パーティー達の死を知ったクレオは、酷く落ち込むのだった。
••✼••ネチコイ・ダンジョン••✼••
トロ達は、再びネチコイ・ダンジョンへやって来た。
第1階層は、昨日の今日の事もあり、昆虫タイプの魔物であっさりと攻略!
そして第2階層では、小型の動物タイプの魔物だった。
第3階層でも似たようなもので、トロ達にはまったく脅威でも何でも無かった。
だが、第4階層はレベル的にはラピスラズリ級で100~149なのだが、第5階層ではボスはいきなりの強敵ミノタウロス!
しかもオパール級のレベル200越え!
そして残念な事に、元クレオの居たパーティーの者達の物と思われる装備品が散らばっていたので、捜索していたパーティー『晴天の雷』は、ボス戦で全滅したようだった。
彼らの遺体が見付からないのは、おそらくダンジョンに吸い込まれてしまったのだろう。
リーダー1人が100をやっと超えた程度のレベルのパーティーでは、適うはずがなかった。
いや、もしクレオが居たなら楽勝だったかも知れない。
これまで見てきたが、クレオが催眠術でパーティーにバフをかけたなら、なんとステータスが最大3倍にも膨れ上がったのだ!
もちろん非戦闘職のトロとナディーにはあまり意味は無かったが、それでも小型の魔物なら撲殺できるほどに強化されていた!
おそらく晴天の雷のリーダーは、戦闘中はクレオの恩恵のお陰で楽に魔物を討伐できていたのを、自分の力だと勘違いし、己を過信して適応レベルを見誤ってしまっていたのだろう。
だがクレオは、酷く落ち込み顔を歪めて悔しがってはいたものの、涙など一滴も流さなかった。
それだけでも、クレオが晴天の雷でどんな扱いをされていたのか嫌でも理解できる。
「・・・・・・」
拳を握りしめて少し震えるクレオ。
「・・・クレオ 残念だけど見た通りだ
ギルドへ報告に行こうか?」
「・・・はい」
「・・・・・・クレオ、大丈夫?」
「え? あ、はい! 大丈夫!
か、覚悟はしていました! 仕方ありません・・・」
「・・・そうね」
「さ、戻ろうか!」
「「はい!・・・」」
こうしてトロ達は、晴天の雷のパーティー達の遺品をマジック・バッグに仕舞い、転移魔法陣からダンジョンの外へ転移した!
••✼••ネチコイ冒険者ギルド••✼••
「ネチコイ・ダンジョンでの捜索の結果を報告に来ました」
「お帰りなさいませ! トロ様!
・・・その様子では、もう・・・」
「はい 晴天の雷パーティーは、第5層のボス、ミノタウロス戦で全滅したようです」
「?!・・・」
「彼らの遺体は何処にも無く、武具だけが散らかっていましたから、おそらくダンジョンに吸収されてしまったのでしょう」
「!!・・・そうでしたか 残念です」
「そしてこれらが、晴天の雷パーティーの遺品です」
ゴトゴトゴト・・・
「?!・・・・・・」
トロは、マジック・バッグから晴天の雷パーティーの装備品と思われる物をカウンターに並べた。
受付嬢によると、やはり晴天の雷パーティー達の装備品に間違いないとのことだった。
どれも、初期装備に毛が生えた程度の物だった。
パーティーレベルは100前後で、しかもこんなお粗末な装備で、レベル200近くの魔物をバシバシ倒していたのだから、どれだけクレオの恩恵を受けていたのかを理解しなかったリーダーの過信が、今回の悲劇を招いたのは確実だ。
それと同時に、クレオの催眠術の威力の高さに驚いたのだった。
「クレオ 君の実力は大したものだ!
自信を持つんだ 君はけっして無能なんかではない」
「はい・・・ありがとうございます」
「そうよ それに今回の悲劇はクレオのせいなんかじゃないのよ?」
「はい・・・解ってます」
「「・・・・・・」」
酷く落ち込むクレオに、これ以上の気の利いた言葉を掛けることができなかったトロとナナティーだった。
こう言う時は、無理やりにでも話題を変えるしかない!
「さあ! 何時までも落ち込んでる場合じゃないぞ!」
「!・・・はい」
「そうそう! 私達だって例外じゃないんだからね!」
「そうだな でも、今まで結構ギリギリだったけどな?」
「そうね? ホント! ギリギリだったわね!
