第31話 「美少女戦隊マジカル・マージ」
実は、アニメ、ケモ耳好きなトロです。
••✼••ネチコイダンジョン第1階層••✼••
「・・・か、可愛い♡」
「はあいっ?!」
「と、トロさん! 僕、トロさんに一目惚れしました!」
「ひゃあい?! なん、何を言ってんだよ?!」
「あらあら・・・これは修羅場だわねぇ」
「ダメだ! ご主人様は私のモノだぞ!!」
「何を言うかロンデル殿! ご主人様は私のモノですぞ!!」
「だぁ~~~め! ご主人様は、私のモノなのお!」
「ちょ、なんだお前達まで!!
余計にややこしくなる事を言うんじゃない!!」
「ふぅ~~~ん・・・じゃあ、恋のライバルって事ですね?」
「いててっ! やめろ! 離せぇー!!
今こんな事をしている場合じゃないだろ!!
痛いって!! 壊れちゃうってばあ━━━!!」
「あらあらあらあら~~~(笑)」
トロは、ロンデルとロプロプとロキシーと、そしてクレオに文字通り引っ張りタコになっていた。
「すとぉ━━━━━━━━━っぷぅ!!」
「「「「?!・・・・・・」」」」
「「「「「!!・・・・・・」」」」」
「いい加減にしろよ、お前達!!
俺達は何をしにココへ来たのか忘れちゃいないだろうな?!」
「え? 戻ってこないパーティーを探しにだけど?」
「「「「うんうん!」」」」
「「「「うんうん!」」」」
「だな! そうだったよな!!
じゃあ、こんな事をしている場合じゃないだろ!」
「まあ、そうですね?「そうですな!「そうだね」
「ヒソヒソ「モソモソ「コソコソ「ブツブツ」
「うん・・・だよね」
「だったら、つまらない事なんかしてないで、さっさと行くぞ!!」
「怒ったね「怒りましたな「怒っちゃった」
「怒らなくてもね「だよね「ロリババア」
「んなっ! 誰がロリババアだって?!」
「「「「~~~・・・」」」」
「「「「「~~~・・・」」」」」
「まったく・・・さあ、行くぞ!」
「「「「はぁ~~~い」」」」
「「「「「はぁ~~~い」」」」」
珍しく怒ったトロだった。
これは、自分に対しても怒っていた。
油断したとは言え、驚いただけて女の子の身体に戻ってしまうなんて・・・
まだまだ修行が足りないと思ったトロだった。(何の修行?)
「おおっ! ご主人様! 宝箱ですぞ!」
「ん! あ、本当だ!」
確かに、ロキシーが居た場所に、クーラーボックス程の大きさの宝箱がいつの間にかポツンと置かれていた。
もしかしたら、ボスも一緒に知らない間に倒していたのかも知れない?
いや、それとも、魔物を全部倒せば、宝箱が出るシステムのか?
それならそれで、結果オーライ!
トロは、念の為に鑑定スキルで宝箱を確認してみる。
「鑑定!・・・うむ 大丈夫そうだな
ミミックでは、なさそうだし・・・罠でも無さそうだな
鍵もかかってなさそうだ!」
「わあっ! 開けてみましょう!」
「ふむ・・・」
トロは、宝箱を開けてみた!
ガコッ! ギイィイィイィ~~~・・・カタン!
「「「「んん?!」」」」
「「「「「おお?!」」」」」
「ポーチ?」
「いや、マジック・バッグかな?」
宝箱に入っていたのは、ウエストポーチ型のマジック・バッグだった。
鑑定してみると、容量は小さなお風呂くらいのものだ。
そのマジック・バッグには、『時間停止機能』は無かった。
まるで誰かが、空間魔法の練習で作ったような?
