第17話 「弟子まで女の子に? そして フラグ」
••✼••宿屋の一室••✼••
「ああ~~~疲れた!」
ポン!
トロは、元の姿に戻った。
ドワーフの鎧姿は、熱苦しい(汗)
「大丈夫ですか ご主人様?」
「ああ 大丈夫だよ
ちょっと疲れただけだ」
「そうですか・・・」
「では、やりますか?」
「ブッ!! ばぁかぁ!!
なんでそぉーなる?!」
「だって! もう7日間も、ご主人様を食べてないんですよ!!」
「こっ、こらあ! また変な言い方・・・」
「そうですぞ!!
我らはご主人様の従順なるしもべ!
ご主人様の為なら如何なる命令もお受けしましょう!!
ですが、ご褒美はシッカリと頂きたきたく存じますぞ!」
「ご褒美って、毎日のように肉を食べさせてやってるだろ!!
いったい何が不満なんだ?!」
「「ご主人様が足りません!!」」
「ぴゃあはあっ?!
なっ、何を・・・」
「このままだと、野生の本能によって、ご主人様を襲ってしまうかも知れません!」
「っはあ?! や、野生の本能?!
何ソレやだ怖いっ!!」
「そうですぞ!!
こんなにも毎日骨身を削ってご主人様の為に働いているのですから、毎日3回は食べさせてもらわないと!!」
「んぎゃあはっ!!
そんなに食われたら死ぬわっ!!」
「「問答無用~~~!!」」
「ぎゃああああああ~~~~~~!!」
ロンデルとロプロプは、欲求不満だったのか、トロは朝までノンストップで食われた。
・⋯━☞翌朝☜━⋯・
「ケダモノめぇ・・・殺せっ!」
「「ケダモノですかなにか?」」
「もう、その下りはいい!!」
「「ご馳走様でした!」」
「はいはい! どーいたしましてぇ!!
・・・ああもぉ・・・
霧がかかってるみたいに目が霞むぅ~~~(汗)」
トロは、ふた時ほど動けなかったそうな・・・
・⋯━☞1時間後☜━⋯・
「なぁ~~~はやく服を着せてくれ!」
「もう自分で動けるでしょう?」
「そうですぞ!そうですぞぉ!」
「バカを言うなっ!
あ前達に一晩中食われ続けたから、全身が痺れて力が入らないんだよ!」
コンコン!
「ぴゃあ?!」
「師匠!」
「「!!・・・」」
「師匠! ちょっと良いですか?」
「あ! ワイサ?」
「「・・・?」」
「あっ!あっ!ちょっと待って!
お前達! 服を着せてくれ!」
「「畏まりました!」」
パタパタ・・・ガサゴソ・・・
やぁっば!!
聞かれた?!
変態だと思われる?!
どうしよう?どうしよう?どうしよう??
純粋なワイサに嫌われたら嫌だなぁ・・・
なんて事ばかり考えてたトロだった。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「ああ、うん! も、もう大丈夫だよ!」
カチャ・・・パタン!
「師匠! 俺・・・・・・え?」
「何かな? ワイサ君!」
「え?・・・・・・」
「「・・・・・・??」」
「・・・・・・・・・誰?」
「へっ?・・・・・・・・・・・・あっ!」
しまったあ━━━━━━っ!!
変身解いたまんまだったぁ!!
この姿で、返事をしてしまったよ(汗)
だが、時すでに遅し・・・
今更あたふためいても仕方がない。
ここは、男らしく!
身体は女の子だけど・・・
「やあ! ワイサー! どうした?」
「!・・・・・・・・・」
「・・・・・・なんだ?
俺が女だったのが意外が?」
「えっ・・・あっ・・・い、いえ!
か、母さんから聞いてはいましたが、本当に女の人だったのですね!」
「ふぁい?!」
「「?!・・・」」
ちょっと待て! 今なんつった?
女将さん、俺の正体を話してたのか?
女だと舐められるからドワーフのオッサンに変身するって話していたのに!
「ちょっと待って待って待って!?
なになに? 女将さん、俺の正体をワイサに話してたのかい?」
「あ、はい ドワーフのオジサンの姿だけど、本当は可愛い女の子だって」
「かわっ・・・・・・///」
「「・・・」」
いかんいかん!
