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☆初任務☆

「うーわ、なんだよ、ここ……」


まさか俺が迷路のようなダンジョンに送り込まれるとは。

 そもそも、初の単独任務がダンジョンってアホだよね? 

 入り口から入り、早速ある分かれ道を右に行く。いやー、ガチで『地理学者』便利。

 ここは何故か、100キロ判定が狂ってるらしく、視認できる範囲だけらしい。

 いやまあ、それだけでも十分チートなんだよ。脳内マップを確認しながら進む。

 次も右折し、一番近い大広間的な場所に向かう。

 RPGとかだったら、大体ボスキャラいるよね。

 金属製の扉である。これまたお馴染みだよね。


「発動、『殺鬼刃(コロスヤイバ)』」


扉を破壊する。そしたらすぐ目の前に魔法陣が展開されていた。


「うーわ、嫌な予想は当たるってものか……」


転送された後に中央に控えるのはゴブリン。


「ていうか、何なのあの色……」


青色ゴブリン。緑が一般的だが、この世界では生活環境で使う魔法に変化が出て肌の色が変わるのだ……という説明を任務後に聞いた。

 つまりは当時の俺は全く何にも知らなかったのだ。

 ゴブリンが骨の出た右手を差し出すと魔法陣が手に出る。……いや、正確には魔法陣ではない。

 この世界の魔法は精霊たちの力を借りたものを指す。指笛で精霊たちを召喚、若しくは精霊の力を借りることで魔法を行使する事ができる。

 あれはスキルの顕現だ。

 『種族能力(グループ) 水操作』。


「『殺鬼刃(コロスヤイバ)』」


ゴブリンの手のひらから出た大波は俺の跳躍力の敵ではなかった。

 さすが若き身体。手に現れたのはおもそうな外見(みため)の大剣。

 それを重力のちからも借りて振り下ろす。刃が頭皮を切り裂き重さで頭蓋骨を砕き、体をきれいに半分に分けた。

 水でできた特殊な角を切る。


「コレ、鑑定してもらお」


ゴブリンがチリになって消えた後、抑揚のない声が響く。前世の合成音声のようだ。


「踏破場一回戦撃破。挑戦者を開放します」


眩しさに目を細める。

 目を開けるとそこには無機質な岩の並んだ広間になっていた。そして奥の扉の鍵が空いた。


「うーわ、連戦ってこと……?」


入ったときの仰々しい扉ではなく錆びた金属でできたシャッターのあの上に持ち上げるタイプらしい。

 だが、魔法をかけているのか重さはまるで無い。

 手についた錆びた匂いに子供の頃を思い出す。ブランコや鉄棒で遊びまくったあとの手のひらの匂いだ。

 扉の奥にはまた通路が伸びている。

 そのまま進む。右へ、左へ、曲がらずに。

 たとえ進む道をミスっても『地理学者』があるのだから恐れることはないのだ。

 暫く進むと、前に現れたのはまたもや大きな扉。よく見ると7つのトンガリ?のある星のような穴。

 その穴の一つは水色で埋まっている。


「ん……? さっきのもあったか?」


オレは首を傾げる。

 まぁ良いか、と持ち前の切り替えの速さ、思考の捨てるスピード力を発揮させる。

 扉を押すとまた魔法陣が展開。

 転送された。


「今度は……緑、いや深緑だ」


ゴブリンの色が普通の緑と違う。

 まるで風のような不快が鮮やかな肌の色だ。しかも2体。

 『種族能力(グループ) 風操作』。

 空気を切り裂く風が迫る。

 俺は刀を召喚してその風に刃を向ける。

 ギィンと甲高い音がなり刃が押される。


「グゥ……」


と声が口から漏れる。が、『殺鬼刃(コロスヤイバ)』の能力補正が途中でかかる。

 それは魔力を切断する力。自分と同等以下の魔力を持つ相手が放った魔法ならば切断が可能という補正だ。

 そして俺は知らぬ間に笑みを浮かべていた。

 俺は踊るように敵の首を狩る。

