第55話 内通者
新年最初の投稿です!
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飛龍は瑤迦に言われて初めてハッとした。何故気が付かなかった―。瑤迦の転生を知る者は天帝、皇后、特魔そして自分達だけ。だが敵は知っていた。これが告げる事実は―。
「内通者か!?」
「確証はないが、可能性は高いだろうな」
瑤迦は大したことないと言ったふうにあっさりと答えた。飛龍は瑤迦のその態度が気に入らなかったのか、抗議した。
「なんでそんなに呑気なんだお前は!もっと深刻そうにしろ!」
「近衛にまで伏せていた私の転生以上に大きな隠し事なんてそうそうないだろう。それももう秘密ではないしな。内通者を探すのは慎重にしなければいけないがな」
瑤迦の口調は変わらず軽かった。飛龍ははぁとため息をついた。確かに、今ここで騒いでも仕方ない。内通者を見つけるしかない。
「目星はついているのか?」
飛龍の問いに瑤迦はにっこり笑って答えた。
「全く。お前こそどうなんだ?私が人界にいた間、何か気になることはなかったか?」
飛龍はぎくりとした。瑤迦が天界にいなくなってからというもの、稽古の手合わせをする以外は一日のほとんどを東の塔でぼけっと過ごしていたなどまさか言えない。頭を働かせていない自覚も充分あった。現に内通者の存在も瑤迦に言われるまで気づかなかった。飛龍は少し間を空けて考えたフリをして顔を引き攣らせながら適当に言ってみた。
「そもそも本当に天帝、皇后、特魔の中にいるのか?」
質問に質問で返ってきたからか、予想と違う反応だったからか、瑤迦は目をパチクリして答えた。
「いや、その中にはいないと思う」
新年早々不穏な空気ですみません笑
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