「可愛い」と言われて喜んでしまった。
でも、本当の俺はオッサンだ。
女の姿だと、やっぱり舐められるかな。
いやでも、何処で俺が転移者とバレるか分からない。
転移者のオッサンだと知られたら・・・
メルセンベルグ国王に勇者と共に召還されて、この世界へやって来た者だと知られたら、きっとメルセンベルグに連れ戻されて、国の都合の良いコマとして飼い殺されるに違いない。
戦争の道具にされたりでもしたら最悪だ!
そんなのは、絶対に嫌だ!
ここは、女として通した方が良いかも知れない。
「・・・ああ、そうだ 俺は女だ」
「やっぱり!」
「俺が女だと、ガッカリしたか?」
「いえ! そんな事はありません!
俺は、師匠に修行をつけてもらえて、ここまで強くなれたんですから!!」
「!!・・・きゅう~~~ん♡」
「きゅうん?」
「本当に君は良い子だなぁ~~~」
「あの・・・だから
俺の頭を撫でないでください・・・///」
ヤバい・・・・・・
ワイサが、めちゃくちゃ可愛い♡
今すぐ抱きしめたい!
頬ずりしたい!
うう~~~ダメだダメだ!
ここは、頭ナデナデだけで我慢しなきゃ!
って! 新しいナニかに目覚めたか?
いやいや!
これは一般的な、大人が子供を可愛いと感じる、ごくごく普通の感覚だ!
けっして、母性本能ではないはず。
俺は男だ!俺は男だ!俺は男た!俺は男だ!
これは師弟愛だ!
師匠が弟子の成長を見守る過程で生まれる感覚に違いない!
うん! きっと、そうに違いない!
・・・それにしても、マジ可愛いな♡
「あのぉ・・・師匠?」
心配げに上目遣いで見てくるワイサ。
「!!・・・きゅう~~~ん♡」
思わずワイサを抱きしめるトロ。
「んむっ?!・・・しっ師匠~~~」
「・・・・・・・・・はっ!!
すっ、ずまない!」
「ぷぁはっ! い、いえ・・・///」
照れてるのか恥ずかしいのか顔を真っ赤にして俯くワイサ。
そんなワイサがまた可愛くて仕方がないトロ。
うわっ! ヤバい!
心配げに首を傾げて俺の顔を上目遣いで覗き込むその仕草に、ドーン!とワイサの可愛らしさが爆上がり!!
マズイ! これは実にマズイ!
このままでは、本当にショタコンになってしまうかも?
俺は男なのに・・・
男の子が可愛いだなんて・・・
そうだ! ワイサが男の子なのがいけないのだ!
「ワイサ・・・」
「あ、はい?」
「コレを、食べてみな?」
「これは・・・豆?」
トロが、こっそり異空間収納から取り出したのは、【異性に変身する豆】である。
これは、【変身スキル】を思い付く前に作ったものであり、ちょいと遊び心で作った産物だ。
この時トロは、冷静ではなかった。
「モグモグ・・・おぃひぃれすね?」
「きゅきゅう~~~ん♡
そ、そうか? 美味いだろう?」
「はい! とても美味しかったです!」
「・・・・・・あれ?」
「どうしました師匠?」
「何も変わらないな・・・」
「・・・ええ?」
「きゅきゅきゅう~~~ん♡」
だから、その首を傾げる仕草!
可愛すぎるんだよワイサー!!
おおっと! いかんいかん!
ワイサは、なにか用事があって、俺を訪ねて来たはず。
「師匠?」
「あ、いやいや、すまん!
ええっと、なにか用か?」
「あ、はい!
母さんが、トロさんにお礼をしたいから、呼んで来いって」
「え? お礼?
そんなの別に構わないのに」
「あの・・・たがら、頭を撫でないでください///」
そう言って、ワイサはトロの手を掴む。
その時、ついトロもワイサの手を握り返す。
だが・・・
「!・・・・・・」
「師匠?」
「はっ! ああ、すまない!」
「・・・?」
あれえ?
ワイサの手って、こんなに柔らかかったっけ?
