第59話 閃
一週間ぶりの更新になります。
前話からの続きなので、内容思い出しがてら読んでみてください!
「父上!」
滅多に怒ることのない昇龍も流石に声を荒らげた。いつも穏やかさを湛える青色の瞳にも目に映ったものを射殺しそうなほどの鋭さが滲んでいた。滅多に怒りを表に出すことのない息子の烈火の如く怒った表情に父である悠も目を見開き面白がった。悠はニヤリと片方の口の端を上げ、昇龍に尋ねた。
「お前たちの中にはいない……か?それこそ確証はないんだろう?敵は我ら龍族を動かすほどの人物ぞ。お前たちに相手が務まるかな?」
「瑤迦様はお守りします。今度こそ。裏切り者も早急に見つけ出し片付けます」
昇龍の答えに悠はフッと笑い、言った。
「その言葉違えるな。今度こそ。姫様を死なせるなよ」
そして悠は昇龍に各龍族の状況を伝えた。
「戻ったよ、叔父上」
「おー、龍弥!よく戻った!よく戻った!元気か?」
戻るなり頭をわしゃわしゃ撫で回され、龍弥は少しムッとした。子ども扱いすんな!と言って手を払いのけた龍弥を見て、雷龍族の族長である閃はがははと豪快に笑った。
「すまんすまん、だが甥を可愛がるのは当然のことだろう?それも滅多に会えないんだ」
光を柔らかく反射する金色の髪と太陽のような明るい笑顔と性格は雷龍族の性質をそのまま写している。龍族の中でも火龍族と雷龍族は特に攻撃力が高いが、性格は正反対だ。火龍族は一族至上主義で気難しく他の龍族と馴れ合うことをあまりしないが、雷龍族は社交的で明るく身分などもあまり気にせず誰とでもすぐ打ち解ける。この閃もこう見えて武力では火龍族の若き族長・炎翔に引けを取らない。若い時は今よりもっとすごかったはずだ。龍弥は本人には絶対言わないが、密かに閃のことを尊敬している。龍弥はまだ頭をわしゃわしゃしてこようとする自分よりも頭一つ分以上背の高い閃を見上げ、聞かなければいけないことを尋ねた。
「叔父上、ウチの一族、何か変わったことない?」
本業が多忙のため、更新が空くかもしれません。
頑張って更新したいとは思いますが、ご了承くださいませ。
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