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軟弱男の失恋譚  作者: 平 五月
2/8

告白前夜

 高校二年のクリスマス。来年からは受験生となり、本格的に勉強をしていかなくてはならないため、今年のクリスマスがラストチャンスだと思い、僕は小4の時に隣の家に引っ越してきて以来ずっと仲良くしている幼馴染、百川千里に告白することを決心した。去年も同じように決心し、結局は怖気付いて告白することはできなかったが、今年こそは必ず・・・。


部屋のベッドの上で一人、明日の告白について入念に計画を立てていた。タイミングは学校の帰りだ。僕も彼女も高校生になってからは部活に入っていないため、ちょくちょく一緒に帰ることもある。僕から誘うことはあまりないが、そこまで不自然には思われないだろう。そこで帰り道にある公園で彼女に告白する予定だ。去年は公園に寄ろうと言い出すことができずに告白は失敗してしまったため、とりあえず第一の問題はこれだ。

 そして、上手く公園に誘うことができれば、あとは去年考えて結局伝えることのできなかったものを、この一年間でさらに何度も修正を加えて完成させたセリフを言うだけだ。僕のことだからそのまま適当な会話をして帰宅するということも考え得るのだが・・・。

 いろいろなことを考えてしまうが、僕はきっと彼女は僕との交際を受け入れてくれると思っている。まぁ告白をする人にそれなりの勝算があるのは当たり前と言えば当たり前なのだが。それでも、僕と彼女が知り合ってからの約8年間を振り返ってみても、僕らの関係が友達の域を超えているのは確かだ。実際、幾度となく付き合っているのだと勘違いされたし、冷やかされたりもしてきた。


 だからこの時の僕は、彼女に振られるということを現実的に想像できていなかったのだ。


 自分を自分で制御できないくらいに動揺してしまうということを。

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