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第20話 「トスター・ダンジョンにて」

 


 ••✼••トスター・ダンジョン入口前••✼••



 トスター・ダンジョンは、ヒーテミーナ大陸のトスター領の東に南北に伸びる、「タイニコドレア山脈」にあるとのこと。

 そのタイニコドレア山脈の一角が、トスター・ダンジョンのある場所だそうだ。

 トスター伯爵から聞いた通りに、トスター街からずつと真東に行くと、森を抜けて開けた所に、ドワーフ達の住む村、「トンテンカン村」があるとのこと。

 そのトンテンカンムラを抜けないと、トスター・ダンジョン、別名「トスター・鉱山」には入れないのだそうだ。


 順として、「トスター草原」→「トスター大森林」→「トンテンカン村」→「トスター・ダンジョン」となるそうだ。


 トロ達は先ず、トンテンカン村を目指した。


 なにせ! トスター大森林が広い!!

 遠くに霞んで見えるタイニコドレア山脈まで、いったい何日かかるのやら。

 トスター草原では、体高3mを超える、ビック・ディアや、ビッグ・シープが出没する。

 特にヤバいのが、恐竜の『トリケラトプス』に似た、『ツノエリケラトプス』って奴だ。

 地球の最大級のサイ、『シロサイ』を数倍デカくしたような図体に、ワニのような長い尻尾!

 頭はトリケラトプスに似て、3本の角に、大きな襟飾りがあり、背中には怪獣のようなトゲトゲがあるのだ。

 だが口はクチバシではなく、肉食恐竜のような鋭い歯の出ばった口。

 まさに! 尻尾の長い肉食のトリケラトプスのようだ。

 皮膚は硬いわ、尻尾の攻撃力は素早く半端ないわ、爪の攻撃もヤバいわで、レベルはオパール級だが、強さはアクアマリン級に匹敵する。

 もう、怪獣だな

 奴らは、動物だろうが、人だろうが、見付けるといきなり襲いかかって来る!


 でも俺には、【鋼の鎖の楔縛りスキル】がある。


 試しに、ビッグ・ディアに【鋼の鎖の楔縛りスキル】を発動してみたら、完璧に縛り地面に縫い付けることができた!

 まるで「ガバリー旅行記」で、小人に地面に縛られたガバリーような光景だ。

 ビッグ・ディアは、身動き一つ取れない。

 【鋼の鎖の楔縛り】は、成功だった!

 これなら、ツノエリケラトプスでも、ゴーレムでも、縛り動きを封じる事柄できるはず。


 そんな具合でトロ達は進み続けて、トスター大森林へと突入。

 その森林には、一応は獣道のような人の通った痕跡があり、その痕跡を辿って延々と進み続ける。

 そしてやがて、「ドワーフ達の住むトンテンカン村」へと到着した。




 ••✼••トンテンカン村入口前••✼••



 トンテンカン村入口前に来ると早速、重苦しそうな鎧を装備した門番が話し掛けてくる。



「よおよお! お嬢さん達!

 ここはドワーフの村トンテンカンだ!

 こんな寂れた村に、いったい何の用だい?」


『テンプレな対応だな・・・

 だが、ドワーフ特有の、髭面に角兜に鎧姿なのに、俺よりも背の低いオッサンだからか、「お嬢さん」なんて呼ばれても、まったく威勢もトキメキも感じないな』


「ん? どうした?」


「あ、いやいや! ドワーフという種族を見たのは初めてだったので、ちょっと感動していてんだよ」


「わあっはっはっはあっ!! そうかいそうかい!」


「「「声デカっ!!」」」



 あああもぉ! 声デカ過ぎぃ!!

 身長は130cmってところか?

 確かに『ドワーフ』というイメージそのものなのだが、ネズミーアニメの「雪白姫の8人の小人」みたいな可愛らしさは、まったくない。

 背丈は小学生3~5年生くらいにしか見えないのに、ビジュアルはニヒルなオッサン。

 樽のような胴体で3等身。

 頭や腕や脚などのパーツ一つ一つがやけに大きく太くガッチリしている。

 すげぇ! モノホンのドワーフだあ!



「あ、コレ、トスター伯爵からの許可証です

 俺達は、ここのダンジョンに居座るゴーレムを討伐に来ました」


「むっ?! そうだったのか!

 ・・・ふむふむ 本物のようだな あいわかった!