トロにとって見れば、まるでお菓子のオマケ程度のモノだった。
これでは普通に道具屋に売っている、500万Tiaもすると言う獣車1台分の容量のモノよりもお粗末なモノだ。
でもまあ、駆け出し冒険者達にとっては、まさに喉から手が出る程の『宝物』だろう。
「なんだコレ? ショボ!」
思わず呟くトロ。
「はあっ?!」
「まるでオモチャだよね?」
馬鹿正直に呟くナディー。
「ええっ?! なんでですか! 凄いじゃないですか!
マジック・バッグですよ!!
買えば数百万Tiaくらいはしますよ?
すっごいなあ~~~! 本物だあ~~~!
ねえねえ! コレ、誰のモノになるの?!」
欲しくて堪らないクレオ。
「コレって、売っちゃうなんて勿体ないですよね!
どうします? ねえ、どうします?
・・・って、あれ? どうしたんですか?
マジック・バッグですよ! 嬉しくないんですか!!」
「「・・・・・・・・・」」
黙り込むトロとナディー。
そう言って、トロとナディーの反応を意外に思うクレオ。
顔を見合せて黙り込むトロとナディー。
なぜならトロとナディーは、獣車100台分の容量で『時間停止機能付き』で、しかも『所有者設定付き』のマジック・バッグを持っているからだ。
なので、トロとナディーにとっては、宝箱の中のマジック・バッグは、ハッキリ言って『ゴミ』だった。
『こんなモノで大騒ぎするなんて、可愛い奴だ。』
と、トロとナディーは、クレオにそう思った。
だけど・・・
「これは、売るしかないな・・・」
「へあっ?! なんで!!」
「要らないよねえ? こんなの・・・」
「嘘でしょ?! 正気ですか!!」
「「だって、ゴミだもん!」」
「があ~~~ん!!」
クレオは、その場に崩れ落ちた・・・
だが、トロはすぐにクレオへ何かを渡した。
「そんな・・・こんな凄い物がゴミだなんて・・・」
「ほら!」
「?・・・なんですか?」
「コレ、君にあげるよ」
「ふぅん?・・・これは?」
「マジック・バッグだよ」
「?!・・・・・・え?」
顔にペタペタと当てられるバッグを手に取って見てみる。
それは、トロとナディーが持つバッグと似たデザインのショルダーバッグタイプのマジック・バッグで、トロの持つバッグは『赤のバッグに青いカバータイプ』で、ナディーの持つバッグは『青のバッグに赤いカバータイプ』で、今クレオに見せられているバッグは『紺色のバッグにダークレッドのカバータイプ』のモノだった。
「そのマジック・バッグは、獣車100台分入る収納能力があって、『時間停止機能付き』で、しかも!『所有者設定付き』の高性能のバッグだよ!」
「獣車100台分?! 時間停止に所有者設定付き?!
それって、国宝級・・・いえ、伝説級じゃないですか!」
「そ、そうなの? 俺にはよく分からないけど・・・」
「凄いのよおー! 私もいっぱい入れてるけど、まだまだ余裕あるもん!!」
「え? コレ・・・僕に?」
「うん! そうだよ!
俺達パーティーは、同じマジック・バッグが証みたいなものだ」
「!・・・ありがとう」
「ふふふ じゃあ、早速『所有者設定』しましょ!」
「あ、うん で、所有者設定って、どうやるの?」
「うん! ただ手で触れて、『私のモノ』って話すだけだよ!」
「それでけでいいの?!」
「「うん!」」
クレオは、トロから貰ったマジック・バッグに、『所有者設定』を施した。
その瞬間! マジック・バッグがピカリと光り、目の前にAR表示でマジック・バッグの収納内容を示したパネルが現れた!
そしてそのパネルには・・・
■━━━━━━━━━━━━━━━■
・⋯━☞マジック・バッグ☜━⋯・
■━━━━━━━━━━━━━━━■
・⋯━━☆★☆━━⋯・
所有者
クレオ
・⋯━━☆★☆━━⋯・
内容量使用量
1%以外
・⋯━━☆★☆━━⋯・
収納物
【ハイ・ポーション×99】【マジック・ポーション×99】【復活の魔晶石×2】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
本体属性
【時間停止機能】【所有者設定】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
■━━━━━━━━━━━━━━━■
「わあ! コレ・・・凄いよ!!
