第23話 「チート」
・⋯━☞夕方☜━⋯・
••✼••トスター伯爵屋敷門前••✼••
「えええ~~~!! せっかく来たのにぃ!!」
「申し訳ありません
伯爵様との謁見には、ご予約頂かないと・・・」
「うぬぬ・・・
で!予約って何処で取ればいいんだ?」
「はい 前回と同様に冒険者ギルドにて、申請頂ければと思います
申し訳ありませんが、伯爵様からのお呼びがかかるまで、どうかお気長にお待ちください」
「ぐぬぬぬ・・・仕方ない 出直すか
今回は、宿屋から出るなとは言わないよな?」
「はい それは無いかと」
「くっ! 仕方ないな 解りました
では、伯爵家からお呼びがあれば、冒険者ギルドに連絡くださいね?」
「承りました!」
なるほど・・・
冒険者の街だけあって、トスター伯爵への窓口は冒険者ギルドてか。
「ご主人様、どうしました?」
「また、暫く待っててくれってさ
まったく、お貴族様って奴らは・・・ブツブツ」
「「殺りますか?」」
「いやいやっ! 待て待てっ!!
その一々物騒な思考はやめろ!
お前達だってそうだろう?
お楽しみ中(?)に、突然約束もなしに誰かがやって来て邪魔されたりしたら、迷惑なんてもんじゃないだろう?」
「「!!・・・確かに」」
妙に納得するロンデルとロプロプ。
「・・・???」
訳ワカメなロキシー。
「ま、そういう事だから、今夜は宿屋に泊まろう」
「解りました! では、宿屋でご主人様を頂くとしましょう!」
「なっ?! 何を・・・」
「それは良いですな! ならば、宿屋へ急ぐとしましようぞ!」
「ほいさ!「はいさ!」
いきなりトロを抱え上げるロンデルとロプロプ。
「いやあぁあぁあぁあぁ~~~やめてぇえぇ!!」
「善は急げだよねロプロプ!」
「まったくですな!」
「いやいやいや、待て待て待てぇっ!
トスターの宿屋には、他の泊まり客達が大勢居るんだ!
そんな場所で、俺を食ったりなどしたら、声や騒音でバレバレだぞ!」
「それが何か問題でも?」
「問題大ありだよ!!」
「なんで?「何故?」
「・・・・・・解れよ(汗)」
なんなんだコイツら?
魔獣には、羞恥心たるものは存在しないのか?
いや、ある訳無いか。
魔獣には魔獣の常識というか既成概念というか、そんなものを人と比べること自体が間違っているか。
などと考えていたら・・・
「それより、ご主人様!」
「ん? なんだロンデル?」
「私、知ってるんですよ?」
「んん? 何がだよ?」
「ご主人様が、密かに【防音結界】なる新しいスキルを持っている事を!」
「んなっ?!」
「なんですと?! それは誠であるかロンデル殿!」
「本当ですよ!」
「ちょっ・・・ちょとまっ・・・」
そうなのだ。
トロは、ロンデルとロプロプがトロを食べるとき、あまりにも激しいので、他人に迷惑をかけないようにというか、聞かれると恥ずかしいと言うのが大きいのだが、以前から作っていた新しいスキルだったのだが・・・
ただ、そんなスキルを知られたら、自分自身も食われる事に満更でもないと思われるのが嫌で・・・
「ほおおおっ! それは良いですな!」
「そうですよ!! そこまでして私達の事を・・・
嗚呼、ご主人様っ! やる気満々ではないですか!」
「・・・・・・???」
トロ達の会話が理解出来ず、常に???のロキシー。
「いや、ちょっと待てっ! 待ってくれって!
そうじゃない! そうじゃないんだよ!
いや、そうなのか? って、何言ってんだ俺?
そっ、そうだ! お前達2人に贈り物があるんだよ!」
「「贈り物?!」」
「ええ~~~いいなぁ?」
ロンデルとロプロプは、「贈り物」の言葉に強く反応した!
これは、イケるかも?!
トロは、マジック・バッグから、2つの素朴なデザインのシルバーリングを取り出した。
「コレだよ!」
「「ほおお・・・」」
「コレは、何ですか?」
「何か、付与されているようですが、私の鑑定スキルでは読み取れませんな?」
「まあね でも、コレは俺にとって、とっても嬉しい結果が得られるんだよ」
「ほほお? ご主人様にとって、とっても嬉しい結果ですか・・・」
「その、結果とは?」
「いや、それはまあ内緒だよ
でも確実に、俺にとっては嬉しい結果が得られる」
「なるほど・・・ご主人様にとって嬉しい事ならば、私にとっても嬉しい事ですね!」
「だろう?」
「ううむ・・・・・・」
ロンデルは、脈ありげな反応を示したが、ロプロプは疑いに満ちた眼差しで俺を見ていた。
コイツ・・・怪しんでるな?