あの時は、本気で死んじゃうって思ったわ~」
「え?・・・」
「アース・ドラゴンの討伐かい?」
「ええっ?」
「そう! トロが自信満々で攻めるもんだから平気だと思っていたのに、ロンデル達やシシー達が居なかったら、私達は今こうして居られなかったかも知れないものね?」
「えええ~~~(汗)」
「だな? あれはヤバかった・・・(汗)
作戦なんて頭から完全に飛んじゃって、頭の中が真っ白になっちゃったからなあ~」
「「あははははははははっ!」」
「えええええ~~~~~~(汗)」
クレオは、この人達について行って、果たして大丈夫なのだろうか?と不安になったのだった・・・
「よし! 先ずはクレオのレベル上げだな!」
「そうね! 最終的にはアース・ドラゴンを倒せるくはいにはなっておきたいわね!」
「うえええっ?! アース・ドラゴンだってえ?!」
「そうだよ? 俺達はこう見えても『ドラゴン・スレイヤー』なんだから!
クレオにも、『ドラゴン・スレイヤー』の称号を持たせてやりたいしね!」
「うんうん! おっかしいのよぉ~~~
『ドラゴン・スレイヤー』の称号を持つようになると、急にみなの態度が変わるんだから!」
「あはっ! 確かにな!
トスター伯爵なんて、ビビって震えていたもんな!」
「うふふ♪ そうね 確かに震えてたわね!」
だが、これには少し間違いでもあり正しくもある。
トスター伯爵が恐れていたのは、ロンデル達従魔なのだ。
けっしてトロに対して、恐れてなどいない。
逆に、トロをどうやって自分のモノにしようかと考えている連中だ。
「へへん! 俺ならその気になれば、国一つくらいならパクッ!といっちゃうよ!」
「あはは・・・その寝ぼけ眼で言うのはやめてくれない?
本気でちょっと怖いから・・・(汗)
トロなら本当にロンデル達に命令しちゃいそうだから、冗談に聞こえないのが怖いところよね・・・(汗)」
「へ、へえ~~~(震)」
『なんなんだこの人達はっ?! 僕はもしかしたら、とんでもない人達のパーティーに入っちゃったのかも知れない?!』
鶴の一声で、一夜で国を滅ぼし荒野と化す力を持つ従魔を従えた、金髪碧眼のまるでプリティードール・クールビューティートロを我がモノにできれば、それはそれは戦力と権力の偉大さは計り知れず、一国の王よりも発言権を持ち得るだけでなく、さらに自らも国を興す事も可能とさえ言われているとか。
勇者なんて、ハッキリ言って取りに足らない羽虫である。
一部の権力者からは、自分がそれほどの価値があるとされているなんて、トロ自身は知る由もない。
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・⋯━☞STATUS☜━⋯・
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名前 トロ
性別 女
年齢 54
種族 人族
職業 種生成術師/賢者/テイマー
・⋯━━☆★☆━━⋯・
状態
【健康】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 452
HP 452
MP 552
STR 23
ATK 34
DEF 34
DEX 63
INT 117
MAT 42
SPD 63
LUK 106
EXP 6394232
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【ヒールLv6】【ハイ・ヒールLv3】【種生成Lv6】【ファイヤー・ボールLv6】【ウォーター・ボールLv5】【エアー・カッターLv4】【アース・ニードルLv4】【アース・ウォールLv4】【テレポーテーションLv5】【全ステータス強化魔法Lv4】【全ステータス弱化魔法Lv5】【光魔法Lv5(ライト)(ライト・セイバー)】【状態異常回復魔法Lv4】【浄化魔法Lv6】【付与魔法Lv6】【変身Lv7】【誘導ファイヤー・ボールLv5】【超冷却Lv4】【スーパー・インパクトLv4】【パーフェクト・バリアLv4】【いただきます】【奴隷解除魔法Lv4】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【ステータス】【鑑定Lv6】【異空間収納∞】【剣術Lv5】【熱耐性Lv6】【冷耐性Lv5】【物理耐性Lv5】【魔法耐性Lv5】【テイムLv5】【索敵Lv6】【恐怖耐性Lv5】【麻痺耐性Lv4】【呪い耐性Lv5】【魅了耐性Lv5】【混乱耐性Lv4】【隷属耐性Lv4】【石化耐性Lv4】【即死耐性Lv5】【幻覚耐性Lv4】【洗脳耐性Lv4】【毒耐性Lv5】【獲物自動解体Lv6】【限界突破Lv4】【茨の縛りLv5】【御用だ!Lv5】【鋼の鎖の楔縛りLv4】【不意打ち回避Lv4】【防音結界Lv4】【隠匿Lv4】【隠密Lv4】【魔導インターネットLv4】【索敵Lv4】【眠りLv4】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【召喚巻き込まれ異世界人】【賢者】【ロンデルの主人】【色女】【ワイサの師匠】【賢者テイマー】【パーティー名『トロと愉快な仲間達!』リーダー】【ドラゴン・スレイヤー】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
【普通自動車】【原動機付自転車】【サファイヤ級冒険者】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
従魔
●ロンデル
【ワイルド・フォレスト・キャット】
●ロプロプ
【ファイヤー・ナパーム・ワイバーン】
●ロキシー
【エルダー・ロック・ゴーレム】
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・⋯━☞STATUS☜━⋯・
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名前 ロンデル
性別 雌
年齢 18
種族 獣族 (ワイルド・フォレスト・キャット)
・⋯━━☆★☆━━⋯・
状態
【健康】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 552
HP 552
MP 652
STR 572
ATK 575
DEF 569
DEX 581
INT 566
MAT 560
SPD 584
LUK 117
EXP 10125812
