大空スバル3
一晩寝て日付も変わりさわやかな朝を迎えた私。
だが、この心には未だ昨日の感動と興奮が
渦巻いていた。
そう、あの大空スバルという分類しがたい
まったく未知のキャラクターが
割り切れない存在として私の思考を乱してくる。
アイドルなのか?芸人なのか?
ドナルドはガチなのか?
結論の出ない疑問に急かされるように
朝の身支度を終えるとYouTubeのおすすめ
に表示されている動画の中から次を選ぶ。
【運営】
ホロライブ遊戯王デッキを作るッス!!!!!!
【許可済み】
https://youtu.be/tYgzzwGebgc
おすすめに表示されていたからというのもあるが
何より「運営許可済み」という単語も魅力的だった。
そう、これで運営がどのように大空スバルという
キャラクターを見ているのかがちょっとでも
かいま見れる気がしたからだ。
期待に胸を膨らませ動画を再生すると
冒頭から大空スバルの謝罪が始まる。
何やらこの動画をライブ配信したときに
開始時間を間違えていたということだ。
やはり芸人枠か・・・。
私の中で叫びながら謝るスバルは
そんな私の想定を超える存在であった。
「お詫びにこれを先に見て楽しんでください」
そういって画面に表示されたのは
『GO欲なYAGOO』という遊戯王カードの枠に
誰かの顔写真がプリントされた雑コラだった。
え?誰???
まったく見たことがない顔。
ニコニコ動画とかであったBL的なネタ動画かとも
一瞬思ったが雑コラが表示されてから
勢いよく流れてゆくコメントの中に
私の疑問に対する答えが見え隠れていた。
「社長」「CEO」
マ゛!?
そう、大空スバルは私の想像するような芸人なんて
ちゃちな枠組みにはまるような存在ではなかった。
自社の社長ですら動画のネタとして雑に扱う。
「ヤベー奴だ・・・」
一応社会人として仕事の経験がある以上曲がりなりにも
上下関係というものは身をもって知っていた。
そんな私の価値観がまさかこんな爽やかな朝に
こうも簡単に打ち砕かれるなんて思ってもみなかった。
こういうのもあるのか・・・。
口から出た言葉と裏腹に出てきた心のつぶやきに
何か新しい価値観に芽が出た気がした私。
でも動画を進めるうちにマネージャーも共犯だと知り
わりかしそういう風潮の業界かな?
と、勝手に理解しながら動画を視聴する私であった。
覚えた単語
「YAGOOはフリー素材」
注釈:VTuber配信サービス「ホロライブ」をやっている
カバー株式会社のCEOが谷郷さんらしい
名前すら違うことを確認してさらに驚いた。
サムネに映された雑コラは私に何を見せるというのか?
確信という名の価値観を頼りに
ホロライブというアマゾンへと今足を踏み入れる。
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