ハイ・ポーションに、ハイ・マジックポーションに、復活の魔晶石まで入ってる!!」
「ふふん! まあね!
今なら、お仲間価格でお求めやすくなっておりまして・・・」
「ええっ?! お金取るの?!」
「あははっ! 冗談!冗談! 大事に使ってくれよ?」
「ありがとう!! 本当にありがとう!!
やった! 嬉しい! うれ・・・嬉しいよお・・・あうう」
「「?!・・・」」
「ううう・・・グスン!」
「な、なんだよ? 泣くほどの事かぁ?」
「だって・・・今迄こんなに優しくしてくれた人なんて居なかったから・・・」
「「!!・・・」」
「利用するだけ利用して、最後にポイ!だもん」
「「・・・・・・」」
今、そんなクレオを見て、かつてのクレオのパーティーメンバー達が、クレオにどんな仕打ちをしてきたのか、聞かなくても最悪なものだと嫌でも理解した。
辛かっただろう・・・悲しかっただろう・・・悔しかっただろう・・・認めて欲しかっただろう・・・
だが、今の君を見ている奴は、今ここに居るぞ!
今の君を認めている奴は、今ここに居るぞ!
今の君の本当の仲間は、今ここに居るぞ!
だからもう、君は1人じゃない。
俺達が居るから!
トロは、そう心の中でクレオに伝えると、自然とクレオを抱きしめていた。
「な、何を?!」
「大丈夫だ! 俺達は仲間だ!」
「私も仲間だよ!」
「ありがとう・・・ありがとお━━━!!」
「あはっ! クレオ、そんなに力を入れたら痛いって(汗)」
「うわあ━━━ん!! うわあああああ━━━ん!!」
「・・・」
「うんうん 泣け! 思い切りいっぱい泣け!
クレオ、お前のその涙が俺達の仲間になった祝福の盃の酒だ!!」
「「はあ?」」
「あ、いや・・・今のは・・・特に意味は・・・」
「なんだか分かんないけど、お酒がなんで出てくるの?
せっかく途中までいい感じだったのに!」
「ごめんよぉ~~~(汗)
俺、雰囲気を壊すつもりじゃなかったんだけど(泣)
なんか気の利いた言葉をかけようと無理矢理ひねり出したら、こんな言葉しか出てこなくって(汗)」
「そうなんだ? なら、何も言わない方が良かったわね!」
「ががががぁ~~~~~~ん!!」
今度はトロが、膝から崩れ落ちた。
「「あはははははははっ!!」」
「なん?! なんだよ笑うなぁ!!
俺だって必死に考えて考えて、若い子に合わせて話してんのに!」
「あれ? でも今のトロさんは若い女の子だよねえ?」
「はん?! おん、女?!・・・あ、そうか
今の俺は女の子だったっけ・・・」
「ねえねえ! どうしてオジサンに変身していたの?!」
「はっ?! いやいや!
オジサンに変身するんじゃなくって、俺は元々オジサンなの!」
「へっ?・・・・・・えええええ━━━?!」
「「?!・・・」」
「じゃ、じゃあトロさんは変態なの?!」
「ずがががががが━━━━━━ん!!」
ビタ━━━ン!!
「トロ!!「トロさん?!」
「「「ご主人様あっ?!」」」
トロは心に、痛恨の一撃を食らって、ぶっ倒れた!!