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【全ステータス強化魔法Lv5】【いただきます】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【威嚇Lv6】【ひっかきLv8】【噛み付きLv6】【体当たりLv6】【猫パンチLv7】【猫キックLv7】【変化Lv7】【茨の縛りLv6】【御用だ!Lv6】【地図Lv6】【言語識字理解Lv6】【索敵Lv5】【思念伝達Lv5】【隠密Lv5】【眠りLv4】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【賢者トロの従魔】【サファイア級冒険者】【ドラゴン・スレイヤー】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
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・⋯━☞STATUS☜━⋯・
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名前 ロプロプ
性別 雌
年齢 38
種族 獣族 (ファイヤー・ナパーム・ワイバーン)
・⋯━━☆★☆━━⋯・
状態
【健康】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 558
HP 558
MP 708
STR 592
ATK 622
DEF 741
DEX 533
INT 830
MAT 566
SPD 800
LUK 129
EXP 10380748
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習得魔法
【ファイヤー・ナパームLv4】【いただきます】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【威圧Lv7】【ひっかきLv8】【鷲掴みLv7】【羽ばたきLv6】【噛みちぎりLv7】【変化Lv7】【茨の縛りLv6】【御用だ!Lv6】【地図Lv5】【言語識字理解Lv6】【索敵Lv5】【思念伝達Lv5】【隠密Lv5】【眠りLv4】
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称号
【賢者トロの従魔】【サファイア級冒険者】【ドラゴン・スレイヤー】
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・⋯━☞STATUS☜━⋯・
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名前 ロキシー
性別 雌
年齢 5
種族 ゴーレム (エルダー・ロック・ゴーレム)
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状態
【健康】
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LV 345
HP 9957
MP 445
STR 395
ATK 400
DEF 3982
DEX 350
INT 28
MAT 350
SPD 350
LUK 92
EXP 3435214
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【自己再生魔法Lv4】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【威嚇Lv4】【体当たりLv4】【タゲ取りLv4】【変化Lv5】【ボディー・ロックLv5】【ぶん殴りLv5】【持久走Lv5】【岩石生成Lv4】【投石Lv3】【子ゴーレム生成Lv5】【言語識字理解Lv4】【思念伝達Lv4】【隠密Lv5】【眠りLv4】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【賢者トロの従魔】【アクアマリン級冒険者】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
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その後トロ達は、『アース・ドラゴン討伐』に向かい、あっさりとアース・ドラゴンを討伐!
これによりクレオも、【ドラゴン・バスター】の称号を得た!
••✼••サイチ冒険者ギルド••✼••
「やったあ! ついに僕もドラゴン・スレイヤーだあ!」
「うむ! よかよか」
「うふふ クレオも元気が出たようね」
「そだな!」
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・⋯━☞STATUS☜━⋯・
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名前 クレオ
性別 男
年齢 15
種族 人族
職業 催眠術師
・⋯━━☆★☆━━⋯・
状態
【健康】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 180
HP 280
MP 1512
STR 15
ATK 23
DEF 23
DEX 40
INT 113
MAT 26
SPD 40
LUK 67
EXP 769301
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【電撃魔法Lv4】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【闘志向上催眠Lv5】【倦怠感催眠Lv5】【混乱催眠Lv4】【恐怖払拭催眠Lv4】【狂戦士催眠Lv5】【限界突破Lv1】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【ドラゴン・スレイヤー】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
【オパール級冒険者】
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「うふふふ・・・うふふふふふ・・・♪」
「「・・・・・・・・・・・・(汗)」」
クレオは、自分のステータスを見ながら、怪しげな薄ら笑をしていた。
でも、AR表示されるステータス・パネルとは、『人に見せても良い』という意思が無ければ他人には見えないのだが、パーティー間ではメンバー達にも見えるようになっている。(ご都合主義設定w)
自分のステータスを見てニヤけるクレオを見ると、クレオの顔がステータスパネルの明かりで下から照らされ、お化け屋敷のお化けみたいに見えて、薄ら笑いするクレオの顔は余計に不気味に見えたのだった・・・
そんなクレオは、いつしか自分の世界へドップリはまる。
いったい何を考えているのか解らない。
こういうときは、突っ込むべきか?
