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詩集:雨が鳴らせば

石づくりの虹

作者: 歌川 詩季

 真鍮(しんちゅう)ってなんだろう?

 てのひらで(にぎ)りしめられるものだけ ほしがったら

 とけたチョコレートでよごしてた

 ばかげてるってわかってるのに

 爪のすきままで()めて

 白いシャツでぬぐうんだ


 信じることがちからなら

 暗闇のなか舞い散る 盲目の踊り()になりたいな

 舞台よりも狭い世界で たぶん

 生涯を終えるだろうけど


 石づくりの虹よりも ずっとたよりない橋だって

 たどりつきたい空につながってれば

 ぼくらはそれをえらぶだろう

 石づくりの虹を叩いて渡れば

 崩れ落ちもしないだろうけど

 大地にころがって(あお)いだ空のほうが

 なぜか青く()みきって見えるよ



 くちづけのあとをつけられるものだけ 愛してたら

 さめたポタージュから手をのばす

 からっぽだってわかってるのに

 そそいでくれるの待って

 ガラスコップは置いたまま


 疑うことが弱さでも

 洞窟のなか()()真鍮(しんちゅう)蝙蝠(コウモリ)に逢いたいな

 未来よりも狭い視界に やがて

 慣れてしまうのが似てるから


 石づくりの虹よりも ずっと危なげな橋だって

 支えてくれる(あし)()せてなければ

 ぼくらはそこを歩こうか

 石づくりの橋を砕いて()やめば

 杖のさきも恨むだろうけど

 無様(ぶざま)に怖がって歩んだ道のほうが

 ときに光輝いて見えるよ

 黄銅のことらしいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 石づくりの虹って言葉が、素敵ですごく好きです。
[良い点] 不確かな道であっても自分の思うように進んで良いと背中を押してくれるような素敵な詩ですね。
[良い点]  淡々とした言葉は大人の達観ではなく、もっと純粋にフラットで。  いい悪いではなく、そうしたいから。  ただその思いだけを映すようです。 [一言]  今の自分の世界は狭くても、続く先はある…
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