 ちょいと、待っててくれな!」


 タッタッタッタッ・・・


「あ、ああ・・・」



 門番は、そう言って村の中へ駆けて行った。

 おぃおぃ! 門番が持ち場を離れてもいいんかい?

 とは思ったが、そこは突っ込まなかった。

 10分ほど待たされて、ようやく戻って来たと思ったら、身なりの整った少し大柄のドワーフを連れて来た。

 身なりからして、おそらく、この村の長なのだろう。



「ワシは、このトンテンカン村の長を務める、『ガンダーム』だ」


「んなんっ?! んぶうっ・・・」

 ビシィ━━━━━━ッ!!




 トロは、頭の中で電撃が走った!!

 なにせ、日本のロボットアニメの代名詞ともいうべきロボットの名前にクリソツだったからだ。

 思わず吹き出しそうになったが、なんとか堪えた。



「どうかしたかね?」


「ああ、いえいえ! 失礼しました

 知り合いの名前に似ていたもので・・・」


「・・・そうか???

 とにかく、奥へ案内する! 着いて来るがよいぞ」


「はい」



 トロ達は、どうやら歓迎されているようだ。




 ••✼••トンテンカン・ギルド長室••✼••



「まあ、適当に座ってくれたまえ」


「はい・・・」

 パタパタパタ・・・



 トロをギュッと挟み込むように座るロンデルとロプロプ。



「おい、ちょっと詰めすぎ!」


「ううん!「よきかな」


「まったく・・・(汗)」


「・・・よいか?」


「あ、はい!」


「先ずは、トスター伯爵からの許可証と紹介状を拝見しよう」


「はい・・・」



 トロは、トスター伯爵から預かった物を、ガンダームに渡した。

 そして、ガンダームがそれを読み終えるのを待つ。


 すると・・・



「んっ?!・・・」


「・・・・・・ふっ」


「むっ・・・(怒)」


「「!・・・グルルルルルル」」



 ガンダームは、紹介状に顔を向けたまま上目遣いで、トロ達を見て、ふっ・・・と笑った。

 めちゃくちゃムカついた!

 なんだか、勘ぐってしまった。

 

『女3人だけのパーティーなんかで、ゴーレム討伐だなんて本当にできるのか?』


 ・・・と言いたげだな。

 それどころか、完全にバカにしているだろ。



「ちょっと、何ですかその不快な笑みは?」


「わっはっは! すまんすまん!」


「「「声デカっ!!」」」



 コイツもまた、声がデカイ!

 ドワーフという種族は、デカイ声で笑うのが普通なのか?



「アンタ方には申し訳ないが、正直な気持ちを言わせてもらう!」


「あ、はい」


「・・・アンタ方には、ゴーレム討伐なんて無理じゃな!」


「んなっ?! 露骨だな!!」


「「はあっ?!」」



 なんなんだ?

 いきなり、俺達の出した討伐対策が否定されたぞ?

 いったい、何がダメだと言うのだ?

 確か、エルダー・ロック・ゴーレムは、レベル300~449のアクアマリン級。

 俺達3人もアクアマリン級なのだ。

 対策だって、十分に練ってきた。

 その為に、「疲労破壊」と、「鋼の鎖の楔縛り」まで考えているんだ。


 ガンダームは、話し続ける。



「第一、エルダー・ロック・ゴーレムは、1体だけではない!」


「なっ?!」

「なんだと?!「なんですと?!」


「しかも、オパール級ロック・ゴーレムが、現時点で何体居るかわからんほど居る!」


「なんだってぇ?!」

「まさか!「うぬっ?!」


「それに、高温と低温で引き起こす『疲労破壊』とあるが、洞窟内で炎を大量に使うと、『毒霧(どくきり)』が発生するのだよ!

 その毒霧を吸い込むと意識を失い、下手をすれば死んでしまうぞ?」


「?!・・・」

「「!!・・・」」



「毒霧で死ぬ」とは、おそらく密室内で火を使うと一酸化炭素が発生して、「一酸化炭素中毒」になり、酸欠で死んでしまう事を言ってるのだろう。


 確かに、それも考えた。

 なにも、大量の炎を使うつもりなどない。

 それに、20階層は大空間だと言っていた。

 空間全体を炎で焼き尽くす訳ではないので、少々炎を使う程度なら平気だろうと。



「解りました! では、先ずは偵察って事にしましょう!

 それなら、後に対策も錬れますし?」


「うぅぅむ・・・そう~~~じゃなあ?