それとも、そっとしておくべきか?
いやいや、知らない方が幸せな事があると言う事か?
「んひひ・・・んひひひひ・・・」
『『・・・・・・・・・こわっ(汗)』』
しかし、なんじゃその『夜中にPCモニターだけの明かりの中でYouTuboの爆笑もの動画を観て1人で声を殺して笑ってる』みたいな絵面・・・
マジで怖いぞ、お前・・・
1人暗い部屋の中で18禁サイトを観てて、いつドアが親に勢いよく開けられるのでは?とビクビクするような危ういしさが全く無い・・・(意味不明)
完全に、自分の世界に入ってる。
トロ達の存在を忘れてしまったかのように。
クレオさんよ! だからその顔、怖いって・・・(汗)
「うへへへ・・・うへへへへへ・・・」
「「・・・・・・・・・(怖)」」
チヒロとユキナは、そんなクレオを見て・・・引いた。
『なんだコイツぅ?!
コイツもなかなか、曲者やな!!
でも、クレオに元気が出たのなら、良しとしようか。』
・・・と、その時!
魔導スマホが鳴った!
ジャーンジャーンジャ~~~ン
ジャジャジャジャジャジャ
ジャーンジャーンジャ~~~ン(甘えん坊将軍のテーマ)
「やっ?! な、なに?!」
「な、なにそれ?! 何の音?!」
「ああ、すまない! 俺の通信魔導具だ!」
「「通信魔導具ぅ?」」
トロは、通信魔導具(魔導スマホ)の説明は後にして、とにかく電話に出る。
『応答』アイコンをタップすると、電話の相手は、なんとワイサだった。
ピッ!
「はい もしもし?」
『あっ! 師匠!! ワイサですぅー!』
「おお、ワイサか? どーしたんだ?」
「「ワイサ・・・?」」
『師匠は、ドラゴン・スレイヤーって、本当ですか?!』
「はあ? ああ、まあ、そうだよ?
それが、どうしかしたか?」
『やっぱり、そうだったんですねぇ!!
冒険者ギルドで、ドラゴン・スレイヤーの称号持ちのパーティーが居るって聞いて、そのパーティー名が、『トロと愉快な仲間たち』だって知って、絶対に師匠だと思ったんですぅ!!』
「わははっ! そうか?
今、パーティーは3人だけだが、3人ともドラゴン・スレイヤーの称号持ち』だぜ!」
『さっすが師匠! ああうん、えと・・・
あれから俺もかなり強くなったんですよ!
も、もし良かったら、俺も師匠のパーティーに入れてけれませんか?!』
「なっ?!・・・そ・・・い、いいのか?
俺としては、ワイサがパーティーに入ってくれると嬉しいが」
『え? もしかして、最初から俺もパーティーに入れてくれるつもりだったんですか?』
「ああ、まあ、そうだったんだけどな?
でもワイサには、宿の手伝いがあるだろ?
忙しいだろうから難しいかなって、遠慮していたんだ」
『そんな! 水臭いですよぉ~~~
でももし、師匠がいいんなら、俺も師匠のパーティーに入れてください!!』
「そ、そうか? ワイサさえ良ければ・・・」
『やったあっ!! で、今師匠は何処にいるんですか?』
「あ、うん ネチコイの冒険者ギルドだよ」
『わかりました!! 今すぐ行きます!!』
ブツっ!・・・
「なんだ、騒がしい奴だな・・・(汗)」
「「・・・・・・?」」
なんとワイサが、トロが立ち上げたパーティーが、『ドラゴン・スレイヤー』の称号を獲得した事を知り、ワイサもまたトロとパーティーを組みたいと言ったのだ。
トロにとっては、是非とも仲間に入れたい1人だった。
なにせ、この世界へ来て初めて関わりの深かった人だったから。
それに、男の子だったけど、女の子になっちゃったし。
だから、自分の仲間って感じがするし。
お気に入りだと言えば、お気に入りか。
しばらく経って、ワイサがやって来た。
「師匠ぉ━━━っ!」
ドン!