剣ダコができてて、子供ながらにゴツゴツした手だったはずなのに・・・
まあ、いっか!
「わかった! すぐに降りるよ」
「はい!」
パタン!
「ふう・・・」
「どうしました ご主人様?」
「なにか心配事でも?」
「へっ? いや、なんでもない
下へ降りるぞ」
「「はい! ご主人様!」」
こうしてトロ達は、1階の食堂へ向かった。
••✼••宿屋の食堂••✼••
「やあ! 今日まで、ご苦労だったね!」
「いえ これでもう俺から教える事は無いくらいに、ワイサ君も強くなりましたよ!」
「ありがとうよ! 本当にありがとう!」
「いえいえ どういたしまして」
「「ふふん!」」
得意気なロンデルとロプロプ。
「ところで、お礼なんだけどさ」
「ああ、別に気にしなくて構いませんよ!
ワイサを鍛えたのは、俺の趣味みたいなもんですから、俺も楽しませて貰いました!」
「そうかい? でもさ、やっぱりお礼はキッチリとしたいんだよ
これは、アタシの亡くなった旦那が使いそびれたモノなんだけどね?」
「コレは?」
女将から手渡されたのは、拳大の魔晶石だった。
だが、普通の魔晶石とは何かが違う。
「それはね?
『復活の魔晶石』つってね!
持っている時に、死んでしまっても、教会で復活できるっていう、希少な魔導具なんだよ!」
「復活の魔晶石?!」
「ああ 元々アタシの旦那のモノだったんだけどね?
あの人、それを持ち忘れたばかりに、死んでしまったもんだから、今更もう用の無いモノなんだよ
アンタも冒険者やるんだろ?
だったら、持っときな!」
「ちょっ! いやいやいや!
だったら、ワイサ君に持たせてあげてくださいよ!
こんな、めちゃくちゃ大事なもの!!」
「ああ、それは大丈夫だよ!
あの子には、アタシが持っていたモノを持たせているからね!」
「!・・・そうなんですか?」
その後、『復活の魔晶石』について、詳しく聞いた。
それを持っている時に「死ぬ」と、身体が魔力に変換されて「復活の魔晶石」に吸収されて最寄りの教会に転移し、復活の魔晶石に吸収されていた魔力から情報をもとに新しい身体が造られ、その身体に精神が宿り復活するのだそう。
ただ、復活の際に、1億Tia必要らしいが。
元高ランク冒険者の女将の事だ。
1億Tiaくらい、持っているのかも知れない。
復活のアイテム。
ゲームなどもよくある代物だ。
これは有り難い!
でも、これな凄いモノ!
冒険者じゃなくても関係ないだろ!
これは、女将に是非とも持っていて欲しい!
「いえいえいえ!
これは、女将さんが持っていて下さい!」
「いや、アタシはもう冒険者じゃないから」
「そんな事は関係ありませんよ!
たとえ冒険者じゃなくても、人生って何が起きるか解らないでしょ?」
「そりゃあ、そうだけどね?」
「大丈夫です! 実は、俺も持ってますから!」
もちろん、嘘である。
「え? そうだったのかい?
そうかいそうかい!
だったら、これは必要ないね!」
どこか、ホッとすた様に見える女将。
きっと、万が一の時に、ワイサに持たせたかったのだろう。
冒険者たるもの、何時なにが起きるか解らない。
2つあったって、損するものでもない。
結局その後は、女将からフルコースを振る舞われ堪能した。
トロとロンデルとロプロプにとって、それだけで充分だった。
なにせ、トロとロンデルとロプロプも、かなりレベルアップしたのだから。
・⋯━☞その日の夜☜━⋯・
••✼••宿屋の一室••✼••
ドタドタドタドタドタ!
バンバンバン!
「きゃあ!!」
「「なにごと?!」」
「トロさん! トロさんよお!」
「女将さん?!」
「「?!・・・」」
突然、女将が部屋に殴り込み・・・
みたいな勢いで訪ねて来た!
「ちょっと待って下さい!!
今、鍵を開けますから!」
カチン!・・・ガチャ!!
