シルフィーヌの思い
早速、シルフィーヌの所に、地球の話しの知らせが届くと、シルフィーヌは、キャル達と、連絡を取りたいと要望するのであった。
「回線が来ました。シルフィーヌより、面会の要望です」
画面を見ると、無表情で凛とした格好の女王シルフィーヌがいた。彼女は、友好関係を維持してくれる地球に対して感謝をするのであるが、例えマルチバースの宇宙でも、宇宙の女王シルフィーヌに反発する勢力がいるので、自分達とこれから関係を維持したいと、直接シルフィーヌが説明するのである。
敵の敵は味方という訳ではないが、シルフィーヌに敵対する勢力と緊密な関係はしないと約束するキャルである。
「皆、そういう事だそうだが、それで異論は勿論ないよね? そんな事するはずがないと思うけれど」
キャルやらハンビーが別に野心家で、領地を広げたいという意欲があった訳でもないが、宇宙の女王シルフィーヌを信用していたので、それらの離反をする事はしないと約束するのであった。
シルフィーヌに敵対する勢力がどのような存在かは、まだキャルの想像の域の外にあったが、それを知ろうとするときには、シルフィーヌも手を加えていたであろう。
「とりあえず安心しました。それでこそ、友好関係を維持できる仲間です。私達には仲間が必要なのです。誰が上で誰が下とか、そういうのは、この場では控えましょう」
キャルの言いたい事が見抜かれていたので、びっくりしたキャルであった。ハンビーはこれからは、対等な関係なのですかと聞くと、シルフィーヌは勿論ですと回答するのである。
「これは驚いた。どうしたって、宇宙の女王の方が立場が上なのに、そんな事を言うなんて、さすが宇宙の慈悲はマルチバースといった所か」
ハンビーがそのように言うと、シルフィーヌは敵対する勢力の説明をすると、それらは派閥を争っているような感じで、決して必ずしも憎しみ合っている訳ではないと言うのである。
「それでは画像を見ましょうか?」
シルフィーヌはそう言うと、勢力図を見せて、マルチバース上の派閥争いみたいな立ち位置みたいなのを説明する。それは、善と悪が秘かに戦っているのではなく、勢力争いみたいな感じであった。
キャルもわざわざこんな説明をするぐらいだから、当然の如く、自分達にも何か要求するのだろうと思っていたら、その予想は当たるのであった。
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