「ぐほっ!!」
「「?!・・・」」
ワイサは、トロの顔を見るなり突っ込んで来て、トロに抱きついた!
「わ、ワイサー? 久しぶりだな ゲホッ」
「はぁい! お久しぶりですぅ!」
「「・・・・・・」」
久しぶりに会うワイサを見ると、すっかり装備が変わっていたが、一般的(?)に男の子が好むようなアーマーなどではなく、斥候女子が装備するような肌が露出する部位が多いタイプだった。
『随分と、イメージが変わったなぁ~~~』
などと思いながら、ワイサを頭からつま先まで何度か繰り返して見てしまった。
「・・・ん? なんですか?」
「ああいや、随分とイメージが変わったなと思ってな!」
「あはっ! そうですか?
俺、今でも1人で活動していますので、動きやすい方がいいんですよ!」
「ふむふむ、なるほど
あ、紹介するな!
この娘は、『シンニング・テイマー』のナディー
そして、こっちの娘が、『催眠術師』のクレオだ!」
「ナディーです よろしくね!」
「クレオです よろしくです」
「あ、俺は師匠・・・トロさんの1番弟子のワイサです!」
「「いちばんでし?」」
「はぁい! よろしくお願いしますね!」
「「よろしく・・・(汗)」」
「・・・・・・ん?」
なんだ、この空気?
ワイサが、「トロさんの1番弟子」って言った途端に、急に空気が張り詰めた・・・!
ナディーとクレオは、ワイサを見る目がサメのような光の無い真っ黒な瞳になっていた。
一方、ワイサはワイサで、なぜかナディーとクレオに対して先輩風を吹かして、しれぇ~っとマウントを取ったように見えた。
そんなワイサの目も、サメのような光の無い真っ黒な瞳になっていた。
けっして激しくは無いものの、ナディーとクレオ、そしてワイサとの間に火花が散った気がした。
しかしワイサのこの発言や態度は意図しての事なのか、それとも・・・
板挟みになってしまったトロは、堪らずその火花の線上から後退るのだった・・・
「あ⋯ん⋯えっと⋯まあ、自己紹介も済んだ事だし、ナディーとクレオに頼みがあるんだが・・・」
「なに?「なんですか?」
「お、俺は、こ、このワイサをパーティーメンバーに入れたいと思ってる・・・んだが、いいかな?」
「・・・やっぱり? きっと、そうくると思ってたわ!
まあ、私は構わないけど?」
「そ・・・そうか(汗) はは・・・で、クレオは?」
「うん・・・僕も構わないけど?
最終的に決めるのは、リーダーのトロさんだから」
「そ・・・そ、そうか? 2人とも、ありがとな!」
「「うん・・・・・・」」
「・・・・・・・・・」
『ひいぇえぇえぇえぇ~~~(汗)
ああ~もお~何コレぇ~~~?! 誰か助けてっ!!
重いっ! 重いよ、この空気っ!
超、気まずくて、居た堪れない!!
誰か胃薬ちょ━だ━━━い!!』
しかし、ワイサのステータスを見てみると、今まで1人でよくぞここまで頑張って来たものだとトロは感心した。
■===========■
・⋯━☞STATUS☜━⋯・
■===========■
名前 ワイサ
性別 男
年齢 16
種族 人族
職業 剣士
・⋯━━☆★☆━━⋯・
状態
【健康】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 385
HP 485
MP 127
SP 255
STR 658
ATK 362
DEF 636
INT 43
SPD 636
LUK 58
EXP 4421093
・⋯━━☆★☆━━⋯・
テクニカル・スキル・ポイント
TSP 12
・⋯━━☆★☆━━⋯・
SP 359
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【プチ・ヒールLv6】【ヒールLv2】【ハイ・ヒールLv1】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【1文字斬りLv8】【スラッシュLv8】【心頭滅却Lv7】【気合いLv7】【流星斬りLv5】【限界突破Lv4】【恐怖耐性Lv5
】【獲物自動解体Lv5】【索敵Lv6】【警戒Lv3】【1馬力Lv5】【威圧Lv5】【威嚇Lv5】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【豪剣士】【アクアマリン級冒険者】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
資格
・⋯━━☆★☆━━⋯・
■===========■
「おおっ! 凄いじゃないかワイサ!
