アホ面のアホウドリ
四時間目の授業を終え、昼休みになりました。
先程の授業は体育であったため、少し体が疲れましたが、特に怪我などは出来なくて良かったです。
ただ、お腹が少し空いたため、他の人と同じく食堂に向かう事にします。
移動するために廊下を歩いていると、後ろから走って来るような、ドタバタといった音が響きます。
私は振り向くと、どこか記憶にあるアホ面が見えました。
彼はそのまま走り抜けようとしたので、呼び止めることにします。
「待ちなさい、アホウドリ!」
「あ゛あ゛っ、誰がアホウドリだ!。」
あっ、間違えた。まあいいか。
「貴方ですよ貴方、それよりも廊下を走ってはならない。
常識ですわよ。もう少し頭を使って動きなさい、アホウドリ。」
「だ か ら、俺の名前は愛保 透真だ。前にもいっただろうが!。」
「あら、ごめんなさい。私、名前を覚えるのが苦手なの。そのまま改名しちゃったほうがいいんじゃない?」
「誰がするか。それよりお前、良狗先輩に付き纏って無いだろうな。」
良狗?。ああ、負け犬のことね。
確かこいつってあいつの事尊敬してるんだっけ?。
「特になにもないわよ。それより私にも敬称付けなさいよ、一応貴方の先輩なんだから。」
そんな事を言ったら。
鼻でハッと嘲笑ったあと
「するわけ無いだろ。」
と、ほざいた後、そのままさっさと歩いて行きました。
少しカッとなりそうでしたが、ここで手を出すと負けたような気がして何もしませんでした。
まあ、バカな後輩を許すのが先輩の努めみたいなものですからね。
アホウドリの言う事を気にするほうがバカみたいです。
そのまま食堂で、アホウドリを視界に入れないように昼食を食べました。