大空スバル7
「はぁ・・・私は一体何をしているんだろうな?
なぁ?YAGOO?」
ディスプレイにでかでかと映し出された
谷郷さんの顔写真をペイントにコピペしながら
ひとり呟く私。
ティーンエージャーという年でもない私が
今人生初の雑コラに挑んでいる。
だが、やはり画像の切り抜きは難しい。
「あ゛ー。マジで何やってるんだろ゛ー。」
挫けそうな心を大空スバル動画で発破する。
【ホロライブFAMS】#にじホロイケボ 選手権
【にじさんじレインボーダンディーズ】
https://youtu.be/1YS8z_l7NOo
前回見たイケボ選手権のコラボ企画。
もう見る前から面白い事が確定している。
うきうき気分で動画を再生する私。
初回から炸裂する音声設定ミスによるミュート芸。
緊張からくる凄まじいグダグダ。
「そうだよ!こういうのでいいんだよ・・・!」
ものの数分でこれから始まる伝説を予感させる。
そして動画から伝わる波動が私の作業を加速させる。
力技でガリガリと作られていく雑コラの隣。
イケボの時特有なのかツッコミに回るという
珍しいスバルから発表される。
コラボ対決のご褒美である
『YAGOOとのコラボ権』
はあからさまにゲストたちを困惑させる。
「たまんねぇな!おいぃーーー!」
時間と共に加速する茶番の迷走具合に
呼応するかのように私のマウスペイントがはかどる。
――――――――――――――――――
「はぁ・・・」
動画の視聴終了と共に押し寄せる言い知れない虚無感。
そして何もなくなったはずの心の中に満たされる
感動と不安。
「どうしようこれ?」
完成してしまったYAGOOの雑コラを眺めながら
静かに混乱する私だった。
覚えた単語
「BB」
「おじおじ」:舞元
「てぇてぇ」:尊いの意味
初対面と未知との遭遇の違いは
そこに常識という共通認識が存在しているかの
違いなのかもしれない。
次回 ドリアン