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軟弱男の失恋譚  作者: 平 五月
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失われた体温

 僕の人生は終わった。


 12月も半ばを過ぎようとしているこの時期に、暖房もつけずに僕はフローリングの部屋の真ん中で寝転がり、どんどん体温が失われていくのを感じていた。

 なぜ僕がこんなことになっているのかというと、幼馴染に告白して振られたからだ。さらに振られただけならまだしも――――いや、振られただけでも僕の人生が終わったことに変わりはないのだが――――僕は彼女に交際を断られたあと、こういってしまったのだ。


 「もし、君が僕と付き合ってくれないなら、僕は、自殺する!!!」


 自分でもなぜこんなことを口走ってしまったのか今でもよくわからない。僕に自殺する勇気なんてないことを、僕自身が一番よく知っているはずなのに。

 自殺すると言ったあと、僕はパニックになって弁解するどころか、声も出すことはできなかった。

 しかし彼女は、こんな訳の分からない僕の発言を真剣に受け止め、しっかりと答えてくれた。その答えを聞いて、僕は何も言えぬまま逃げ帰ってきてしまった。

 これが現在、僕が全身の体温を犠牲にしてフローリングの床を温めるに至った理由だ。

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