ダウンロード
「ケイタ、おまえ確か、軍艦好きだったよな?」
「突然、どうした?」
「おまえ、アニメの戦艦ものの話を、よくしてただろ?」
「あ、あー。戦艦好きっというよりは、ドンパチ好きなんだけど」
「戦艦でドンパチ?」
「むかし、向こうからやってきた戦艦群を、魚雷を撃って沈めていくゲームがあってなー。それが好きだったんだ。もちろん、撃つのも好きだぜ」
「それなら、おまえにうってつけのゲームがある」
「どんな?」
「ログインしたら、からだごと軍艦に擬態するんだ。もちろん、感覚だけだけど、な」
「へえー。おもしろそうじゃん」
「ただな、ちょっと変わってるんだ。痛みを伴うらしいんだが」
「痛みを伴う?」
「うん。撃たれて軍艦が壊れるだろ?そのときに、痛みの感覚があるってさ」
「へえー」
「それで沈められるときは、完全破壊だろ?そのときは、とんでもない激痛が走るという噂だ。もちろん、からだには何の害もないんだが」
なんともおかしなゲームが、あったもんだ。
しかし、おれは強く興味をひかれた。
「いっちょ、やってみるか!」
痛みとか、激痛とかが気になるが、海戦ゲームとくれば、やりたくてたまらない。
そして、おれは、そのゲームをPCにダウンロードした。
注意書きと準備事項に、こうあった。
<相当の痛みを伴うゲームなので、じゅうぶん覚悟してログインしてください>
<ゲーム用の特殊服があります。プリントアウトしてください。広げると、服の大きさになります。肩幅、腰回り、足の長さなどをだいたいでけっこうですから記入し、サイズ合わせしてからプリントアウトしてください。着用に際しては、全裸になってください>
服をプリントアウトした。広げると、なるほど、レインコートみたいな感じに広がった。
生地が、超薄い。
服を脱いで、すっ裸になった。
着用するとその瞬間、生地がフィットして、自分のカラダのようになった。
「よし、これで準備オッケー」
おれは、さっそくログインした。