実はこのリングには、ロンデルとロプロプの【変化】スキルを封印する効果を付与しているのだ。
しかも! トロ以外は着脱不可とし、【隠蔽】スキルで、鑑定でもその効果を見れないように施してある。
★シルバーリングUUU(トロ以外着脱不可(隠蔽(変化封印)))
名付けて、「変化封印リング」だ!!
「ほら! 着けてやろう」
「はい では・・・お願いします」
トロは、ロンデルの中指に、リングを指に着けてやった。
「ううむ・・・・・・」
そして、ロプロプにも、リングを中指に着けてやったた。
「ご主人様! 私も欲しいです!」
「え? ああ、そうか?
でも、今のお前には必要ない物だから・・・」
「そう・・・ですか 残念です」
「・・・・・・」
ロキシーは、酷く残念そうだったが、素直に今回は諦めてくれたようだ。
ふふふふふ・・・バカめ!
まんまんと俺の策にハマりよったわ!
ふはははははっ!
これでお前達は、今の美少女の姿から変化はできなくなったのだ!
女の身体では、もう俺を襲う事などできまい?
今のお前達ならば、魔獣の姿に変化しなくても、十二分に強いので、何も問題などない!!
トロは、ほくそ笑んでいた。
••✼••トスター宿屋の一室••✼••
「さあ、今回はトスター伯爵からのお呼びがかかるまで、宿屋から出てはいけないという制約は無いから、暫くは自由に行動できるぞ!」
「そうですね「そうですな「分かりました!」
「とにかく、今日はもう寝ようぜ!」
「そうはいきませんよ!!「そうはいきませんぞ!!」
「はあっ?! なんでだよ!!」
分からない振りのトロ。
「判ってるくせに!」
「だ、だから、なにがだよ?」
「では、頂きますか!」
「ちょっと・・・」
「ですな!!」
「ちょっと、待てって!
今日は、そうはいかないぞ!!」
「なんでですか?「なぜです?」
「ふふふん だって、もう今のお前達は、男には変化できないのだからな!!」
「「・・・・・・」」
何を思ったのか、トロは自ら服を脱ぎ捨てて真っ裸になって、仁王立ちでこう言った!
「わっはっはっ!! ざまーみろっ!!
もう、お前達の好きにはさせないぞ!
もう、お前達は男には変化できない!
どうだ!! もう、俺を食えないだろー!!
食えるものなら食ってみろっ!!
あ━━━っはっはっはっは!!」
「「・・・・・・」」
「・・・???」
トロは、勝ち誇ったかのように、高笑いをした。
だがロンデルとロプロプは、眠そうな表情で、トロを無言でただ見詰めるだけ。
その様子は、何を考えているのか解らず、不気味でさえあった。
「なんだよ・・・なんとか言えっ!」
「ご主人様、考えが甘いですよ!」
「へっ?!」
「そうですぞ! 実に甘いですな!
正直、見損ないましたぞ!!」
「なんだ?! 何がどう甘いんだよ?
いったい、何だってんだよ!!」
「ご主人様は、私達が男に変化できないから、今の私達には何もできないと思っているようですね?」
「はえっ?! そ、そりゃあできないだろ!
交尾というものはだなぁ・・・あ」
「ふふん! 気付いたようですな!」
「だね!」
「・・・・・・(汗)」
「・・・???」
この時! トロは気付いてしまった。
行為とは、人は女同士でもする場合があると。
勿論、詳しくは知らない。
世の中、男同士で、そして女同士での行為に至る場合があると。
まさかロンデルとロプロプは、そんな行為に走るつもりなのか?
つまりそれは、百合か?! 百合なのか?!
ってか、それは人間に限った事であり、魔獣のロンデルとロプロプに、そんな方法や概念を知っているなんて考えられない。
じゃあ・・・なんだと言うのだ?