 だがのお?・・・

 冒険者とはいえ、アンタらは女子だ!

 正直な感想として、女子ばかりじゃ無謀なのでは?と思ってしまうのだが・・・」


「大丈夫です!

 女子といえ、コイツらは魔獣ですから!」


「ううむ・・・そうかあ?

 トスター伯爵のお墨付きじゃしのお・・・

 まあ、絶対に無理はするんじゃないぞ?」


「分かってますよ!」


「「・・・・・・」」



 トロは、偵察くらいなら平気だと思っていた。

 だが、ロンデルとロプロプは、終始煙い表情を崩さなかった。

 なにせ、エルダー・ロック・ゴーレムと言えば、ロンデルとロプロプにとっては天敵のような相手だ。

 腕がもがれようが、足がもがれようが、首チョンパしようが、何度でも再生して立ち向かってくるのだから、ロンデルとロプロプにしては、正直対峙したくない相手だった。




 ••✼••トスター・ダンジョン入口前••✼••



「なんだお前達は?」


「ゴーレム討伐のため、偵察に来た冒険者だよ

 ガンダーム村長の許可も得ている」


「ふむ、なるほど・・・

 確かに、ガンダーム村長の許可証だな

 いいぞ! 通ってよし!」


「ありがとうございます」


「「・・・・・・・・・」」



 ダンジョンには、すんなり入れた。


 トスター伯爵のお墨付きよりも、ガンダームの許可の方が信じられるってか?

 おいおい、トスター伯爵よ。

 アンタ、トンテンカン村じゃあ、あんまり信用無さげだぞ?

 と思った。


 トロ達は、ダンジョンへと入った。

 このダンジョンは、元々は「トスター鉱山」として、かつては、鉄、銅、ミスリルまで採掘されていたと言う、とても有名な鉱山だったそうな。

 だが、採掘量も年々と減り、一時は閉山も考えられていたらしいが、とある大魔女の助言により、20階層に大空間が発見され、その先に過去採掘された採掘量を遥かに上回る埋蔵量が確認されたらしい。

 ところが再び開山するはずが、エルダー・ロック・ゴーレムが現れたとして、19階層より奥へは行けなくなったのだそうだ。

 これまでも、何度も上級冒険者達に討伐依頼を出したものの全てが失敗。

 死者も出してしまうほどの、大惨事になっていた。


 そして今回、白羽の矢が立ったのが、強力な従魔を従えるトロだった。


 だが、事態は大幅に違ってきた。

 ロック・ゴーレムの数はどんどんと増えて、しかも、エルダー・ロック・ゴーレムまでもが数を増やしているとのこと。

 流石にトロも、これは厳しいと思い、偵察という形にしたのだが・・・




 ••✼••ダンジョン20階層への扉••✼••



「ここが、20階層への扉か・・・

 じゃあ、開けるぞ!」


「「はい!」」


 ガコン!・・・ゴロゴロゴロゴロ~~~・・・



 ••✼••ダンジョン20階層••✼••



 扉を抜けると、ダンジョン内にも関わらず、なぜか薄ら明るかった。

 光源も無いし、もちろん空洞があって陽の光が差し込んでいるのでもない。

 ただなぜか、足元も確認できるほど明るいのだ。

 だがトロは、深く考えない。

 これが、この世界の常識・・・と。


 だが、20階層に入った途端!

 東京ドームくらいあるだろうか?

 めちゃくちゃ広い大空間には、無数の光の粒が見えた!

 それはなんと、全てがゴーレムの光る目だったのだ!



「なんなんだ こりゃあ?!」


「おわあっ!!「なんとっ?!」



 相手はゴーレムだからか?

 誰の索敵にも引っかからなかった!

 100体は優に超えている!!

 ヤバい!ヤバい!これはダメだ!!

 偵察どころじゃない!!

 どんなに、ロンデルとロプロプが強いとは言っても、多勢に無勢だ!

 それに、ゴーレムとは相性が悪いとさえ言っていた!


 やばい!

 ここは一旦、引き返さなきゃ!


 そう思った瞬間!



 バタァーン!

「うをわっ!!「なに?!「なんと!!」



 先程入って来たドアが、突然大きな音を立てて閉まったのだ!


 しまった! これ、ボス部屋になってる!?

 やばい!やばい!やばい!やばい!やばい!

 どうする?どうする?どうする?どうする?


 もう完全にパニクってしまい、考えがまとまらない!

