零話「始まり」
※不定期のんびり更新、流行は気にしない。
※pixivにも投稿しています。
其の神、高きに処に生まれ、全てを愛おしむ
全ての命を愛し育み、我が子とし
愛深き故に、命(我が子)を包む腕を広げん
◇◆◇
其の神は、全てを愛していた。
命有る全てを見守り、死せる瞬間は輪廻へ導く。
愛する、愛する、命達。
今生で儚く散った記憶を洗い流し、次代では幸せになれるように。
愛し子を守ってきた。
守ってきたと――信じていたのに。
『誰ゾ!』
愛し子を奪ったのは?
『何処ノ誰ゾ!』
守ってきたのに、大切に育ててきたのに。
『――誰ゾ!』
愛し子が、消える。
ひとつ、ふたつ、ではなく。
次々に、消えていく。
繋ぎ止める力は届かず、気付かぬ内に数多の愛し子が消失した。
『オォォォォォ――ッ!』
返せ、我の大切な愛し子を。
返せ! 返せ!
『何処ノ誰ゾ! 我ノ世カラ愛シ子ヲ奪ウノハッ!』
白き神の御魂が、増悪に染まり闇へ堕ちる。
祝詞は呪詛へ塗り替えられ、笑みは嘆きに変わった。
痛々しきその有様に、大神は断を下した。
―愛し子を取り戻せ―
この世とは、別の世界。
理が違う背中合わせの世界の何処かへ、囚われた愛しい命達を。
正しくこの世界へ戻す事を、大神たる我が命ずる。
八百万の神々が、嘆き悲しみ闇へ隠らぬ様に。
我等が守ってきた命を探しだし、きっと戻せ。
その為の力を、貸し与えよう。
約束を違えることなかれ。
その日、信仰心の厚い者達は夢を見た。
平穏なる日常が、嘆きながら徘徊する黒き神の御手により壊される瞬間を。
回避するには奪われた魂を探し出すしか無いのだと、聡い者達は知った。
オリジナルでの投稿は初めてです、普段は主にゲーム系の二次を書いてます。
実は体調不良の日が多いので、定期的な更新はお約束出来ません。
※タグのR15は保険です、過度な表現には気を付けますが必要な時がある
かもしれません。その際は、前書きにも表示致します。
※カクヨムへも(投稿練習の為)後日投稿予定です。
使い勝手の良いほうを、主更新にする予定です(此方が消える事もあります)