ナディーは、トロの事についてクレオに話してあげた。
実はトロは、メルセンベルグ国王に勇者召喚された1人だと言うこと。
だがトロは本当の勇者ではなく、勇者召喚に巻き込まれた、そこらに普通に転がってる石みたいな、何の変哲もないただのオッサンだったと言うこと。
そのためトロには、勇者としての優れた戦闘能力や魔法やスキルが無かったこと。
そしてトロは、メルセンベルグ国王の者に、巻き込まれたとは言え、勇者召喚で召喚された1人だと知られないように、またバレないようにと、『変身魔法』で女の子に変身していたこと。
それが災いしたのか、この世界に来てからというもの、女の子に変身している時間の方が長くなり過ぎて、ステータスの性別が『女』に定着してしまったこと。
それを知ったクレオは、トロの本質は女だと知り、トロの事がますます好きになってしまったと言う。
女の子のトロの事を。
ふと気が付くとトロは、なぜだかクレオに膝枕されてた。
「はっ!!・・・なんだ??? あれれ?」
「ん? 目が覚めたみたいね!」
「あ! 気が付きましたか?」
「へ?・・・・・・なんで天井が見えて・・・って!
うおおおおおおおおお━━━い!!
なんで俺がクレオの膝枕で寝てんだよ?!」
「いや、何となく?」
「何となくじゃねえよぉ!!
野郎に膝枕されても嬉しくねぇーよ!!」
「んがうっ!!・・・」
ピシャーン!
今度はクレオがトロの言葉に、痛恨の一撃を食らった!
クレオの頭に雷が落ちたほどの衝撃だった・・・
「ど・・・どうせ、僕なんか・・・」
「お、おい・・・泣くな(汗)」
「あううう~~~! えうううう~~~ん!」
「あうわわわわわわっ! ど、どうしよう? ナディー!!」
「はあ・・・もう~~~面倒くさい人達ねえ!」
「面倒くさいって・・・(困)
男に泣かれた女の子って、こんな時どうすりゃいいのよ?」
「知らないわよ! そんなこと!!」
「あははっ ですよねぇ~~~(汗)
この絵面、普通は逆だもんなぁ?」
「とにかく! 今、分かってる事は、泣いている場合じゃないって事!」
「あ! そうだね!
俺達がここへ来たのは、行方不明のパーティーの捜索だったね!」
「そーゆーこと!
じゃあ、クレオ君を泣き止ませて!」
「え”っ!? 俺が?」
「だって、クレオ君を泣かせたのはトロでしょ?」
「ええ~~~?! そりゃないよぉ!
助けてくれよお! なあ? ナディー!
俺、泣いてる子を慰める方法なんて分かんないしさあ!」
「私だって、男の子が泣いてるとき、どうすればいいのかなんて知らないわよ!
第一、女の子の友達だって私には1人も・・・・・・」
「・・・・・・へ?」
ありゃりゃ・・・
友達居ないのかナディー?!
こっちはこっちで、色々と事情がありそうで・・・
でも、男だからとか、女だからとかって、考えれば考えるほど、俺はどっちで考え悩めば良いのか?
不本意ながら、女の子で居るのも悪くないというか、慣れてきてしまっているし。
むしろ、オッサンの姿で居る方が居心地が悪いくらいだ。
でもそれは、女の子で居る方がみんな仲良くしてくれるからで。
それが、『女の子だからみんな優しくしてくれる』と解っているからであって、けっしてオッサンの俺が受け入れてくれてもらえた訳ではなくて・・・
日本で暮らしていた時は、もはや家族とは言えない奴らに何から何まで邪魔されていたし、職場はブラックで俺は馬や犬みたいに扱き使われる絵に描いたような社畜生活。
奴らに良いように使われて人生棒に振るくらいなら、自ら人生に終止符を打つのもいいかと思っていたくらいで、人との付き合いの煩わしさや面倒な駆け引きにも愛想が尽きて、仕事も辞めて1人で生きるしかなかった。
ところが、突然そんな生活も、テレビのチャンネルを変えるみたいに180度ガラッと変わってしまい、何の因果かあんなに人に関わるな事んて面倒で嫌だったのに、今はこうして楽しく人と付き合い始めて・・・
今のこんな環境にも、この子達と関わるのも何となく慣れてきて、なんだかいいな・・・
なんて思ってきたと言うのに、また人との付き合いが面倒になってきた。
我ながら、なんて身勝手な奴だ!・・・と思う。
これって、俺が1番面倒臭い奴なのかも知れないな・・・
こんな俺なんかが、この子達の傍に居て良いのだろうか?