 ただ、【恐怖耐性Lv5】のせいか、怖さはほとんど感じない。

 でも、「平静スキル」や「パニック耐性」なるものは無いので、パニックはどうにもならない!



「くそっ!! 罠か?

 それとも、誰も討伐しないから増えたのか?」


「うむむ 分かりません!

 しかし、これはマズイですよ!!」


「ああ、解ってる!」


「ご主人様! 変身を解いても?」


「ああ! 是非、そうしてくれ!」


「「了解!!」」

 ボン!



 ロンデルとロプロプは変身を解いて、元の魔獣の姿に戻った!

 そして、レベルも本来のレベルに!




 ■===========■

 ・⋯━☞STATUS☜━⋯・

 ■===========■

 名前 ロンデル

 性別 雌

 年齢 18

 種族 獣族 (ワイルド・フォレスト・キャット)

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 状態

【健康】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 LV 698

 HP 698

 MP 798

 STR 703

 ATK 703

 DEF 703

 DEX 703

 INT 703

 MAT 703

 SPD 703

 LUK 132

 EXP 17371506

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 習得魔法

【全ステータス強化魔法Lv4】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 習得スキル

【威嚇Lv5】【ひっかきLv8】【噛み付きLv6】【体当たりLv5】【猫パンチLv5】【猫キックLv5】【変化(へんげ)Lv6】【茨の縛りLv5】【御用だ!Lv5】【地図Lv5】【言語識字理解Lv5】【索敵Lv4】【思念伝達Lv4】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 称号

【賢者トロの従魔】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 ■===========■




 ■===========■

 ・⋯━☞STATUS☜━⋯・

 ■===========■

 名前 ロプロプ

 性別 雌

 年齢 38

 種族 獣族(ファイヤー・ナパーム・ワイバーン)

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 状態

【健康】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 LV 501

 HP 501

 MP 601

 STR 506

 ATK 506

 DEF 506

 DEX 506

 INT506

 MAT 506

 SPD 506

 LUK 111

 EXP 8102084

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 習得魔法

【ファイヤー・ナパームLv3】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 習得スキル

【威圧Lv5】【ひっかきLv8】【鷲掴みLv5】【羽ばたきLv4】【噛みちぎりLv5】【変化(へんげ)Lv6】【茨の縛りLv5】【御用だ!Lv5】【地図Lv4】【言語識字理解Lv5】【索敵Lv4】【思念伝達Lv4】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 称号

【賢者トロの従魔】【アクアマリン級冒険者】

 ・⋯━━☆★☆━━⋯・

 ■===========■



「うわっ!! お前達、そんなに強かったのか?!」


「これは、本気モードとでも言いましょうか」


「リミッターカットですな!」


「そんな言葉、どこで覚えた?!

 あ、いやいや! 今はこんな事などどうでもいい!

 すまん! 2人とも!

 正直、俺にはどうにもできそうにない!

 なんと、踏ん張ってくれ!!」


「「承知っ!!」」


「よし! バフを掛けてやる!

 全ステータス強化!!」

 ブゥ━━━ン・・・!


「「おおおおおっ!!」」



 トロは、後ろに下がり、ロンデルとロプロプに、「全ステータス強化魔法Lv4」を施した!

 これによりロンデルとロプロプの全ステータスは、1.4倍に!




「おおおおおおっ! 力が溢れる!!

 ウギャアアアアア━━━!!」


「ぬをおおおおっ! これは凄いですな!

 クワアアアアアア━━━!!」



 ロンデルとロプロプが、戦闘態勢に入ると同時に、ロック・ゴーレム達も一斉に襲いかかって来た!!



「「「「ゴオオオオオオ━━━!!」」」」

 ズドドドドドドドド!!


 ロンデルの体当たり!!


「フギァアアアアア━━━!!」

 ドドダダドダドダドダダダダッ!!


「ひぃええええっ! すんげぇ!!(汗)」



 ロンデルは、まるでボーリングの玉のように丸くなり、ロック・ゴーレムの集団に突っ込む!!

 ロック・ゴーレム達は、ボーリングのピンのように弾き飛ばされる!!

 そして! 粉々に砕け散る!!



「おいおい・・・つ、強え! マジかよ(焦)」



 ロック・ゴーレム達は、バラバラに砕け散ると、魔石が飛び出して再生出来なくなったようだ。

 いける?! これは、いけるかも知れない!!


 今度は、ロプロプの攻撃!!