「ち、違うよなぁ? 今の俺達は女同士なんだから、し、しないよなぁ? できないよなぁ?」
「「さあ~~~?」」
「!?・・・なんだその手は!!」
ロンデルとロプロプは、毎度お馴染みの、行為を始める前のルーティーンとも言うべき行動をする。
両手を前に出し、手の平をグーパーグーパーする。
トロは、毎度のごとく、後退りする。
そこへ・・・
「ロキシー! ご主人様の手足を掴んでくれ!」
「えっ?! あ、はい!!」
ポン!
「うわああっ!! なんだそりゃあ?!
ロキシー! なんだその手は?!」
なんと!!
ロキシーは、腰の辺りからも腕を生やして、4本の腕でトロの手足を掴む!
「うわあああ━━━!! やめろーロキシー!!」
バフッ!
「くきゃ!! なっ、なんっ?!」
ロキシーは、両腕でトロの両手を掴み、新しく生やした腕で両足を掴み、ベッドの上にトロにのしかかるように倒れ込んだ!
「よおーし! よくやったロキシー!」
「でかしたロキシー殿!」
「えへへ♪」
「ううう~~~ん! 動けなあい!!」
トロはロキシーに、4本の腕で完全に身動きが取れないように、ベッドの上に乗り押さえされた!
まだ若いとはいえ、生身の人間のトロには、人型とは言え魔獣のロキシーの力には抗えない!
そして・・・
「きゃあぁあぁあぁあぁ~~~!!
もう勘弁してぇえぇえぇ~~~!!」
結局、今夜もトロは、ロンデルとロプロプに食われました。
しかも、女のロンデルとロプロプに・・・
・⋯━☞翌朝☜━⋯・
「すんすん・・・すんすん・・・・・・」
「どうでしたかご主人様?」
「どうって、何がだよ・・・あうう」
「なかなかの良い声を出していたようですが?」
「うるさい! この変態! ケダモノ!!」
「「ケダモノですがなにか?」」
「もういい・・・すんすん」
「あれ? ご主人様、拗ねちゃった」
「拗ねちゃいまいたな」
「ふい~~~ん ご主人様あ?」
トロは、まさかロンデルとロプロプが、女のまんまで行為に及ぶとは思わなかった。
男にさえ変化できなければ、もう襲われる事はないと思っていたのに・・・
こんな事や・・・あんな事や・・・
そんな事までぇ~~~!!
むっきゃ━━━!!
「どうしました、ご主人様?」
「やっぱり、物足りないと?」
「うるせぇーよ!! まったくぅ!!
モジモジモジモジさせやがってぇ!!
イキそうで、イカせてくれなくて・・・
いったい何がしたいんだ!!
もう、切なくて切なくて、堪んねぇよおっ!!
こんな事なら、普通に男のお前達に食われた方がまだマシだったわ!!」
女のまんまんロンデルとロプロプは、トロにいったいどんな行為に・・・
それは、ご想像に、お任せします・・・
ロキシーは、すぐ横で、ただただ呆然。
従魔とはいえ、まだ子供のロキシーには、主人や先輩従魔達が、何をしているのか理解できないでいた。
いや、理解しなくていい。 理解しない方がいい。
頼むっ! 忘れてくれ~~~
今回のロンデルとロプロプの行為は、3人揃って不完全燃焼で終わった・・・
「ロンデル! ロプロプ!」
「「はい! ご主人様!」」
「手を出せ!」
「「?!・・・はい」」
「こんなもの!! こんなものぉー!!」
「「えっ?!」」
トロは、ロンデルとロプロプの指から、リングを抜き取った!
「あの・・・よろしいのですか?」
「ああ こんなモノ、無い方がマシだ!」
「そうですか・・・」
「でしょうな」
「くっ!・・・殺せっ!」
ロンデルとロプロプは、いやらしくニヤリと笑った。
トロは、そんなロンデルとロプロプを見て、悔しそうにリングをマジック・バッグに投げ入れた!