やっぱり俺は、1人で居るべきなのではないだろうか?
いや、そもそもある程度この子達が独り立ちできるレベルになれば、俺はこの子達から離れるつもりだったし。
ははっ・・・今更だな。
それなら、この子達が独り立ちできるまでは、俺は精一杯この子達に尽くせばいい。
それが今の俺の答えだ。 いや、目標だな。
だったら、自己趣味に走るのも良いかも?
俺は密かに、作っていた物がある。
「なあ、お前達?」
「なに?「なんですか?」
「これ・・・使ってみないか?」
「「それは?」」
トロがマジック・バッグから取り出したのは、何の変哲もない『着替え玉』だった。
近頃ムトランティアで流行っている『着替え用の魔導具』で、身体のどこでもポン!と当てるだけで、着替え玉にセットしていた服や装備に一瞬で着替えられると言うとても便利な魔導具だった。
だが! トロの持つモノは、ただの着替え玉ではない。
その名も!『美少女戦隊マジカル・マージ!』に変身する着替え玉なのだ!!
『ネーミングださっ!』と思うだろうが、俺は命名センスが無いのだから仕方がない!
それはそれとして、この着替え玉で変身すると、誰でも魔法少女の様な戦闘ドレス姿の『美少女戦隊マジカル・マージ』に変身できるのだ!
しかも、戦闘ドレスにはチートな能力が付与されている。
戦闘ドレスの着替え玉は幾つか作っているが、各々の魔法属性は違うものの、基本的にはどれも同じ能力を付与した。
ドレス本体、グローブ、ブーツ、ティアラなどに付与した。
『身体能力+10000%』
『物理攻撃耐性Lv5』
『魔法攻撃耐性Lv5』
『地水火風何れかの属性上級魔法』
『地水火風何れかの属性上級防御魔法』
『上級回復魔法』
『飛行魔法』
『異空間収納魔法』
『鑑定スキル』
『索敵スキル』
『身体能力+10000%』とは、ズバリ100倍である。
つまり、普段10kgの物を持ち上げられるなら、変身すれば100倍の1000kg(1トン)の物を持ち上げられる訳だ。
軽い軽自動車なら、頑張れば1人で持ち上げられる事になる。
物理・魔法攻撃耐性Lv5とは、約50%の衝撃を吸収するので、かなりのダメージ軽減という事になる。
でも、殴られれば痛いのは痛いが・・・
さらに! マジカル・マージには、各属性のドラゴン的?な身体能力も付与せれる!
『マージ』とは、『融合・結合』を意味する。
また、身体のサイズに合わせて伸縮自在なので、サイズを気にする必要は無い。
地属性は、エンシェント・アース・ドラゴン(古代地竜)。
地竜のような太くガッチリした角と太い尻尾と緑色の翼が生え空を飛び、驚異的な耐久力があり、竜族の中で最も強い力と防御力を誇り、耳と鼻が効く。
全体的に緑のコスチュームに緑のマスクだ。
水属性は、水神リバイアサン(水神竜)。
水竜のサンゴの様な角と水色の大蛇のような尻尾と水色の翼が生え空を飛び、背中には翼のように大きなエラが生え空を飛び、泳ぎが得意で、超音波による危険察知能力が高い。
全体的に青いコスチュームに青いマスクだ。
火属性は、エンシェント・ファイヤドラゴン(古代火竜)。
火竜のような炎を思わせる赤い角と尻尾と赤い翼が生え空を飛び、火に強く驚異的な防御力を誇り、炎系の範囲攻撃を得意とする。
全体的に赤いコスチュームに赤いマスクだ。
風属性は、エンシェント・ウインドドラゴン(古代風竜)。
風竜のようなしなやかな細い角と尻尾と水色の翼が生え空を飛び、美しい歌声により敵の全ステータスを低下させ、味方の全ステータスを大幅に向上させる。
全体的に水色のコスチューム水色のマスクだ。
雷属性は、エンシェント・サンダードラゴン(古代雷竜)。
雷竜のような稲妻を思わせる黄色い角と尻尾と黄色い翼が生え空を飛び、雷を放ち広範囲の攻撃ができ、一定時間スタン状態にさせる。
全体的に黄色いコスチュームに黄色のマスクだ。
ハッキリ言って、やり過ぎたとは思う。
でも、出来てしまったのだから仕方がない!
