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戦場の悪魔  作者: 漬物田中
第四章
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第57話 北ペンクスリの街を散策(2)

「戦場の悪魔」はタイトルが短いので、流行りの長文タイトル考えてみました。

「魔法少女になりたかったけど素質がないので悪魔と契約したらチートになりました」

「超美人の悪魔に毎日いじめられてます〜最強魔法少女爆誕〜」

タイトル考えるの苦手なので難しい

 二人は通り沿いの食堂に入る。このあたりでは比較的大きい食堂だが、昼食の時間帯を過ぎているせいか空いていた。

 提供される料理を取って、テーブルに着く。今日の食事はキャベツのスープ、マッシュポテトを平たくして両面焼いたもの、煮込んだ豆。

 どれも一口ずつ口に運ぶ。


「おいしいね、リリー」

「え? ええ、そうね」

 がつがつと掻き込むヨハンにリリーはわずかに首を傾げた。

(これがおいしいのかしら? わたしには味が薄くてあまりおいしいとは感じないのだけれど)


 それに食事の内容も物足りない。肉や魚が食べたい。施設で食べる食事もおいしいとは思えないが、幾分かマシに感じるほどだ。それとも自分の味覚が狂っているのだろうか。


「街の人たちはいつもこういうものを食べているの?」

「そうだよ。今は女の人も働く時代だからねぇ。料理に時間をかける必要ないから楽なんじゃない?」

「ふぅん」


 女性の家事労働を減らすために、前国家主席ランドン・キース・バレットが食堂を全国に造ったというのは本で読んだ。実際に街に来てみて、その通りなのだというのは感じた。しかし、リリーにはそれがひどく窮屈に感じた。娯楽もないのに食事すら楽しむことができないのは、なんて退屈でつまらないことだろうか。


 水と一緒に料理を流し込んで、リリーはヨハンと席を立った。そしてリリーが行きたがっていた雑貨屋へと足を運ぶ。

 雑貨屋にも客はほとんどおらず、商品の品数も極端に少ない。そしてカップ一つにしてもデザインはほぼ一種類しかない。可愛い雑貨をイメージしていたリリーは落胆し、「また今度」と店をすぐに出た。


 そのあといくつかの雑貨屋に立ち寄ったものの、どれも似たようなもので、結局リリーは何も買うことなく店を出た。


 車を降りてから三時間も経つことなく、二人はレオのところまで戻ってきた。車の横で立って待っていたレオは二人に気付くと敬礼をした。


「ずいぶんとお早いお戻りですね」

 浮かない顔をしたリリーは、愛想笑いをした。


「ダウベルト准尉、ウェルチ博士から至急戻るようにとの連絡がございました」

 ヨハンは目をぱちくりさせて、ポケットの中を弄った。

「ありゃ、通信機部屋に忘れちゃってたみたい。わかった。すぐ戻るよ。リリー、僕は一足先に戻ってるから、気を付けて帰ってきてね」

「えっ!?」


 ヨハンはヴィネを呼び出すと、「じゃあね~」と手を振って影の中にどろりと沈んでいった。

 レオと二人きりになったリリーは背中に冷たい汗が伝うのを感じた。


(ヨハン帰っちゃうの……!? この人と二人きりって……)


 レオは助手席のドアを開けた。リリーは後ろの座席に乗り込もうと思ったが、シートを移動させることもなく、無言で助手席に座るように促された。

 泣きそうな表情で助手席に腰かけた。


(ま、まあ、後ろの席でルームミラー越しに目が合うよりマシでしょ……)


 運転席に乗り込んだレオは車を発進させた。

 無言の時間がしばらく続く。それはたった数分のできごとだったが、リリーには何十分にも何時間にも感じられた。


(早く! 早く施設に着いて!)


「まだ時間があるので、少しドライブしましょうか」

「へっ!? えっ?」


 唐突に話しかけられ驚いて返事もできない間に、車は施設への帰り道とは違う車線に入って行った。


(ええええーーー!!)


読んでくださっている方、ブクマ、評価していただいている方、ありがとうございます。

とにかく終わりに向かっています。

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