 エルダー・ロック・ゴーレムを狙ってるようだ!

 エルダー・ロック・ゴーレムを足で掴むと、天井まで飛び上がり、ロック・ゴーレム達の中へ高速で投げつけた!



 ブォン!

 ドダァ━━━ン!  バラバラバラバラ・・・


「ひゃうあっ! すんげぇ!!

 ロプロプ! すげえぞ!!」


「はっはあっ! まだまだこれからですぞー!!」



 体高4mはあろうかと思われるエルダー・ロック・ゴーレムは、ロプロプに軽々と振り回され、ロック・ゴーレムの集団の中へ投げつけられ、ロック・ゴーレム達は文字通りのバラバラに!

 魔石も飛び出し、再生もしなくなっていた。



 バラバラバラバラッ・・・

「きゃあああ~~~!!」


 バラバラになったゴーレムのバラスが、トロの頭の上にも飛んでくる!



「ご主人様! もっと離れていて下されっ!!」


「おっ、おうっ(汗)」

 タッタッタッ・・・




 トロは、ロプロプに言われた通りに離れる。

 そして、この隙に、ロック・ゴーレムの魔石を次々に収納。

 

 ロプロプの攻撃で、ロック・ゴーレム達はバラバラになったが、エルダー・ロック・ゴーレムは、まだピンピンしている?!


 

「マジか!! 効いてねぇ?!」


「まだまだ、これからですぞ!!」

 ガツン! ブォン! バサバサバサッ!


「ひゃあ!!(焦)」



 ロプロプは、またエルダー・ロック・ゴーレムを掴んで、天井まで飛び上がると、高速で地面に投げつける攻撃を繰り返す!

 ロンデルも、体当たり攻撃を繰り返していた!

 みるみるうちに、ロック・ゴーレムの数が減っていく。

 だが、エルダー・ロック・ゴーレムは、ロンデルとロプロプの攻撃でも、まったくダメージを受けた様子が見られない!




「な、なんて頑丈な奴だ!!」


「本当に、硬い奴だな」


「まったくですな!」


「エルダー・ロック・ゴーレムは、全部で3体!

 疲労破壊を試してみるか!」


「お願いします!」


「頼みましたぞ!」


「ああ! やってみる!!

 お前達は、他の2体の気を引いてくれ!」


「「承知っ!!」」



 トロは、1体のエルダー・ロック・ゴーレムに、【鋼の鎖の楔縛り】を発動!!



「鋼の鎖の楔縛り!!」

 ジャラララララッ! バシバシバシバシッ!


「グヲワアッ!! グオオオオ・・・」


「よしっ!! 上手くいった!!」


「うん!「うむ!」



 トロの発動した【鋼の鎖の方楔縛り】により、エルダー・ロック・ゴーレムは身体中に鋼の鎖で縛られ、楔のアンカーで地面に縫い付けられ、身動きが取れなくなった!


 今だっ!!



「ファイヤー・ボール!!」

 ドドドドドドドドーッ!!


「グヲアアアアアー!!」



 エルダー・ロック・ゴーレムは、トロの放ったファイヤー・ボールにて、赤黒く高温になる!

 そして・・・!



「次は・・・超冷却だー!!」

 シパァ━━━ッ!!

 ピキピキピキピキッ・・・


「よし! どうだ!!」


「「おおおっ!!」」



 高温に熱せられたエルダー・ロック・ゴーレムは、急激に冷やされて、完全に氷付き動かなくなった!



「ここへ、大岩を打ち込めばっ!

 スーパー・インパクト!!」

 ガラガラガラガラ・・・ゴロゴロゴロゴロ・・・



 地面から、岩や砂が集められ、巨大な大岩が形成される!

 そして・・・



「いっけえ!!」

 ブォン! ドゴォ━━━━━━ン! 

 バラバラバラバラ・・・



 エルダー・ロック・ゴーレムは、木っ端微塵に!

 魔石も飛び出して、動かなくなり、再生もしなくなる。



「やった?・・・やったぞお!!」


「やりましたね!「やりましたな!」


「ああ! これなら、いけそうだぞ!」


「「はい!!」」



 トロは、倒したエルダー・ロック・ゴーレムの魔石を拾った。

 と、次の瞬間!



 バキッ!