よく1人でここまで、頑張ったな!」
「えへへ、ありがとうございます!」
「「・・・・・・」」
「はは・・・」
「俺も、女の子になっちゃった時は、もう冒険者を諦めようとかさえも思ったけど、この国最強と言われているパーティーだって、女の子が活躍しているだもんね!」
「「え?・・・」」
「そ、そうだぞ! 女の子だからって、引け目に感じる事はないぞ!
だってウチは、全員女の子のパーティーだからな!」
「ちょっ!・・・(汗)」
いきなりトロがそんな事を言うもんだから、クレオは何か言いたげだったが、グッと言葉を飲んだ。
なぜなら実の所、『美少女戦隊』に変身した時の方がスイスイ動けるし、『男のくせに小さい』と他の冒険者達にバカにされる事もない。
だったら、最初っから女の子に見られている方が、逆に他の冒険者達が応援してくれるんだから、一層のことこのまま女の子まんまで・・・なんて考える事も。
そんな事もあり、美少女戦隊に変身していない時でも、女の子の格好をするようになっていた。
それがまた、妙に似合っていた。
また、『ボクっ娘』として、チヤホヤされる事も。
それより、ナディーとクレオは、ワイサが元々男の子だったなんて、聞いでビックリした。
てっきりトロは、ワイサが女の子だから、もてはやして贔屓にしているのだと思っていた。
でも、ナディーとクレオは、ワイサが元々男の子だった事を知って、少しモヤモヤが晴れたのだった。
「ワイサ・・・君? あなた、元は男の子だったの?」
「え? あ、ああ、うん!
『異性に変身する豆』ってのがあるんだけど、間違ってその豆を食べちゃったんだ・・・」
「「ええっ?!」」
「!・・・・・・(焦)」
「・・・トロ?」
「ふぁい!! な、なんでひょおかナディーさん!?」
「声がうわずってるわよ!」
「そそ、そん、そんな事はないと思うますですわ! いやないぞ?」
ナディーは、トロがワイサに『異性に変身する豆』を故意に食べさせたのだと考えたが、トロの慌てっぷりを見ても疑いの余地は無かった。
「・・・ふふ まあ、いいわ!
トロの事だから、ワイサが可愛い女の子だったから仲間にするんだと思ってたけど、そんな訳じゃないのね?」
「そ、そりゃそうさ!
最初から女の子を仲間にしたのは、ナディーだ、だけ、だけだ・・・からな!」
「そう! ふぅん・・・そっか!」
「ホッ・・・」
どうやら、ナディーの機嫌は良くなったようだ。
なんとなく、ナディーが嬉しそうだったので、ここは良しとしようと思うトロだった・・・
『オジ専』のナディーにとって、トロは他の女の子に取られたくない存在。
クレオとワイサも、元男の子だと言う事は、トロが2人を女の子だから気に入った訳ではなく、たまたま男の子から女の子になっちゃったって事で、少しホッとしたのだった。
こうして、なんとか仲良くパーティーメンバーとして受け入れられたワイサ。
その後、『トロと愉快な仲間たち』パーティーでは、『美少女戦隊』の各属性の『着替え玉』を持っている。
トロが火属性、ナディーが水属性、クレオが風属性だ。
そしてワイサは、カミナリ属性を選んだ。
雷属性の美少女戦隊に変身したワイサは、サンダードラゴンのような角と黄色い翼と尻尾が生え、全体的に黄色のコスチュームだ。
翼をパタパタさせて尻尾を振りながらチョコマカと歩き回る小さなワイサは、とても可愛かった。
そして何時しか、比較的身体の小さなクレオとワイサは、美少女戦隊の姿での可愛さを競い合うようになっていた。
「どうだ? 俺はサンダードラゴンだぞ!
この背中の黄色い翼なんて、とても綺麗だろう?」
「ぼ、僕は風竜だ 風竜の水色の翼だって綺麗だよ!」
「なんだろう? クレオとワイサ・・・
急に張り合うようになっちゃったけど、やっぱり背の低さがライバル心を燃やす要素なのかしら?」
「ナディー? そこには触れないでやってくれ・・・」
「・・・そうね」
こうして、ワイサが新しく『トロと愉快な仲間たち』のメンバーとなった。
最近、『女装剤』のキャラとで、こんがらがってきた・・・(汗)
ヤバぶぅ~~~(古)




