キャル引退か?
キャルは超銀河団の王家のような話しを返上して、単なる宇宙の人になろうかと考えていたようである。
宇宙文明レベルでは銀河系のレベルよりか、マルチバースの文明レベルの方が上だとわかっているが、それによって、キャルの威厳も損なわれるかと思ったご本人である。
「ハンビーの考えはどう? 銀河系の出番はもう終わりかしら? いよいよマルチバースの出番となると、私たちもリストラ要員って事になるかしら。地球の皆はどう思うかしら」
圭一的には、宇宙の女王が来たからといって、銀河系のキャル達がいらなくなるとは思えなかったようであるが、キャル的には、宇宙の女王が新たな支配層になるのだろうと思っているので、自分達はいらなくなったと思っているようである。
「ひょっとしてキャルさん引退するんですか? 宇宙の女王のために。許されませんよそんなの」
ハンビーは当然ながらの反応を示した。決して地球の主導権を渡すとか、そんなのではなかったが、もしも仮に宇宙の女王が、地球を保護領にするとなると、自分たちはいらない存在かと思う時が来たのである。
「そんなまさか、自分は友好関係を築くのにどうとかは思いませんが、それでキャル姉さんがはじかれるのには、ちょっと違和感がありますよ」
圭一は、キャル姉さんがはじかれることには勿論反対ではあるが、その宇宙の女王がどう出るかについては、関心があるようだった。
「一応は聞いておいたけれど、やはり宇宙の女王と友好関係を築くのには皆賛成のようね。当たり前か、悪役な訳でもないし、悪党の感じでも無かったからなあ」
ここで宇宙の女王の使者である者に対して、回答の内容を提示することになる。別に悪党でもないので、断るといった感じでもなかったが、どっちが上でどっちが下かなどについては、色々と言いたいことがあったようである。
「かしこまりました。それでは、その旨をシルフィーヌ様に伝えておきます。後で連絡があるかと思いますが、友好関係の件、ありがとうございます。それではごきげんさま」
使者はそのように言うと、本国に連絡を取りに行った。大使でも無かった彼であるが、後で大使に任命されると、引き続き業務に励むのである。
キャルは、宇宙の女王がどう出るか気になる様子である。ただ、彼女にもそれなりの用事がありそうで、忙しそうな感じではあったみたいである。
読んで頂きありがとうございます。