頬を赤らめて・・・
女のまんまなら何もできまいと思っていたのに、逆に中途半端な結果となり、これ程までに焦らされ、淫乱めいた感情が湧くとは・・・
失敗だった・・・・・・
••✼••トスター宿屋受付••✼••
「おはようございます トロさん」
「ああ、おはよう
俺宛に、冒険者ギルドから何か使いなど来ていないかい?」
「いえ、今の所何もありませんが」
「そうか・・・昨日の今日だしな ありがとう」
「いえ」
どうせまた何日も待たさせるのだろう。
ならいい。 だったら、それまでは好き勝手にさせてもらう。
先ずは、冒険者ギルドへ行き、昨日狩ったツノエリケラトプスを16体降ろす。
1体分は、自分達が食べる分はとして残しておく。
ツノエリケラトプス1体は、50万Tiaで買い取ってもらえた。
ツノエリケラトプスの討伐依頼は受けていなかったので、素材としての報酬だけだったが、全部で800万Tiaとなった。
また、2度死んでしまって、2億4千万Tiaも教会で支払ってしまったので、またいつ死んで良いように(?)と、今のうちに稼いでおかないとな。
トロは、トスター冒険者ギルドのプライベート・ルームにて、「攻撃速度+50%」付きの「ショート・ソード」が生る豆の種を生成。
その豆を、プランターにて栽培し、【ショート・ソード(攻撃速度+50%)】が、30本生成できた!
今までの経験で、スキルや魔法が付与された武具などは、シングル・ユニークしかできなかった。
だが逆に言えば、どんなシングル・ユニークでも豆生成で作れるということだ。
それらの【ショート・ソード(攻撃速度+50%)】に、さらに付与魔法で、「水、火、風」属性を付与させて、【ショート・ソード(攻撃速度+50%)+(火属性)】などのダブル・ユニークのショート・ソードを10本ずつ生成した。
そして、そのダブル・ユニークのショート・ソードを、以前から世話になっていた商人に売りさばく。
この世界では、「ダブル・ユニーク」とは珍しいモノで、かなりの高値で取り引きされる。
トリプル・ユニークともなれば、国宝級として、物によっては単品で1億を超えるものさえある。
ダブル・ユニークのショート・ソードは、1本2千万Tiaで買い取ってもらえた。
それをまた商人は、2倍近くの値で売るのだ。
なので、全部で6億Tiaともなった!
トロはホクホク!
商人もホクホクで、ウインウイン!
これで金の心配は無くなった。
その後、ポーションが生る豆の種を生成。
その種をプランターにて栽培すると、ガラスの小瓶入のポーションが、40本も出来がった。
なぜ、ガラスの小瓶入でできるのかは、未だに不明。
我ながら、なんとも不可思議でチートな能力だ。
トロの作ったポーションの効果は、魔女が精製したとされる「ハイ・ポーション」並である。
初めは、【ポーション精製】のスキルでも作ろうかとも思ったのだが、そんなスキルが無くてもポーションは作れるのだから、必要ないと思った。
••✼••冒険者ギルド••✼••
「こんにちわ!」
「こんにちは、トロさん
本日は、どのようなご要件でしょうか?」
「はい 実は昨日、新しい従魔をテイムしたので、登録をお願いしに来ました!」
「従魔をテイム・・・ですか?
その従魔とは・・・?」
「あ、はい! この娘です!
魔獣は、エルダー・ロック・ゴーレムです」
「えへへ・・・」
「・・・はぁい?」
受付嬢は、ロキシーを見て苦笑いをする。
それも仕方ないと思う。
なにせ今のロキシーの姿は、見た目は小学生の女の子くらいにしか見えないのだから。
実年齢も5歳だからな・・・
「あ、あの・・・トロさん?
本当に、その女の子が、エルダー・ロック・ゴーレムなのですか?」
「はい そうですよ!
ロキシー 変化を解いてやって見せてくれ」
「わかりましたぁ!!」
ポン!
「きゃあああ~~~!!」
「「「「うわあああああ~~~!!」」」」
「やっぱり、こうなるよな・・・(汗)」
「・・・(汗)」
頭ポリポリのロキシー。
ロキシーは、変化を解いて、体高4mのエルダー・ロック・ゴーレムに姿を変える!