だが、あまりのチート能力なので、身体への負担が大きく、変身を解いた時には、プールから出た時のような身体が重く怠くなるような強烈な感覚に襲われる。
そのため30分だけ変身できるように設定し、変身を解いたらクールタイムで最低5分間は身体を休ませなければならない。
それは、チート能力を発揮するための魔力の、自己回復時間も考慮しての時間だ。
略々、約5分で魔力は満タンにまで回復する。
そして、変身中に残り時間が1分を切ったら、ピー!ピー!と警告音が鳴るようにも設定した。
いろいろと制限や制約はあるが、どんなヒーローやヒロインでも、なにかと制約があるものだ。
それでも試してみたくて仕方がない!
なぜ、そんなヤバいものを物を作ったかって?
だってコレ、俺の趣味だからっっっ!!
俺は、オタクとまでは自分では思ってないが、限りなくオタクに近いかも知れない?
カメラを首にぶら下げて、美少女コスプレイヤーを追いかけ回す方ではなく、どちらかと言えば室内で美少女フィギャアを着替えさせて見て楽しむ方だ。
ナディーと出会って、ナディーをコスプレさせてみたい♡
なんて思っていたが、自分でもコスってみたくなった!
この世界へ来て女の子に変身してから、目覚めてしまったようだ。
それに、ここは日本ではない。
この世界の全ての人々は、日本人の俺にとって見たらパリッパリのコスプレイヤーみたいなものだし、現に今俺自身もコスってるみたいなものだし、そんな中で俺が何時何処でどんな格好をしたって平気って訳だ。
だったら、思い切り楽しんでやる!!
「これは、すんごく強いスーパーガールに変身する着替え玉だよ!」
「「すごく強いスーパーガール?!」」
「そうだ! 強くなるだけじゃないぞ?
魔法だって、使えるようになるんだぞ!
ただ、最長30分しか変身できないけどね!
変身を解いたら、クールタイムで10分間は変身できないが」
「わあ~~~! 欲しい!!」
「僕も欲しい! それ、くれるんですか?!」
「ああ! 好きな魔法属性のを選んでくれ!
褐色は土属性で、青が水属性で、赤は火属性で、水色が風属性で、黄色が雷属性だ!」
「「おおお~~~!!」」
おおっと?! 意外と好感触だぞ?
魔法属性は、全属性を使えるようにしても良かったのだが、そこはやっぱり戦隊なので、一人一人に違った魔法属性を与えて、仲間達で力を合わせて全属性を!みたいな感じでやりたい!
結局選んだのは、トロが火属性、ナディーが水属性、クレオが風属性を選んだ。
残りの土属性と雷属性は、まだ使用者は居ない。
なのでもう2人誰か仲間を集めたいと思っている。
ま、その内できるだろう。
・⋯━☞変身してみた☜━⋯・
「えっ?! すごぉい! 翼も尻尾も自分の意思で動かせるのね!」
「そうだ! 初めての感覚だから、最初は思い通りに動かすのは難しいかも知れないが、そこはまあ慣れだな」
「へえ~~~「ふう~~~ん」
そうなのだ
トロは自分で何度か試していて少しは慣れたが、背中の翼とお尻の尻尾は今まで感じたことの無い感覚なので、思い通りに動かせるようになるまでは、結構な慣れが必要だ。
また、変身を解いたすぐ後でも、まだ背中の翼とお尻の尻尾がまだ残っているようで、妙な感覚だが。
「ねぇ、どう? ねぇねぇ、どうかしら?」
「なかなか可愛いぞ!」
「うんうん! とっても可愛いです!」
「うふふ ありがと♪
でも、トロもクレオもとっても可愛いわよ!」
「えっ?!・・・」
キョトンとするクレオ。
「「ん?・・・」」
???になるトロとナディー。
「どうした? クレオ」
「えっと・・・あの・・・僕、もしかして女の子になってます?」
「「うんうん!」」
「はえっ?!・・・ええええ~~~!!」
「「?!・・・」」
当然ながら、クレオは驚いた!
