男
とある裏路地で男が電話をしていた。男は黒い帽子に黒い革ジャン、黒いズボンを履いていた。
「やあメリー・サイコワネット。調子はどうだい?」
男が電話の相手ーーメリー・サイコワネットに話しかける。
『全然良くないわ。せっかく見つけたと思ったら自分から死んじゃうんだもの』
メリーが答えると、男は笑いながら言った。
「ふっ、ははっ、まぁ励むが良いさ。まだまだチャンスは沢山ある。次は月野瀬にある私立月野瀬高等学園だよ」
『また自分で死んじゃったりするんじゃないの?』
メリーが聞くと、男は少し悩んでから続けた。
「……そんな事はしないよ。精神面がとても強いからね」
男の答えを聞き、メリーは少し安心したようだった。
「そう?なら良かったわ」
「じゃ、月野瀬に行ってらっしゃ〜い」
『はぁ、今さらだけど随分と遠くね。月野瀬って。私、新幹線の乗り方なんて分からないのだけど』
メリーがため息をつきながら言うと、男がそれに驚きながらも、丁寧に新幹線の乗り方を教える。
「わぁお。こりゃ驚いた。新幹線に乗るには、まず駅に行くでしょ。そして駅にいる人達を運転手だけ残して殺す…あ、運転手っていうのは…」
『運転手くらいは分かるわ』
しかし、その乗り方というのは通常とは全く違う物であった。
「そして、運転手を脅迫して、無理矢理月野瀬まで運転させる。で、月野瀬に着いたら殺して。はい、これで終わり。簡単でしょ?」
男は、凄い事を淡々と告げる。
『そうね。簡単ね。あーもう。貴方の所為で『簡単でしょ?』が私の口癖になってしまうんだけど』
メリーが迷惑そうに言うと、男は明るい口調で返した。
「いいじゃないか。別に。じゃあ、改めて月野瀬に行ってらっしゃい」
「ええ、行ってくるわ」
メリーは、電話を切ると、クラスメイトだった者達の死体の横を通り過ぎ、教室から出て行った。
男は、メリーとの電話が終わった後、こう呟いた。
「新幹線の乗り方も知らないし、嘘を言っても直ぐに信じるし。世間知らずのお嬢様って大変だなぁ…」
メリーは学校を出て、そのまま最寄りの駅へと向かった。
メリーは、普通の電車の乗り方なら分かる。そして、電車に乗り、大きな駅へと移動。着いた途端に二十人殺害。その他、駅にいた運転手以外の全員を殺害した後、運転手を脅迫。
月野瀬へ着き、運転手を殺害。その他月野瀬駅にいた全員を殺害。
私立月野瀬高等学園へと向かった。
私立月野瀬高等学園に着くと、校長が出迎えてくれた。
「私立月野瀬高等学園へようこそ。あなたのクラスは二年A組だよ。学校へ行くのは明日から」
「ありがとうございます」
「じゃあ、今日のところはここまで。また明日校長室へ来て下さいね」
「はい。では」
そう言い、メリーはその場を後にした。
次の日・校長室ー
「メリーさん。紹介するよ。私の娘の瀬季だ。瀬季、今日から同じクラスだ。挨拶しろ」
校長の横には男子用制服を着た瀬季が、仏頂面で立っていた。
「あの…つかぬ事をお聞きしますが、男性ですか?女性ですか?」
メリーが訝しげな顔つきで聞くと、瀬季は更に不機嫌そうな顔になった。
「俺は、男だ。今日からよろしく」
「よろしくお願いします」
メリーはニコッと笑いながら言った。
「じゃあ」
そう言って瀬季は校長室を出て行った。
「ごめんね。本当は女の子なんだけど、男の子だって言い張っていて…」
瀬季が出て行った後、校長はそう言った。
(なるほど、精神面が強い、ね…)
校長の言葉を聞いたメリーはそう思った。
「いえ、別に良いです。それより、私に紹介したという事は仲良くしてほしいという事で良いですか?」
「あぁ、『校長の子供』という肩書きの所為で人が寄ってこないんだ…本人は別に良いと言っているんだけどね…」
校長は悲しそうにそう言った。
「! そうでしたか…まぁ顔見知りにはなった事ですし、仲良くなれると思いますよ」
「よろしく頼むね」
「はい」
そう言い、メリーは二年A組に向かった。
佐々木 可奈についてー
誕生日:3月12日
髪型 :肩につくかつかないか微妙な長さ
髪色 :茶色がかった黒
顔面 :綺麗というより可愛い系。タレ目。
です!