可愛らしいメイド姿の女の子が、巨大なゴーレムに変化したのだから、冒険者ギルドは大騒ぎである。
しかし、ゴーレム姿のロキシーは表情が読めないので、見た目とは裏腹に、ミスマッチな少女みたいな可愛らしい声がなんともはや・・・(汗)
その後は、冒険者ギルド長の権限で、ロキシーは特別に「オパール級冒険者」となった。
■===========■
・⋯━☞STATUS☜━⋯・
■===========■
名前 ロキシー
性別 雌
年齢 5
種族 ゴーレム (エルダー・ロック・ゴーレム)
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状態
【健康】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
LV 203
HP 4997
MP 303
STR 253
ATK 258
DEF 1998
DEX 208
INT 24
MAT 208
SPD 208
LUK 71
EXP 1014403
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得魔法
【自己再生魔法Lv2】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
習得スキル
【威嚇Lv2】【体当たりLv2】【変化Lv3】【ボディー・ロックLv4】【ぶん殴りLv4】【持久走Lv4】【岩石生成Lv2】【投石Lv2】【子ゴーレム生成Lv4】【言語識字理解Lv2】【思念伝達Lv2】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
称号
【賢者トロの従魔】【オパール級冒険者】
・⋯━━☆★☆━━⋯・
■===========■
突然膝をつき、土下座姿勢に崩れ落ちるトロ。
「ゔゔゔゔゔ~~~・・・(悲)」
「どうしましたか、ご主人様?」
「何やら、落ち込んでいるようですな?」
「ご主人様、悲しいの?」
「ええ? ああ、まあ、なんと言うか・・・
俺ってば、ロキシーよりもずっとレベルは高いのに、そんなロキシーよりも、めちゃくちゃ弱いのが情けなくてね・・・」
「それは確かに、魔獣と人と比べると・・・」
「人間は脆弱ですからな!」
「いやいやいや! 確かに俺は脆弱な人間だけど、いくらなんでもレベルの割にはステータスが弱すぎるだろ?!」
「「ううむ・・・」」
これは仕方がないのだ。
元々テイマーとは、従魔に戦わせるのが戦闘スタイルであるため、弱くても仕方ないのだ。
中には、力を上げまくって、鈍器で殴る「殴りテイマ」なんて呼ばれる奴らが居るらしいが、トロは異世界人なので、この世界のテイマーの様に、レベルアップと共に任意のステータス・ポイントを上げられるシステムではない。
トロは召喚された異世界人なので、仕様が違うのだろう。
それにしても、トロは特別弱いように見える。
恐らく、召喚者の特権というべきか、トロの場合は【種生成】のユニーク・スキルがあるためだと思われる。
要は、この世界のバランスが崩されないように、異世界チートは召喚者に1つか2つだけって事か?
俺にはユニーク・スキルに、【種生成】と、【異空間収納】がある。
まあ、【異空間収納】は、召喚者とバレないように、人前ではあまり使ってないけど・・・
そして勇者達のユニーク・スキルは、確か・・・
勇者には、【ワープ】と、【ファイナル・バースト】。
聖騎士には、【即死抵抗】と、【全武具装備】。
プリーストには、【蘇生】と、【即死抵抗】。
大魔導師には、【全回復魔法薬精製】と、【全回復魔法】。
なかなか・・・すげぇな。
勇者の【ワープ】なんて、反則だよな。
【ファイナル・バースト】ってなに?!
なんだか物騒な名前だが、きっと勇者にだけ放てる恐ろしい最終兵器みたいなものだろう。
だが、【蘇生】や、【即死抵抗】なんかは是非とも欲しい。
俺も【種生成】で作れそうな気がするが、まだ試したことが無いな。
しかし、ワープなんて1度使ってしまうと、絶対に癖になって、世界中を旅する楽しみが減ってしまいそうだ。
もし作るなら、場所固定の転移装置みたいなモノだな。
なんだよ!
結局、俺が1番チートな気がするぞ?
これなら、ステータスがゴミでも何も問題ないな。
やろうと思えば、武具に付与魔法でどうとでも補えるはずだし。
【付与魔法】では、Lv1で、任意のスキル1つ。
Lv2で、任意のスキルか、任意の魔法を1つ。
Lv3で、任意のスキル1つと、任意の魔法1つの、合わせて2つ。
Lv4で、任意のスキル2つ。
Lv5で、任意の魔法2つ。
Lv6で、任意のスキル2つと、任意の魔法1つの、合わせて3つまで。
Lv7で、任意のスキル1つと、任意の魔法2つの、合わせて3つまで。
Lv8で、任意のスキル4つまで。
Lv9で、任意の魔法4つまで。
Lv10で、任意のスキル3つと、任意の魔法3つの、を合わせて6つまで。
更に、【豆生成】でも、最初からスキルか魔法を1つだけ付与できるので、Lv10にもなれば7つの付与、最大セプタプル・ユニークが作れる!
神級だ! 我ながら、すげぇー!!
今は、【付与魔法Lv5】で、スキルか魔法を2つまで付与できる。
なので、トリプル・ユニークが作れるって訳だ。
国宝級のユニークが作れるのだ。
凄くね?
なんだか、ワクワクすっぞ!
ま、異世界チートを堪能するか!
トロは、召喚者の中でも、1番のチートだった。




