宇宙の女王のやばさ 泣かされるキャル
王家の娘であるはずのキャルでさえ、宇宙の女王という輩に対しては警戒心を持っていた。まさか、女王が出てくるとは思いもせず、このマルチバースの世界において、それを許す世界が来るとは、想像もしたことが無かったのである。
「何が宇宙の女王よ、これじゃあ、私の星が格下の扱いじゃないか」
キャルは憤った。超銀河団の生まれをも超越する、マルチバースの世界観に、改めて尊敬の念は抱くが、よりによって、相手が女王だと知ると、認めたくない自分がそこにいたようである。
「何が宇宙の女王よ、私が狙って来たことを先に横取りするなって」
「キャル姉さん行きますよ。よろしいですか?」
地球の圭一が宇宙艦隊を発進したい意向と示すと、キャルもOKのサインを出すのであった。
キャルにとっては、先に宇宙の女王をやられたことをさぞかし不快感に感じられたようであるが、多元宇宙の話しにおいては、宇宙の女王は先を行っていた模様である。
嫉妬、怒りなどが渦巻く、キャルの部屋において、周辺との話しのやりとりの主な内容は、これからの宇宙の女王との接し方であったようである。
「どうかしら、やはり戦力的には私たちは劣勢なのかしら?」
ハンビーも色々と考えた挙げ句、やはり自分たちの方が、劣勢ではないだろうかという結論になりそうな感じがするのであった。
「何が宇宙の女王よ。それならば、宇宙の支配者とでも名乗ればいいじゃ無い。こんなの許せないわ」
キャルが血の気を変えそうになるくらい、興奮すると、これでも超銀河団の王家の娘なのに、そんな仕打ちは耐えられないとの
意志表示をするのであった。
「宇宙の女王の実力というのには興味があるな。多元宇宙の世界においては、強力なものなのだろう。それはさておき、キャルもいい加減、正気に戻ったらどうだ。なあ?」
ハンビーがそのようにいうと、ずっと今までリードしていた地位を奪われてショックだと言うのである。その時のショックと言えば、それまでの経験から比べたら屁でもないというのだから、恐ろしいものである。
「宇宙の女王の実力次第かなこれでは」
ハンビーがそのように言うと、キャルもようやく決心がついたのか、心に受け止めようとするのであった。
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