『美少女戦隊』に変身すると言われて何となく察してはいたが、やっぱり女の子に変身していたのかと。
なぜかとトロに聞くが・・・
「ちょっと待ってください!
な、なんで女の子に変身するんですかあ!!」
「俺の趣味だ!」
「しゅ、趣味?! ふあい?!」
「クレオ・・・諦めなさい トロは、こういう人なの!」
「はあい?! 意味分かりませんってえ!!」
「うむ 諦めろ!
うんと強くなるんだから、悪くはないだろ?」
「『美少女戦隊』なんだから、当たり前でしょ?」
「そ、それは・・・そうなんですけど(汗)」
女の子に変身したクレオは、とても可愛かった。
もともと背が低かったのもあるが、3人の内で1番身体が小さく、美少女戦隊とはいえ守ってやりたくなる存在だった。
「でも僕なんかよりもトロさんの方が、めちゃくちゃ可愛いですよ!!」
「ふぁい?! な、なん、何を言ってんだ!
こ、こん見えても俺は50過ぎのオッサンだぞ?」
「知ってますよ!
でもやっぱり、女の子のトロさんの方が絶対いいと思います!!」
「大人をからかうんじゃないよ!
身体は女の子になっても、頭の中は50過ぎのオッサンのまんままなんだ!
『可愛い』なんて言われても嬉しくないんだからな!」
「そーゆーのを、『ツンデレ』って言うんだっけ?」
「ちがあ━━━うっ!!」
「そう・・・ですか?
でも、顔真っ赤になってるし、満更でもなさそうだけど?」
「ちょっ・・・(焦)」
「うんうん! トロってね、女の子になっても強くて頼り甲斐があるの!
そんじゃそこらの貴族にだって負けないんだから!」
「それはまあ・・・うん、その、なんだ・・・(汗)」
「本当ですか?! 凄いですぅ!
これからもトロさんについて行きます!!」
「!!・・・・・・な、なんだか複雑だな(汗)
力のある男の大人の俺よりも、力の無いこんな少女の俺に魅了されるなんてな・・・
って言うか、話しが全然噛み合ってないし!
まあ、いいさ! 好きにしてくれ!」
「ぷぷぷ・・・(笑)」
トロは、当てが外れた気分だった。
ナディーとクレオの美少女戦隊姿を見て楽しむつもりが、自分も美少女戦隊に変身したせいで、逆に2人を楽しませている?
どうも日本とこのムトランティアとでは、人々の全体的な趣味趣向が違うようだ。
常識や固定概念や既成概念が違うのだから仕方ないのか?
でもまあ、オッサンだからと、美少女趣味を軽蔑されたり無視されたりする事が無いのは有難い。
『美少女趣味』とは、単純に美少女が好きなだけなのではなく、『2次元美少女』や、『コスプレ美少女』や、『フィギュア美少女』など、【美少女】と名の付くもの全般的が好きなのである。(トロ的主観)
これは、美少女趣味に何の隔たりも嫌悪感も無いこの世界では、自己趣味に走る事に何の引け目を感じる事も遠慮もなくできるって事。
うん! すんばらしきこの世界!!
トロは、益々楽しくなってきたのだった。
それより今は、クレオの『催眠術』の威力を知りたい。
なのにナディーとクレオは、俺の美少女戦隊姿ばかり気にかける。
ちと、失敗したかな・・・
と、自らのやらかし具合に失望したのだった・・・(汗)
美少女戦隊マジカル・マージ!
動物と融合して強くなれ!
なんて事になってしまいました(汗)