「トロさんよお!!」
「うわっ!! な、なんですか?」
「アンタ、ウチの息子になにかしたのかい?!」
「へっ? なにかしたとは?」
「ウチの息子が・・・ウチの息子が・・・
女の子になっちまったよおー!!」
「えええええ~~~?!」
「はあ?!「なんと?!」
「・・・あ」
そうだった!
確か、思い付きでワイサに、【異性に変身する豆】を食べさせてたんだっけ?
でも見た目は何の変化も無かったもんだから、すっかり忘れていた!
やっぱり、効果はあったんだ!!
ワイサは元々身体も小さく、女の子みたいな面立ちだったために、変化に気付かなかったのか!
いけね! こりゃあ怒られる!!
「ごっ、ごめんなさい!!
実は、『異性に変身する豆』があったのですが、間違えてワイサ君に食べさせてしまったんです!」(嘘)
「なんだってえ?!
異性に変身する豆ぇ?!」
「は、はい・・・
で、でも、見た目なんの変化も無かったので、てっきり俺の勘違いだったのかと思っていたのですが、やっぱりワイサ君が食べたのは、異性に変身する豆だったんですね?」
白々しくそう言うトロ。
「なんて事だい!
ウチの息子が女の子に・・・」
「あ・・・あの・・・」
トロは、ポケットから取り出す振りをして、異空間収納から【異性に変身する豆】と、【異性に変身する豆の種】を取り出し、女将に差し出した。
「こ、コレをワイサ君に食べさせてあげてください!」
「!・・・これが、異性に変身する・・・」
「そうです
これを食べたなら、ワイサ君は男に戻れるでしょう!」
「!!・・・そうかい」
「ん?」
女将は、トロから「異性に変身する豆」を受け取ったが、なぜか残念そうだった。
・・・・・・はて?
てっきり、怒られると思ったのに・・・
念の為に、豆は生物なので、「永久保存の箱の生る豆の種」と、「永久保存の箱」を1つずつ進呈した。
・⋯━☞翌朝☜━⋯・
••✼••宿屋の食堂••✼••
「おはようございます師匠!」
「お! おはようワイ・・・?!」
「あははっ・・・実は」
「~~~~~~(汗)」
「「ほぉ~~~」」
なんとワイサは、女将と同じ給仕服を着ていた。
いわゆる、「割烹着姿」だ。
めちゃくちゃ可愛い!!
ワイサは、給仕服姿で、朝の忙しい食堂の手伝いをしていたのだ。
「か、可愛い・・・♡」
「あ、あの・・・師匠?
頭を撫でるのはやめてください///」
「ああ、ごめんごめん!」
「じゃあ母さん!
俺、狩りに行ってくる!」
「えっ?!」
「あいよ!
少し強くなったからって、調子に乗るんじゃないよ!
特に、人間には気を付けるんだよ?」
「人間?・・・わかった」
「取り敢えず・・・先に冒険者ギルドに行こう」
「え? どうしてですか?」
「性別の変更をしなきゃいけないだろう?」
「そうなの?」
「うん・・・・・・・・・たぶん」
「・・・え?」
この後、ワイサとトロは、冒険者ギルドへワイサの性別の変更を申請した。
トロの前例もあったせいか、あっさりと申請は通った。
だが、ペナルティとして、1週間の掃除クエストを受けさせられた。
••✼••宿屋の食堂••✼••
「母さん、行ってくる!」
「はいよ! 前にも言ったけど、特に人間・・・
『男』には気を付けるんだよ!」
「ええ? ああ、分かった」
この時ワイサには、母の言う意味が理解できなかった。
「じゃあ、頑張れよワイサ!」
「はい! 師匠!!」
「・・・うぷぶっ 可愛い♡」
「だから師匠 頭を撫でないでくださいって・・・」
「あ、ははっ ごめんよ?」
「では、行ってきます!」
「おう! 行って来い!」
「はい!!」
そう言って、ワイサは1人で狩りに出掛けた。
この、女将の何気ない言葉が、フラグになるのだった。
この時、ワイサの身に、あんな災難が降り掛かるとは思いもしなかったトロとワイサだった。
女の子に変身したと言うのに、ワイサの反応がやけに薄い・・・
この後、ワイサに降り掛かる災難とは?