「がはっ!!」


「「?!」」


 ビタン! バタバタバタッ・・・

「げほっ! けほけほ・・・何が・・・起きた?」


「「ご主人様ぁ!!」」


「あれれ? 身体が・・・動かん・・・」



 トロは、いつの間にか近付いていたロック・ゴーレムの一撃を食らっていた!

 痛恨の一撃だった。

 咄嗟にステータスを確認してみた。

 一気にHPが、警戒色の赤に変わっている。

 残りHPが、たったの12?!

 マズイ・・・! 次食らったら間違いなく死ぬ!

 いやいや、このまま何もしなくても、間違いなく死ぬ!

 これはヤバいぞ・・・はやく回復しなきゃ!

 とは思うものの、身体が動かない。

 辛うじて、意識を失わないように気を張るのが精一杯だ。


 でも、そのまま目の前がブラックアウト・・・



「「ご主人様あ━━━!!」」




••✼••ネチコイ教会治療室••✼••



「はっ?!・・・ここは・・・」



 気が付くと、ベッドの上だった。



「お目覚めですか?」


「え? あ、ああ・・・ココは何処だ?」


「ネチコイ教会ですよ」


「ネチコイ・・・教会・・・で、貴方は?」


「私は、このネチコイ教会の神官です」


「ほお・・・で、なぜ俺がココに?」


「おお~~~! トロよ!

 死んでしまうとは、ああ・・・情けない!」


「ぶほっ!!・・・くく・・・くっくっくっ(笑)」



 トロは、今なぜココに居るのかを神官から聞かされた。

 1つ、教会で祈りを捧げた者。

 2つ、復活の魔晶石を持つ者。

 3つ、復活の魔晶石を持ち死んだ者。


 この3つの条件が揃うと、こうなるんだそうだ。

 へえ・・・

 って俺、教会で祈りなんて捧げた事なんてねぇぞ?

 いや、もしかしたら、サイチの宿屋の女将から貰った「復活の魔晶石」を持ってたのが、1の条件を既に満たした事になるとか?

 まあ、これは下手な事は言わない方が良さそうだ。

 とにかく俺は、死んだようだ。

 マジック・バッグの中を調べたが、確かに「復活の魔晶石」が無くなっていた。

 それより、身体が54歳のオッサンに戻ってる!!

 しかも、ステータスを見ると、デスペナなのか全てのステータスが20%減になっていた。

 なるほどな・・・まるでゲームだな。

 死ぬと、こうなる訳か・・・

 しかし、54歳オッサンが、軽装備は良いが、女の子の服を着ているのには、これは痛々しい(汗)

 トロ、慌てて変身魔法で、元の女の子の姿に変身した!



「そうか・・・そうだったのか・・・変身!」


 ポン!


「おおっ! これは驚きました!」


「内密にお願いしますよ?」


「勿論です」


「はあ・・・え? なんです?」


「では、お礼を頂きましょうか」

 手を差し出す神官。


「え? お礼って?・・・ああっ!!」



 そうか! そうだった!!

 サイチの宿屋の女将から「復活の魔晶石」を貰ったときに聞いたっけ!

 「復活の魔晶石」のお陰で復活はできるものの、教会でお礼金として1億Tia必要だとか!



「うおおおお━━━マジか━━━!!

 いやいや、仕方ない!

 解りました! 1億Tia払いましょう?」


「はい 確かに・・・」



 トロは、マジック・バッグから、大金貨10枚出して、神官に渡した。



「ではまた、『復活の魔晶石』はお求めですか?」


「え? ああ、そうだな・・・頼む」


「はい どうぞ 1000万Tiaになります」


「!・・・これまた、なかなか・・・」



 神官は、トロに「復活の魔晶石」を渡した。

 そしてトロは、大金貨1枚を支払った。



 大きな出費だ。

 だがトロは、何の変哲もない武器や防具に付与魔法を施し売り捌いていたので、数十億もの貯蓄がある。

 あと、ロンデルとロプロプの分も買っておこう!


 トロは、ロンデルとロプロプの分の「復活の魔晶石」を購入した。

 この時トロは、従魔は死んで時間が経てば復活する事など知らなかった。

 従魔とは、主人が生きている限り、何度で復活するのだ。



 さて、アイツらは今何処に居るのかな?

 もしかして、まだダンジョンの中に居るのかな?


 トロは、教会を出てロンデルとロプロプを探すのだった。




おお・・・トロよ!

死んでしまうとは情けない・・・

だが、復活の魔晶石のお陰で蘇ったトロ。

久しぶりに1人で活動する事になるのだった。

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