初めての接見
「うん、それじゃあ、とりあえず。一応は宇宙の女王を見てから判断しましょうか。インチキでなければ、尻尾を出すに違いない」
キャルがそのように言うと、ハンビーは納得するような感じであったが、それは間違いであったと気付くキャルである。
「シルフィーヌ様、かねてから要請をしていた地球から、使者がやってまいりました」
「ありがとう。ザリエフ、あなたも一緒に、対応をよろしくお願い出来るかしら」
「はい」
そしてキャルが宇宙の女王の前に現れると、これがインチキでない事が証明された。
「あっ、これは、もしかしてヤバイ展開?」
開口一番キャルが開いた言葉がそれであった。
冗談ではなく、本物の女王らしい振る舞いに対して、王家の娘のはずのキャルであったが、意識をそちらに取られるとは不覚であったと思うのであった。
「あらら、これは驚いた」
ハンビーもその恰好に対して、納得してくれたようである。宇宙の紋章のドレスを身にまとい、それを仕込んでの格好で、納得するハンビーである。
「インチキじゃない。そんなの、本当にあり得る訳?」
さすがのキャルでさえも信じるしかなかった感じではあるが、ザリエフがそれに対して応対しようとすると、シルフィーヌが直接応対するとか言い出すのである。
「ああ、かしこまりました」
「いえ、私から直接話そうと思いますの」
冗談ではない宇宙の女王シルフィーヌは、キャルやらハンビーに対して、友好関係を迫ろうとするが、すぐに回答を出さない所が、
キャルとハンビーの回転の良さといった所だろうか。
「すみません、シルフィーヌ女王、すぐに回答を出す事は出来ません。私達にも都合というものがあります。だから、暫くのお時間を頂きたい。それでよろしいでしょうか」
宇宙の女王シルフィーヌはかしこまりましたと言うと、こちらに対して使者を送りますと説明する。
「きたわね」
「ああ、そうだな」
シルフィーヌは、お互いの友好関係が深められるよう希望すると言うと、キャルとハンビーを見送るのであった。
「これは驚いたわね。こんなものが世の中にあるとは。信じられないけれど」
「ああそうだね。全くもって信じられないね」
ハンビーは、あまりにも次元が違い過ぎて、なんて答えればいいか、よくわからなかったようである。
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