 地面が紅く染まる。それは血。

 俺は舞うように殺気を撒き散らす。

 顔が青く染まっている。それは、恐怖。

 いつの間にか転送され、眼の前に現るはゲームでおなじみの石の階段だ。


「おいおい、ラストとちゃうのかよ」


怪しい関西弁を言ってみたが怖いものは怖いらしく何もドキドキ感は変わらなかった。

 コツコツコツ。

 歩くたびに反響する。


「おいおい、お風呂場かよ……」


それほどまでにいきなり反響する壁に変わっているのだ。

 やめてほしいものである。

 気分で言えば1年生の頃の教室に慣れているのにいきなり2年生の教室が防音設備がついているくらい違和感の塊なのだ。

 今回は防音ではなく反響音ありまくりなのだが。

 日本のパンサーボードさんに頼みなさいよ。

 音が気になりすぎる。この嫌な雰囲気は苦手だ。

 薄暗く埃っぽい。1階はおそらく通気口が空いていたのだろうが、地下に入ると空気が淀んでいてカラッとしている。

 俺ほこりアレルギーなんだけど。

 鼻をすする。

 大きな瞳もいいことばかりではないらしい。

 ホコリが目に入りそうだ。

 ランタンの光をホコリが反射してキラキラと光っている。

 ホコリが光るなよ。

 おっと、ホコリファンの方がいらっしゃったら悪いのですが。

 すみませんが私はホコリアンチでいさせてもらってます。

 そんなバカなことを考えているとまた例の扉が現れた。今度は更に深緑で2つ枠が埋まっている。


「あぁ、これ倒したモンスターと対応してるな?」


しかもよく見たら4つ、薄く赤い光を帯びている。

 つまりは次は赤ゴブリンが現れるのだろう。


「うし、腹くくるか……」


俺は『殺鬼刃(コロスヤイバ)』を発動させ、扉を破壊した。

 目を開けると久しぶりにモワモワした空気ではなくなった。

 わかるだろうか、ホコリっぽい部屋はモワモワした感じがするのだが。

 まぁ良い。前に現れた4匹の炎だと思われるゴブリンに目を向ける。

 『種族能力(グループ) 炎操作』。

 現れた火の玉が鬱陶しい。

 刀ですべて切る。


「「「炎魔術 殺炎魔渦(ファイアストーム)」」」


おい、指笛はっ!?

 魔法じゃねぇのかよ!?

 俺は慌てて逃げる。

 4匹のゴブリンはその炎の操作に心血を注いでいるらしい。


「ふぅ……、発動 『殺鬼刃(コロスヤイバ)』!!」


刃の長さを4倍にする。

 手には魔力の集まりである為とてつもないエネルギーを感じる。

 それを炎の渦が近づき、間合いの中に入ると同時に振り下ろす。

 斬ると同時に熱があたりを襲う。


「あっつぅ……」


炎が消える。

 俺は走る。地面を蹴って。

 刃を横薙ぎに流す。2体の首を裂いた。

 醜くゴブリンがなにか言っている。


「すまん、死んでくれ」


そのまま勢いに乗って一回転する。

 離れたゴブリンには届かない。

 膝を曲げて力を貯める。太もものしなやかな筋肉が俺の体を前方に飛ばす。

 それはまばたき一つの間。

 ゴブリンの低い動体視力に理解できるはずもない。

 俺は刀の長さをそのままに振り切った。

 勢いが乗りすぎた。

 やべっ、と思う。ミスったら風呂のときにしみるじゃん!? 

 俺は慌てて受け身を取る。

 ちょっと汚れたが、怪我はなさそうだ。

 よかった。怪我した日は服脱ぐときのあの緊張感よ。

 怪我したところだけ手で優しく洗うのがあるあるだと思う。

 まぁ良いのだが。

 白い光がなくなり暗くなった後現れたのは仰々しいまでの階段。

 俺は緩みきった心を引き締め直すのだった。



ちょっと短くなってしまいました……。久しぶりの投稿なんで許してください!!

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